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三重県 鈴木英敬知事 (2014年2月) | 公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)

首長による情報発信

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三重県 鈴木英敬知事 (2014年2月)

投稿日 : 2014年03月20日

江戸時代のお伊勢参りにさかのぼる「おもてなしのこころ」をもって国内外の人々にその魅力を訴える三重県。ユネスコの無形文化遺産の登録に向けてこの1月に県の無形民俗文化財に指定された海女文化や地方目線の少子化対策への取り組みについて鈴木英敬知事に伺いました。 (聞き手:FPCJ理事長 赤阪 清隆)

 

 

宇治橋・鳥居―三重県の魅力を世界に向けてどのように発信されていますか。

昨年の伊勢神宮の式年遷宮には海外からも含め、過去最高の1420万人が来県、参拝してくれました。海外では台湾とASEANの観光客の誘致に力をいれており、その一環として昨年5月に「日台観光サミット」を志摩市で開催しました。日本と台湾の観光関係者が一堂に会する会議で台湾の観光関係者に三重の魅力をアピールしました。

伊勢神宮・宇治橋鳥居(三重県提供)

   

                    

 4-1三重県ランタン左―台湾との交流は、かなり盛んですね。         忍者のランタン(三重県提供)

昨年2月には、台湾政府観光局が主催する同国を代表するお祭り、「ランタンフェスティバル」に日本の自治体として初めて海女と忍者などのランタンを出展して三重県をPRしてきました。PRに力をいれた成果が、1月~9月の台湾からの観光客が前年比で42%増加する、という結果を伴いました。イベントでの交流やPR以外にも、三重(サンチョン)区があり、台湾で一番大きな新北(シンペイ)市と「三重」つながりで昨年10月に観光協定を結びました。台湾からの観光客数が増加していることもあり、中部国際空港(セントレア)に中華航空の直行便を週11便からの増便をお願いしたところ、来たる3月から週13便に増便されることになりました。こうした台湾との観光交流への取り組みが台湾の観光振興に多大な貢献をしたと評価され、この2月11日に「台湾観光貢献賞」を自治体としては静岡県に次いで2番目に受賞しました。

 

熊野古道・馬越峠(三重県提供)

馬越峠―ASEANや姉妹都市との交流はいかがですか。

タイやマレーシアを中心にプロモーションをしています。国際的に知名度の高い忍者で海外から観光客を呼びこもうと、「忍者パック」をつくりました。忍者をラッピングした列車に乗車してもらい、忍者体験をしたりするもので、昨年は、タイ、マレーシア、シンガポール、台湾、香港の5ヵ国から約1000人の観光客を受入れました。

ブラジル・サンパウロ州と三重県の姉妹提携が40周年を迎えた昨年は、新たな関係を目指す共同宣言に署名するとともに、これまでの交流が発展するよう確認しました。三重県は四日市公害といった産業公害を克服した技術やノウハウがあるので、技術を移転してブラジルの環境保全と経済の発展に貢献したいと考えています。一方でブラジルの経済はポテンシャルが非常に高いので、県内企業とブラジル企業の産業提携に取り組んでいきたいと考えています。昨年の日本への観光客のうち、対前年増加率がブラジルはタイに次いで2番目に多いそうで、これからの観光市場としての魅力もふくめて様々な情報を発信してきました。今年は熊野古道の世界遺産登録10周年になりますので、ヨーロッパにも発信していきたいと考えております。                   

 

~海女漁業の振興と海女文化の保存・継承のために~

 

―ユネスコの無形文化遺産登録に向けての見通しは。

今年の1月23日に県の無形民俗文化財に全国に先駆けて指定しました。女性の素潜りは全国の17県で活動していますが、そのうちの8県の知事で海女文化保存振興会議を1月24日に立ち上げました。本年中に国の文化財になるよう、文化庁にお願いをしています。国の文化財の指定をうけた後、ユネスコに申請をしたいと考えています。

 

―韓国・済州島の海女とも交流していますね。mie 004

日韓関係が冷え込んでいますが、韓国・済州島の海女と相互交流をしています。草の根レベルでは非常に良好な関係が築けているので、ともに歩んで行けたらと思っています。県の文化財に指定をしたことで県民の機運も高まっていますので、ユネスコの無形文化遺産登録に向けてしっかり確実に進めて行きます。

                                                                                                 

                                    鈴木知事(左)と赤阪理事長

 

―昨年9月に実施した在日外国特派員向けのプレス(取材)ツアーの反響は。

プレスツアーの取材をとおしてフランスのルモンド紙をはじめ各紙に大きく報道してもらいました。ルモンドの報道にあったように、海女を取り巻く環境は大変厳しい。海女の仕事のみで得られる年収は100万円程です。一番の収入源であるアワビの稚貝を大きくして放流するなど、所得が増えるよう県としても支援していきます。県の文化財指定やユネスコでの無形文化遺産登録に向かっていくことは、責任を伴うものなので、しっかり確実に進めていきたいと考えています。

 

―ユネスコ無形文化遺産の登録には時間がかかるのですか。

国の審査には1~2年かかる見込みです。無形文化遺産登録には、日本のなかでもウエイティング・リストがあります。来年、イタリアのミラノで万博が開催されます。三重県もブース出展し、三重ウイークを開催しようと準備を進めています。日本館では、日本食や日本の食文化のプロモーションに力を入れるそうなので、海女さんに登場してもらい、現地でPRをしてもらおうと考えています。

  

~ 地方目線の少子化対策で地域の活性化を~

 

 昨年9月にオープンした三重テラス(東京・日本橋)

mie 006―少子化対策にも積極的ですね。

少子化を克服した北欧やフランスでは子どもが欲しいと希望した時に子どもが産めるような環境作りはもとより、妊娠、出産といったライフプランをしっかり描くところから手厚い支援を実施してきました。三重県では理想のこどもの数が2.5人という数字が出ていますが、実際の子どもの数は1.7です。理想と現実の間にはひとりのギャップがあります。子どもを持つことを希望していながらなかなか叶わないのは、身体のこと、経済的なこと、男性の協力、職場の働き方などいろいろな要素があります。私が内閣府の少子化危機突破タスクフォースの委員であることもあって、ライフステージごとに切れ目なく国も地方も支援していこうと、声掛けをしているところです。

 

―三重県の具体的な取組を教えてください。

全国に先駆けて、男性の不妊治療に力を入れ、治療が適切に行えるよう支援していきます。また、不妊治療の回数制限の緩和も行います。国の支援では通算6回まで不妊治療の支援が得られますが、例えば5回目の治療で子どもを授かった場合、治療の助成があと1回しかないと二人目が欲しいけど、と不妊治療を躊躇してしまうことがあるかもしれません。三重県では、二人目の不妊治療に配慮して計8回助成できるような支援制度を立ち上げます。

また、「男性の育児参画」を少子化対策の重要なコンテンツに位置付けています。女性は家事をしながら子育てをしていて非常に段取りがいいので、育児参画した男性は、女性同様幸せを感じるとともに、仕事もデキるようになり、ひいては、男磨きにもなると思います。三重県の人口は184万人で、2040年には150万人になると言われています。地域の活性化、地域を持続可能にしていく意味でも少子化対策をしっかりしていきたいと思います。

 

~実はそれぜんぶ三重なんです!~

 

三重県ロゴA-3_ol―ずばり、三重県の魅力は。

「何でもありますよ」というのを売りにしています。熊野古道、伊勢神宮などの観光名所、松阪牛、伊勢えびなどの特産品がありますが、三重のものだとあまり知られていません。多彩な魅力を「実はそれ、ぜんぶ三重なんです!」というキャッチコピーにしています。2020年の東京オリンピック招致の際に「おもてなし」ということばが出ましたが、三重県民は、江戸時代に無一文でお伊勢参りにきた人たちに宿、風呂、食事を提供してきました。県民にはおもてなしのDNAが流れていて、観光客を温かく受け入れる伝統が生きづいていると思います。三重県の良さに共通するのが、伊賀出身の松尾芭蕉のことば「不易流行」にあると思います。お伊勢さんも、20年に1回変わるということで古くて新しい部分がありますし、熊野古道もまたしかり。ただ、いいものがたくさんあるので、正直どのように印象づけていくか難しく感じます。観光だけでなく、ライフスタイルがちょっと見えたり、感じたりできるブランド作りがより魅力を伝えられるのではないでしょうか。「三重県に行くと温かいおもてなしがあるよ」という発信の仕方を心がけていきたいと思っています。

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