日本発・注目のプレスリリース

  • Facebook
  • Twitter
  • Print

高志の国文学館

第2回大伴家持文学賞の受賞者の決定及び贈呈式の開催について

2021年07月08日

                                                            

 富山県では、万葉集の代表的歌人の一人であり、国守として赴任した越中で数々の秀歌を詠んだ、大伴家持(718~785年)の生誕1300年を記念し、2017年に、世界の優れた詩人の業績を顕彰する「大伴家持文学賞」を創設しました。
 このたび、新型コロナウイルス感染拡大の影響により1年延期となっていた第2回大伴家持文学賞について、選考委員会での審議等を経て、次のとおり受賞者を決定し、贈呈式を開催しましたので、ご案内します。

1 第2回大伴家持文学賞受賞者について
 北島 Bei Dao
 詩人、中国出身、71歳
 主要著書 北島『北島(ペイタオ)詩集』(是永駿編・訳、書肆山田、2009年)

 (プロフィール)
1949年、北京生まれ。本名 趙振開(Zhao Zhenkai)。1978年、北京で友人たちとともに文学雑誌「今天」(今日という意味)を発刊。1987年以来、ヨーロッパ、アメリカ、香港などの多くの大学で教鞭をとる。北島の作品は30か国の言語に翻訳されている。ブラウン大学名誉博士、香港中文大学文学院名誉教授。国際ペンクラブ・バーバラゴールドスミス自由執筆賞、スウェーデン国際ペンクラブ文学賞、アメリカグッゲンハイム賞、マケドニアのストルガ詩の夕べの最高栄誉賞である金冠賞などを受賞。アメリカ芸術アカデミー名誉会員。2009年には、現在アジアで最も影響力のある国際詩歌祭である香港国際詩歌の夕べを創始した。2018年には香港詩歌祭財団を創設した。

 (選考理由)
 北島は、2015年に詩の分野で最も権威のある「ストルガ詩の夕べ金冠賞」を受賞するとともに、ノーベル文学賞の候補に名前が挙げられるなど、国際的に高い評価と注目を得ている詩人である。
 北島は、現代中国の激動の中、イデオロギー性のある詩作から出発したが、近年の作品では、その過去の憤りを強い魂によってパーソナルなポエジーへと昇華し、精神の表現者へと到達している。『北島(ペイタオ)詩集』(是永駿編・訳、書肆山田、2009年)では、その詩の円熟の経過をたどることができる。
 この詩集にも見られるように、近作の「冬を過ごす」では、政治的な抑圧の中にあった詩人が、詩の魂に未来の光を見る。そのことによって、詩人が背負う歴史や風土を超えて、人類の表現者へと達している点が評価された。

 (選考対象者数)
 109名(24の国と地域)の候補者から選考


2 第2回大伴家持文学賞贈呈式について
 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、受賞者である北島氏ご本人の来日がかないませんでしたが、2021年7月3日(土)、ANAクラウンプラザホテル富山にて、第2回大伴家持文学賞贈呈式を開催しました。式典では、選考委員長を務めた中西進高志の国文学館館長が選考理由の報告を行い、新田八朗富山県知事から北島氏の代理で城西国際大学客員教授 田原(Tian Yuan)氏に、メダルが手渡されました。その後、北島氏がビデオ出演し、受賞者あいさつ及び詩の朗読を行いました。


[お問い合わせ先]
高志の国文学館
E-mail: akoshinokuni@pref.toyama.lg.jp

贈呈式の写真をご希望の方は、7月8日以降に上記メールアドレスよりお問い合わせください。

FPCJとは
取材協力
取材に役立つ情報
活動の記録
外国への情報発信