プレスツアー(案内)

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実施日 : 2022年06月01日 - 02日

福島プレスツアー

投稿日 : 2022年05月11日

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福島プレスツアー

<実施日:2022年6月1日(水)~2日(木)/ 主催:環境省>



【取材テーマ】

福島の環境再生と復興のいま

 

東京電力福島第一原子力発電所が立地する福島県双葉町は、町の大部分が「帰還困難区域」に指定されており、原発周辺の自治体で唯一、今もなお全ての住民が避難生活を余儀なくされている。その双葉町で、今年6月以降に特定復興再生拠点区域での避難指示解除が予定されている

 

東日本大震災と原発事故の発生により未曾有の被害が生じたが、世界的にも前例のない規模と方法で行われた除染や汚染廃棄物の処理により、福島の環境再生は着実に進んでいる。2018年3月には、帰還困難区域を除く地域で面的除染が完了した。福島県内では道路・鉄道等のインフラ復旧も進み、避難指示も順次解除され、原子力災害からの復興が進んでいる。帰還困難区域においても、町の中心部など復興・再生の拠点となりうる区域が「特定復興再生拠点(復興拠点)」に指定され、住民の帰還を促すため先行的に除染やインフラ整備が行われ、その一部は避難指示が解除された。一方で、住民の帰還が道半ばであることや、福島県内除去土壌等の県外最終処分など、復興に向けた課題も残る。

 

本ツアーでは、双葉町とその周辺自治体を訪れ、福島の環境再生の現状と課題、福島の復興や未来のための挑戦を続ける人びとを取材し、「福島の今」を知る。


<主な取材先>

環境省ブリーフィング、中間貯蔵施設、除去土壌再生利用実証事業(飯館村長泥地区)、東日本大震災・原子力災害伝承館、双葉町(町長又は役場幹部インタビュー)、JR双葉駅周辺、とみおかワインドメーヌ、浪江町、福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)

 

 

取材内容】


1.福島の環境再生に向けた取組


(1)環境省ブリーフィング

環境省では、福島県内だけで40万軒以上の住宅、500平方キロメートルを超える土地の除染など、かつてない規模と方法で、環境再生事業に取り組んできた。

 

◆東日本大震災及び原発事故の発生から現在に至るまでの福島県における環境再生事業と今後の課題について、環境省の担当者から説明を受ける。

 

(2)中間貯蔵施設

福島県内では除染に伴う放射性物質を含む除去土壌等が大量に発生した。これらを最終処分するまでの間、安全かつ集中的に管理・保管する施設として、中間貯蔵施設が整備された。大熊町と双葉町にまたがるおよそ16平方キロメートルにわたる広大な施設で、県内各地の仮置場等で一時的に保管されていた除染に伴う土壌や廃棄物(落葉・枝等)、1キログラムあたり10万ベクレル(Bq)を超える放射能濃度の焼却灰等を貯蔵する。仮置場等から搬入された除去土壌等は「受入・分別施設」で可燃物を取り除き、分別した土壌は「土壌貯蔵施設」で保管される。2015年3月から中間貯蔵施設への輸送が開始され、22年4月末までに累計で約1,300万立方メートルの輸送を実施した。2022年度は、帰還困難区域の復興拠点で発生する除去土壌等を中心に搬入を進めている。

 

◆「受入・分別施設」、「土壌貯蔵施設」等を視察し、関係者から説明を受ける。







 

 

 

 

【写真提供:環境省】



(3)除去土壌再生利用実証事業(飯館村長泥地区)

中間貯蔵施設で保管されている除去土壌等は、貯蔵開始から30年以内(2045年まで)に、国が責任を持って福島県外で最終処分することが法律で定められている。環境省では県外最終処分に向けて、処分量を減らすことが鍵だとして、安全性の確保を前提に、除去土壌等の減容技術の開発や再生利用に関する実証事業を実施している。

 

その一つが、飯館村で唯一避難指示が解除されていない長泥地区で実施している除去土壌の再生利用実証事業だ。飯館村で発生した除去土壌のうち、放射能濃度が1キログラムあたり5,000ベクレル(Bq)以下のものを、異物除去などの工程を経て再生資材化し、その再生資材で盛土した上に放射線を遮るための土(覆土)をかぶせ、農地を造成する。また、農地造成の他に、安全性や生育性を確かめるための試験用の盛土を造成し、花や野菜・資源作物の栽培を試験的に行ったほか(収穫された野菜は全量廃棄)、作物の生育性や安全性を比較するため、一部の区画で覆土が有る場合と無い場合での比較試験も実施した。2021年度からは、水田の機能を確認するための試験も行われている。


◆環境省の担当者から再生利用実証事業について説明を受けた後、再生資材化ヤードや水田試験エリア等を視察する。その後、2020年まで長泥行政区長を務めた鴫原良友(しぎはら・よしとも)氏ら、今も避難生活を続ける住民から、国の実証事業を受け入れる決断をした経緯や長泥地区の再生への想いを聞く。









【写真提供:環境省】

 


2.住民の帰還とふるさとの再生


(1)東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉町)

2020年3月に避難指示が解除された双葉町の中野地区復興産業拠点に、同年9月、「東日本大震災・原子力災害伝承館」がオープンした。展示や語り部の講話を通じて、福島が経験した震災、津波、原子力災害という未曽有の複合災害の記録と記憶、教訓を後世に伝えるとともに、復興に向けて力強く進む福島県の姿を発信している。

 

◆館内を視察するとともに、原発事故当時小学生で自らも長期の避難生活を経験した若手職員から、彼らの被災体験や、福島の復興に向けた若い世代の声を聞く。


 








【写真提供:環境省】


 

(2)原発事故後初となる住民の帰還を控える双葉町

福島第一原発が立地する双葉町は、原発事故により約7,000人の町民すべてが避難を強いられ、現在も帰還困難区域が町域の96%を占める。2020年春に町の一部区域で避難指示は先行解除され、復興拠点内の立入規制が緩和されものの、住民の帰還は認められなかった。双葉町は、今もなお全町民の避難が続く唯一の自治体だ。

 

その双葉町で、今年6月以降にもJR双葉駅を中心とする復興拠点全域(約555ha。町域の約10%)で避難指示が解除され、住民の帰還が始まる見込み。震災発生から11年以上を経て、町はようやく復興の新たなステージを迎える。現在、JR双葉駅周辺では8月末に業務を開始する予定の町役場仮庁舎や、10月に入居が始まる予定の災害公営住宅の建設が進んでいる。その一方で、今でも駅周辺には壊れたまま手つかずの家屋や、建物を解体した後のさら地も多くみられる。今年1月には帰還・居住に向けて住民が拠点内の自宅に寝泊まりできる「準備宿泊」も始まり、町は避難指示解除から5年後における居住者数の目標を2,000人としている。


◆伊澤史朗(いざわ・しろう)町長又は役場幹部から、住民の帰還を間近に控える現在の想いや今後の課題について聞く。JR双葉駅周辺で被災と復興の「影」と「光」を視察する

 

 








【写真提供:環境省】

 

 


(3)とみおかワインドメーヌ(富岡町)

富岡町は、原発事故により約1万6千人の町民全員が町外への避難を余儀なくされた。郡山市に避難していた富岡町出身の遠藤秀文(えんどう・しゅうぶん)氏は、2016年春、県内各地に避難していた町民有志と10人で、避難指示が発令され誰もいない富岡町に通いワイン用ブドウの栽培を始めた。何も無くなってしまった町に新しい産業をつくり、富岡の未来を切り開きたいとの想いからだ。17年4月に町の約9割で避難指示が解除されると、遠藤氏も同年8月に町に帰還し、本業の建設コンサルティング会社を営む傍ら、18年11月に「一般社団法人とみおかワインドメーヌ」を設立。19年秋に初めてのブドウの収穫にこぎつけ、20年1月に初めてワインが完成した(醸造は外部委託)。今後は、クラウドファンディングを利用して富岡駅近くのブドウ畑を拡大するほか、醸造設備やワイン販売所も併設したワイナリーを整備する予定で、原発避難により一時誰もいなくなった町に、ワインを通じて賑わいを取り戻そうとしている。ブドウの成長と復興を重ねた遠藤氏らの取組は、今年1月に発表された「第12回地域再生大賞」で優秀賞を受賞した。

 

◆ブドウ畑を訪問し、遠藤氏からとみおかワインドメーヌのこれまでの歩みやこれからの展望、富岡町の復興への想いを聞く。


                                                     

 





 

 

【写真提供:とみおかワインドメーヌ】

 

 

(4)福島水素エネルギー研究フィールド(浪江町)

2020年3月、浪江町に、再生可能エネルギー由来の電力を利用した世界最大級の水素製造拠点、「福島水素エネルギー研究フィールド(略称:FH2R)」が開所した。敷地面積は18万平方メートルで、敷地面積の8割を占める太陽光パネルで発電した電力を用いて水の電気分解を行い、水素を取り出す。1日の水素製造量は、一般家庭約150世帯の1カ月分の消費電力に相当する。FH2Rで作られたCO2フリー水素は、21年に開催された東京2020大会期間中、聖火台の燃料や、大会で運用されるFCVや燃料電池バスなどの燃料として使われた。

 

震災当時21,434人が暮らしていた浪江町は、原発事故により全町避難となった。町内全域に出されていた避難指示は帰還困難区域を除き2017年3月に解除されたが、町内で暮らす住民は今も1,844人(22年3月末現在)にとどまる。こうした中、原発事故で大きな被害を受けた浪江町は、復興の柱として、FH2Rで作られる次世代のクリーンエネルギー水素に期待を寄せる。町では20年11月に発表した「なみえ水素タウン構想」のもと、町内で水素エネルギーの利用を推進するとともに、企業による水素関連のさまざまな実証プロジェクトを積極的に受け入れて、「水素の地産地消」を目指している。水素社会実現に向けた先駆けの地となることで、企業や若い世代を呼び込むねらいだ。


◆FH2Rを訪問し、世界最大級の水素製造能力をもつ施設を視察するとともに、浪江町が目指す水素を軸にした震災復興とまちづくりについて説明を受ける。







 

 

 

 

 

【写真提供:環境省】



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【実施要領】


1.日程:

2022年6月1日(水)~2日(木)

 

2.スケジュール:

※日程は、天候等の理由により後日予告なしに内容を変更することがあります。また、新型コロナ感染状況の推移等により、ツアーの開催を延期または中止させていただくことがありますのでご理解をお願いします。

 

【1日目】

07:12-08:30       東京駅-郡山駅(やまびこ123号)

10:30-11:45       東日本大震災・原子力災害伝承館

12:00-13:00       環境省ブリーフィング

13:05-13:50       昼食

14:10-16:00       中間貯蔵施設

16:30-18:00       とみおかワインドメーヌ

18:15               宿舎着(富岡町内泊)

 

【2日目】

08:30                 宿舎発

09:00-10:15   双葉町内視察

10:30-11:15   インタビュー(双葉町長又は役場幹部)

11:40-13:00   FH2R

13:15-14:00   昼食

15:10-17:10   除去土壌再生利用実証事業(飯館村長泥地区)視察

18:30         福島駅

19:16-20:48   福島駅-東京駅(やまびこ156号)

 

3.参加資格

外務省発行外国記者登録証保持者

 

4.参加費用

13,000円

(全行程交通費、宿泊費(1泊2食)含む)

お支払い方法、キャンセル料等については、参加者にご連絡します。


5.募集人数

10名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)

※申し込み人数が10名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。

 

6.FPCJ担当

取材協力課 山田・渡邉

(Tel: 03-3501-3405、E-mail: ma@fpcjpn.or.jp)

 

7.新型コロナウイルス感染症に関する対応について

参加者は、本ツアー開始前の検温、ツアー中のマスクの着用、手洗い・アルコール消毒など、主催者の指示に従ってください。また、次の事項に該当する場合はご参加いただけません。

(1)本ツアー参加前に検温を実施し、37.5度以上の発熱が確認された場合

(2)本ツアー実施日直前14日間以内に、発熱や咳、喉の痛みなど風邪の症状、嗅覚や味覚の異常、倦怠感や息苦しさ、体が重く感じる、疲れやすい等体調に異変を感じたことがある場合

(3)本ツアー実施日直前14日間以内に、新型コロナウイルス感染症陽性とされた方と濃厚接触がある場合

(4)同居家族や身近な知人に感染が疑われる方がいる場合

(5)本ツアー実施日直前14日間以内に政府から入国制限、入国後の観察期間を必要とされている国、地域等への渡航歴または当該在住者との濃厚接触がある場合

 

8.備考

(1)本ツアーは環境省が主催し、公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)が運営を担当しています。

(2)参加者には経費の一部を負担していただいていますが、営利を目的とした事業ではありません。

(3)本ツアー中に発生した事故や怪我・病気、トラブル等について、環境省及びFPCJは一切の責任を負いかねます。参加者は個人の判断・責任において、必要に応じ旅行傷害保険等に加入して下さい。

(4)一部取材場所で撮影制限があります。写真・TV撮影に関しては、担当者の指示に従ってください。

(5)ツアーの様子を記録した動画・写真・記事を、環境省やFPCJのホームページやSNS等に掲載することがありますので、予めご了承ください。

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