プレスツアー(案内)

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実施日 : 2009年03月27日 - 28日

【プレスツアー】2009年3月27-28日:山陰(島根・鳥取)プレスツアー

投稿日 : 2013年08月22日

~山陰の自然、環境、文化~

 

 山陰地方は日本の本州西部のうち日本海側に面する地域一帯(広くは京都府から山口県まで)を差し、その中核である島根県、鳥取県は特に「山陰両県」とも呼ばれる。
 本ツアーは、まず東京から出雲(島根県)に飛び、宍道湖を望む「水の都」松江、美術作品と日本庭園が美しく調和する「足立美術館」を訪ね、自然と地域文化が織りなす伝統美に触れる。二日目は山陰経済の中心地・米子(鳥取)から日本海沿いを一路東へ、砂と風が優美な曲線を創造する「鳥取砂丘」、リアス式海岸で世界ジオパーク登録をめざす「山陰海岸」で野性のダイナミズムを感じると共に、世界の砂漠化問題に取り組む「鳥取大学乾燥地研究センター」を訪問する。
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 山陰地方は日本の本州西部のうち日本海側に面する地域一帯(広くは京都府から山口県まで)を差し、その中核である島根県、鳥取県は特に「山陰両県」とも呼ばれる。「山陰」の「陰」はもともと中国語で「山の北側」、或いは「山の陰」といった意味で、これに曇りや雨の多い気候も加えて「山陰は暗い」というイメージをもたれがち。だが、実際にその豊かな自然を目の当たりにし、地域が大切に育む伝統文化に触れるとそのイメージは払しょくされる。

 

 北は雄大な日本海、南は大山(だいせん(鳥取))に奥出雲の山並み、その中心には風光明媚な宍道湖(島根)。東西に長く広がる山陰は豊か且つダイナミックな自然に恵まれ、また、玉造(たまつくり(島根))、三朝(みささ(鳥取))などの名湯をはじめ全国的に有名な温泉地が多数存在する。更に、大国主命・因幡の白兎、八股の大蛇など日本神話と深いつながりを持つ土地柄でもある。

 

 本ツアーでは、まず東京から出雲(島根県)に飛び、宍道湖を望む「水の都」松江、美術作品と日本庭園が美しく調和する「足立美術館」を訪ね、自然と地域文化が織りなす伝統美に触れる。二日目は山陰経済の中心地・米子(鳥取)から日本海沿いを一路東へ、砂と風が優美な曲線を創造する「鳥取砂丘」、リアス式海岸で世界ジオパーク登録をめざす「山陰海岸」で野性のダイナミズムを感じると共に、世界の砂漠化問題に取り組む「鳥取大学乾燥地研究センター」を訪問する。

 

※本ツアーは山陰国際観光協議会が主催し、フォーリン・プレスセンターが企画協力しています。

 

*取材内容*

 

【島根県】 
島根県は日本列島本島の西端に位置する中国地方の北部にあり、東は鳥取県、西は山口県、南は中国山地をへだてて広島県に接し、北は日本海に臨む。島根半島の北方40〜80キロには隠岐諸島がある。人口は約72万人(09年1月)。県都・松江市は明治の文豪・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が愛し暮した城下町。最近フランスの観光ガイドブックで三ツ星を獲得した。中心に広がる宍道湖は、周囲45km、面積約80km2の日本で7番目に大きい湖で、2005年に「ラムサール条約湿地」に指定された。また、県中央に位置する石見銀山遺跡は2007年7月に世界遺産に登録された。

 

溝口 善兵衛(みぞぐち ぜんべえ)知事 プロフィール

 

1946年、島根県生まれ。東京大学卒業後、大蔵省に入省し、2003年に財務省財務官、その後国際金融センター理事長を経て、2007年4月から現職。世界の景気後退が津波のように各国に押し寄せている今、島根にも影響が及んでおり、「その対応策が県政の最重要課題」として、今回の危機発生後に政府が発表した中小企業等に対する融資保証を30兆円増やす等の措置に呼応して、島根県も中小企業金融については低利で長期の融資制度を設けた。また、経済効率優先の小泉改革のもとで深刻化した都市と地方の格差是正にも力を注ぐ。

 

●環境対策と観光振興、高齢者雇用を同時に実現させた「堀川遊覧船」(松江市)

 

 島根県松江市にある松江城は、日本で天守閣が現存する12城の一つ。現在、開府400年を記念したイベントが連日行われている。

 

 そのお城を囲む堀川は、以前は汚れた川であった。1996年4月、当時の宮岡松江市長(故人)は堀川の水質を浄化し観光遊覧船を浮かべる計画を発表し、大規模な水質浄化作戦を展開。隣接する宍道湖の湖水と堀川の水を循環させ、ヘドロ対策、下水道の整備を進めた。住民も空き缶等の散乱防止やごみの不法投棄防止に協力、堀川の浄化は着実に進み、1997年7月20日から堀川遊覧船の運航が始まり2007年の乗船者数は33万人を超えた。

 

 船を操作する船頭高齢者を中心に雇用され、今では総勢101名(うち女性11名)、平均年齢63.29歳(2008年5月現在)の船頭が活躍している。100人を超す企業で、ほとんどの職員が高齢者という職場は全国的にも珍しい。

 

 本ツアーでは、実際に遊覧船に試乗し、水質浄化や高齢者雇用の現状について担当者から話を聞く。

 

 

 

●世界が認めた日本一の庭園「足立美術館」(安来市)

 

島根県安来市にある足立美術館は、横山大観をはじめとする近代日本画コレクションで知られ、年間およそ47万人の来館者を集める美術館。しかし来館者の目的はそれだけではない。

 

ここの見どころは何といってもその広大な5万坪の日本庭園。玄関に立つと眼の前に枯山水式の大庭園が背景の山々を借景に美しく調和する。「庭園もまた一幅の絵画である」創設者足立全康が名画の感銘を深める手立てとして全精魂を傾注して理想の庭園を造り上げた。

 

アメリカの日本庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」が全国803ヶ所の庭園を比較したランキングで、2003~08年まで6年連続で第1位に選んでいる。評価のポイントは庭園管理で「スタッフ一人ひとりが徹底的に手入れや維持管理をしている」点。美術館の専属学芸員3名に対し、専属庭師が7名もいることからも、同美術館の庭園にかける意気込みが伺える。
 本ツアーでは、館内及び庭園の視察はもとより、足立隆則館長へのインタビューや庭園課長(ヘッド・ガーデナー)による庭園管理の実演も行う。

 

【鳥取県】

 

鳥取県は中国地方の北東部に位置し、北は日本海に面し、鳥取砂丘をはじめとする白砂青松の海岸線が続き、南には、中国地方の最高峰・大山をはじめ、中国山地の山々が連なる。県都・鳥取市のほか、倉吉市、米子市が主要都市。人口は都道府県の中で最少の約60万人。日本海の対岸諸国に近い地の利を活かして「環日本海交流の西の拠点」として、特に韓国江原道、中国吉林省、ロシア沿海地方、モンゴル中央県とは積極的に交流している。エプソンイメージングデバイス、シャープ米子など液晶関連企業が数多く集積して基盤産業となっており、鳥取県を液晶王国にする「クリスタル・コリドール構想」を進めている。

 

平井伸治(ひらい しんじ)知事 プロフィール

 

1961年生まれ。東京大学卒業後、84年に自治省入省、2001年から03年まで鳥取県副知事を務めた後、07年4月に知事就任産業政策を最重要課題に据え、企業誘致や環日本海航路の就航、県内ハローワーク、及び東京でのアンテナショップ開設などを積極的に推進。今年から「グレーター近畿」ビジョンを打ち出し、中国・近畿両地方の懸け橋的役割を模索する。また、北朝鮮による日本人拉致問題にも精力的に取り組み、鳥取県の友好交流先6地域に自らの名前で協力を呼びかける書簡を送り、世界の中での世論を喚起していく構えだ。

 

●日本一の「鳥取砂丘」と世界を目指す「山陰海岸ジオパーク」(鳥取市)

 

 東西16キロ、南北2キロの広大な砂の丘「鳥取砂丘」、鳥取県で最も有名な観光地である。「風紋(ふうもん)」「砂簾(されん)」など、風によってその砂の表情は自在に変わる。砂丘は砂漠とは違い、乾いた砂の下には湿潤な砂の層が存在する。特に鳥取砂丘は降雨量が多いことから時に砂上に池のような大きな水たまりも出現する。

 

 

 

 鳥取砂丘に隣接する海岸線「山陰海岸」は、日本列島が誕生する時に繰り返された地殻変動や火山活動、海蝕により美しい「リアス式海岸」が形成されている。鳥取、兵庫、京都の三府県にまたがる「山陰海岸国立公園」を中心としたエリアはこのほど「日本ジオパーク」に認定された。山陰海岸は日本列島がアジア大陸の一部だった時代から現代までの経過が確認できる貴重な地質遺産であることから、関係県市町及び民間団体は「世界ジオパークネットワーク(GGN)」の加盟に向けた活動を展開している。

 

 本ツアーでは、GGN登録に向けて尽力している関係者から説明をうけた後、洞門洞窟や断崖絶壁をもつリアス式海岸「浦富(うらどめ)海岸」を遊覧船に乗って海から視察する。その後、「鳥取砂丘」では風が創造する優雅な砂の曲線美を堪能しつつ、本年4月に開催される「世界砂像フェスティバル」にむけて製作を開始した砂の彫刻家を取材する予定。

 

 

●世界の砂漠化問題に取り組む「鳥取大学 乾燥地研究センター」(鳥取市)

 

 地球上で乾燥地は陸地全体の41%を占めており、特に森林破壊や過剰な農畜産活動によって土地が劣化する「砂漠化」世界の乾燥地帯の約10~20%、総面積は約600~1200万平方キロメートルに達する。日本には乾燥地も砂漠化問題もないが、政府は1998年に「国連砂漠化対処条約」を批准した。

 

 1990年に設立された「乾燥地研究センター」は、その前身を含めて過去80年に蓄積された砂地における植物生産や植物回復に関する知見と技術をもとに広く世界の乾燥地の砂漠化対応と持続的発展のための学術研究に取り組む。
 国連大学(UNU)中国科学院と教育研究や人材育成の分野で連携をもち、中国、モンゴル、アフリカをはじめ海外で様々なプロジェクトを進行している。最近では、砂地での野菜栽培に役立つ廃ガラス利用の土壌改良材の実証実験を地元企業と進めている。

 

 本ツアーでは、鳥取砂丘を眼前に臨む同センターを訪問し、恒川篤史センター長より具体的なプロジェクトについて説明頂いた後、アリドドーム実験施設(ドーム状のガラス温室で現地情報に基づいて乾燥地のシミュレーション実験を行う装置などがある)を視察する。

 

 

ツアー実施要領

 

1)日程(予定):

 

[Day 1: 3月27日(金)]

 

07:30 東京羽田空港集合
08:15 同発(JAL1663)
09:45 出雲空港着
10:10 同発(借り上げバスで移動、松江へ)
・島根県の概要説明
・「堀川遊覧船」の環境・観光・高齢者雇用の取り組みについて説明

 

11:00-50 堀川遊覧船 クルーズ
12:00-13:00宍道湖畔の松江皆美館「庭園茶寮」にて昼食
13:15-45 松江城周辺を徒歩で散策

 

14:00-30 溝口善兵衛 島根県知事 表敬訪問 (島根県庁)
15:15-17:00 足立美術館
 ・館内視察、足立隆則館長挨拶
 ・小林伸彦ヘッドガーデナーによる庭園管理実演

 

17:30 米子全日空ホテルチェックイン
18:30-20:00 山陰国際観光協議会主催夕食懇親会

 

(米子全日空ホテル泊)

 

[Day 2: 3月28日(土)]

 

08:00 ホテル発(借り上げバスで移動)
・鳥取県の概要説明
・「山陰ジオパーク構想」の説明

 

10:30 山陰海岸国立公園(浦富海岸展望台下)着
 遊歩道に沿って徒歩で展望台へ、リアス式海岸視察
11:30-12:10 浦富海岸・島巡り遊覧船 クルーズ
12:15-13:15 平井伸治・鳥取県知事との昼食懇談(@門脇茶屋)

 

13:30-14:30 鳥取大学 乾燥地研究センター
 ・恒川センター長によるブリーフィング
 ・研究施設 視察
14:45-16:20 鳥取砂丘 探索
 ・砂像フェスティバル準備風景(砂像製作)取材

 

17:00 鳥取空港着
17:40 同発(ANA298)
18:55 羽田空港着

 

2)参加資格: 外務省発行外国記者登録証保持者

 

3)参加費用: 1人¥13,000-
 (東京-現地往復交通費及び、宿泊、食事を含む)

 

4)募集人数: 先着順8名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)

 

5)FPC担当: 小泉、鈴木(Tel:03-3501-5070) 

 

6)備考:
(1)写真・TV撮影は一部制限があります。担当者の指示に従って下さい。 
(2)山陰国際観光協議会、及びFPCはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。

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