プレスツアー(案内)

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実施日 : 2012年01月20日

案内:千葉県プレスツアー 日本食の原点「発酵」と共に生きる町(2012年1月20日)

投稿日 : 2013年08月22日

- 千葉県最少人口の町が若者たちを惹きつける -
- 日本が世界遺産登録を目指す「和食」の原点 -

 

人口約6,500人、千葉県最少人口の町、神崎町。江戸時代(1603-1867)に良質な地下水と利根川の水運を背景に醸造業が発展し、酒、味噌、醤油などを人口が増加した江戸の都に供給した。肥沃な大地では、稲作や大豆作りを始めとした農業も盛んに行われてきた。

 

その神崎には、創業300年以上を誇り、あえて江戸時代と同じ方法に回帰して酒造りを行う酒蔵がある。在来種の大豆を有機栽培し、手作りで味噌造りを行う農家もいる。そして、日本食の原点とも言える発酵文化が息づく町に惹きつけられるように、農業や自然食に関心を持つ若者たちが神崎町に移り住んでいる。近年、これらの人々を中心に「発酵の里こうざき」をテーマにした町の活性化が草の根で進められ、酒蔵めぐりが楽しめる年一回のイベント「蔵祭り」には、人口の5倍以上の35,000人もの人々が訪れるようになった。

 

日本政府は、農水省を中心に、日本食文化を世界無形文化遺産に登録することを目指し、2011年11月にユネスコに提出する提案書をとりまとめた。それによると、日本食文化を特徴づける要素として、出汁のうまみや日本酒をはじめとする多様な発酵食品を活用していることや、正月などの行事や儀式と結びついていることなどを挙げている。

 

本ツアーでは神崎町に赴き、町長に話を聞く。また、仕込みの際には唄を歌うなど古くからの日本酒造りの手法を復活させた酒蔵や、大豆の種蒔きから収穫、味噌造りまでを体験できるイベントを通じて都会の人々と農業の橋渡しを行う地元農家を訪ねる。さらに、外から神崎に移り住み、酒粕酵母を使ったパンの店を営む人、東京での不動産開発の仕事から転身し、地元産有機大豆を使った豆腐店を営む人にも取材する。これらの「発酵」と共に生きる町の人々と、発酵文化を核とした町づくりの取組みを追う。

 

※本プレスツアーは千葉県が主催し、フォーリン・プレスセンターが企画運営しています。


 

<取材内容>

 

1.寺田本家(蔵元) 専務取締役 寺田優さん(38歳)
~日本酒造りは微生物との協働作業~

http://www.teradahonke.co.jp/
江戸時代以来、330年に渡って神崎で酒造業を営む老舗、寺田本家。戦後の高度経済成長期の食生活の変化によって日本酒市場の停滞が続くなか、寺田本家では数年前に、あえて全工程手作りの昔ながらの酒造りの手法を復活させた。蒸した米、麹、水を桶に入れ、櫂で摺る作業の際には、昔は時間を計るためにどの酒蔵でも歌われていた「仕込み唄」と呼ばれる唄を歌うのも江戸時代そのままだ。そんな伝統的な「生もと造り」(*注)にこだわる酒は、年ごと、タンクごとに味が異なる。機械化、標準化が進む日本酒業界において、江戸時代から変わらないやり方で酒を造り続ける全国でも非常に珍しい蔵元として注目されている。また、微生物の力を生かした新製品、米原料のノンアルコール乳酸発酵飲料「マイグルト」も人気だ。24代目の当主となる寺田優さんは、「酒造りは微生物との協働作業」「気候など様々な要素で変化する発酵は一筋縄ではいかない。そんな先祖伝来の発酵の技術を若い世代に伝えることこそが文化の伝承になる」と語る。そして、神崎町を「発酵の里」として元気づけたいと「発酵の里協議会」を組織し、様々なイベントを企画している。そんな寺田本家には、北海道から九州まで様々な地域から、酒造りや自然農業を志す20代~30代の若者たちが集まっている。
*「生もと造り」:
低温下で麹、蒸し米、水を底の浅い桶に入れて櫂ですりあわせ、手間を掛けながら乳酸の増殖、発酵を促すこと。これによって、自然の乳酸菌が造られ、強酸性下で雑菌を抑えながら、力強い優良な酵母を育てる。

 

 

2.有限会社こうざき自然塾  鈴木一司さん(60歳)
~在来種の有機大豆作り、味噌造りを通じて都会と農業の橋渡し~

http://www.kozaki-shizenjyuku.jp/ 
img4ef9616903120神崎で代々農業を営む鈴木一司さんが代表を務める農業法人、こうざき自然塾では有機栽培による米の生産、直販を行っている。また、在来種の大豆の有機栽培も手掛け、その大豆を用いた味噌も製造している。さらに、数百人規模の人々が都会から参加し、種撒きから草取り、収穫、味噌造りまで体験できるイベントにも参画し、多くの人々に農業と発酵文化に触れる機会を提供している。農業に興味のある都会の人々に農業指導を行ったり、神崎で農業を始めたい人々に土地を紹介したりと、都会の人々と農業との間の橋渡しを行っているほか、地元の子供たちに農業や味噌造りも教えている。鈴木さんは「ここ20年位の間、神崎は人口が減って元気が無かったが、最近『発酵』を中心に町全体が活気づき、若い人も増えてきて楽しくなってきた。そしてそれによってお年寄りも昔ながらの知恵を生かせる場ができて元気になってきた。これからは若い人が子育てを楽しめるような町にしていきたい」と語る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.月のとうふ 周浦宏幸さん(43歳)
~都会から移住。在来種の有機大豆を生かした豆腐作り~

http://tsukinotofu.com/
かつて都内で不動産開発の仕事に携わっていた周浦宏幸さんは、病気をきっかけに食生活を見直し、以前の仕事を辞め、豆腐屋で修業を始めた。その修行時代に、「こうざき自然塾」の鈴木さんが作る在来種の大豆の力強い味に出会い、地下水にも恵まれている神崎への移住を決め、2009年にこの町で豆腐店「月のとうふ」を開業した。「この美味しい豆に出会ったから神崎に店を開いた」と語る周浦さん。有機国産大豆とミネラル豊富な神崎の地下水、天然にがりだけで作られる豆腐は、神崎の新たな名物となっている。

 

 

4.福ちゃんのパン 福士智之さん(46歳)
~酒粕やどぶろくから起こした酵母で発酵するユニークなパン~

千葉県松戸市出身の福士智之さんは、当初農家になりたいと考え、神崎町に通っていた。麦と大豆を栽培するなかで、自分の作ったものを自分で加工したいとの想いからパン作りを始め、2009年に神崎町で製パン店「福ちゃんのパン」を開業した。蔵元「寺田本家」の酒粕や鎌倉時代の製法による自家製どぶろくから育てた酵母で生地を発酵させて作るパンは、「胃もたれしない、消化に良いパン」と評判だ。また、寺田本家の仕込み水(地下水)や月のとうふの豆乳もパンに使われている。店主のこだわりと神崎のエッセンスが凝縮した発酵食品の姿がここにある。

 

 

5.夕市
~町中の手作りが集まる地域交流の場~

町おこしの一環で、毎週金曜日の夕方に旧町役場を利用して開かれているマーケット。寺田本家、こうざき自然塾、月のとうふ、福ちゃんのパンなどが参加する町づくりグループ「発酵の里協議会」のメンバーが中心になって開催されている。地元産の無農薬野菜や手作り食品など、神崎ならではのこだわりの品々が集まる。生産者から直接話を聞くこともでき、地元の人々の交流の場にもなっている。
神崎に移り住み、「発酵の里協議会」メンバーで、農業指導などを行う環境共生学博士の齋藤正貴さん(37歳)から、夕市の概要について話を聞き、マーケットを視察する。

 

 

*本ツアーは、本プレスツアーは千葉県が主催し、フォーリン・プレスセンターが企画運営するものです。参加者には経費の一部を負担していただいていますが、営利を目的とした事業ではありません。

 

<実施要領>

 

1.実施:2012年1月20日(金)

行程案      

08:20 東京都千代田区 プレスセンタービル前 出発(借り上げバス)
10:00 神崎着
10:00-10:15 神崎町長 石橋 輝一氏より町の背景説明
寺田本家 酒造り視察
発酵の里協議会ブリーフィング&質疑応答
12:15-12:45 月のとうふ
13:10-14:10 昼食(風楽):月のとうふ、酒かす等を使ったメニュー
14:30-15:15 こうざき自然塾:味噌造り視察
15:25-15:55 福ちゃんのパン
16:00-16:40 夕市(旧町役場)
16:40 神崎発
18:10 日本プレスセンター着 

 


2.参加資格: 外務省発行外国記者登録証保持者

 

3.参加費用: 1人2,000円(全行程交通費、食事を含む)
*お支払い方法、キャンセル料等は、後日参加者にご連絡します。

 

4.募集人数: 先着順10名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)。
*申し込み人数が10名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。

 

5. FPCJ担当: 吉田、矢野(TEL: 03-3501-3405)

 

6.備考:
(1)写真・TV撮影に関しては担当者の指示に従ってください。
(2)FPCJはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。
(3)当日の昼食は、地元産の有機野菜、「月のとうふ」の豆腐などを中心とした自然食メニューを予定しています。
昼食場所「風楽」 http://homepage2.nifty.com/fura/page3.html

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