プレスツアー(案内)

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実施日 : 2010年02月23日 - 24日

【プレスツアー】2010年2月23日‐24日:エコビークル先進市の富山

投稿日 : 2013年08月22日

環境と共生する暮らしとまちづくり-エコビークル先進市の富山- 

 

富山市は「環境モデル都市行動計画(アクションプラン)」を策定し、「低炭素社会」への転換をすすめている。その取組みとして力点を置いているのが「公共交通の活性化及び環境対応・低公害車車両・自転車利用の拡大」、そして「新エネルギーの導入・普及」だ。アクションプランが実際にどのように実施され、どのような結果がでているのか。これからの将来展望と課題を含めて、取材する。

 

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富山市は「環境モデル都市行動計画(アクションプラン)」を策定し、「低炭素社会」への転換をすすめている。また、CO2排出量を2030年には30%減(2005年比)を目指している。その取組みとして力点を置いているのが「公共交通の活性化及び環境対応・低公害車車両・自転車利用の拡大」、そして「新エネルギーの導入・普及」だ。昨年12月23日には、37年ぶりに路面電車の環状線が開通し、3月からは路面電車付近の停留所を中心に自転車ステーションを設置し、登録者が無料でレンタルすることが可能となる。また、富山市は、バイオマス燃料の製造や廃食用油のバイオディーゼル燃料化も積極的に推進している。アクションプランが実際にどのように実施され、どのような結果がでているのか。これからの将来展望と課題を含めて、取材する。

 

※本ツアーは富山市富山テレビ放送、及びフォーリン・プレスセンターが企画運営しています。

 

 

【取材内容】

 

1.37年ぶりの環状線復活! 環境に配慮した路面電車-市内電車環状線・セントラム 

 

2009年12月23日、市内電車環状線「セントラム」(愛称)が開業した。コンパクトなまちづくりを進める富山市では、公共交通の再生と中心市街地の活性化に取り組んでおり、環状線はその目玉となる事業。

 

都心部に新しく約900mの路線を建設し、既存の路線と接続して、富山駅と中心市街地を結び、一周3.4kmを20分で周回する環状線は、実に37年ぶりの復活だ。2両1編成の次世代型路面電車(LRT)で、白、黒、銀の新型超低床車両はバリアフリーにも対応している。新線建設に併せて沿線の景観もトータルにデザインされ、大手モールは、ヨーロッパのトランジットモールを思わせる石畳の街並みに一新された。

 

ツアーでは、富山市の担当者らより、環状線化による都市づくりについて説明を受けながら、開業から2ヶ月、早くも予想を上回る利用者に活用される「セントラム」を取材する。

 

 

2.富山がパリの町並みに?! 日本初!バイクシェアリング事業-富山市自転車市民共同利用システム事業 

 

2010年3月、富山市では自転車市民共同利用システムを開始する。これは、利用者が事前に登録を済ませることにより、各所に設置されたステーションから自由に自転車を利用し、また任意のステーションに返却することができる、新しい交通サービス。「大規模レンタサイクル」、「コミュニティサイクル」とも呼ばれ、環境にやさしい自転車による公共交通として、近年注目されている。

 

パリ市の「ヴェリブ」等、欧州を中心に普及が進んでいるが、日本において本事業が本格的に導入されるのは富山市が初めて。路面電車の電停付近など、市の中心部15箇所にステーションを設け、150台の自転車を用意。路面電車のライトレールやセントラムなどの整備と併せ、自動車に頼ることなく移動するための公共交通システムとして、環境と共生する暮らしの基幹となる。

 

ツアーでは、富山市担当者から事業概要について説明を受けた後、同市「バイクシェアリング応援隊」と共に、富山市役所前ステーションおよび富山市役所広場で試乗する。

 

 

3.電気自動車先進県 富山-リチウムイオン電池バス運行開始-北陸電力株式会社 

 

北陸電力は、二酸化炭素(CO2)の排出削減を目的に環境対策に力を入れる富山市とともに2月中旬から約1カ月間、実証運行試験を行う。高齢者らにも利用しやすい低床型の電気バスが路線走行するのは全国で初めて

 

低床型電気バスは、北電が2009年4月から経済産業省の「低炭素社会実証モデル事業」として研究を進め、ジェイ・バス(石川県)、東京アールアンドデー(東京都)、富山地鉄(富山市)などと共同開発した。全長約7メートル、幅約2メートル、高さ約3メートルで29人乗り。リチウムイオン電池を搭載し、フル充電で約68キロ走行できる。

 

実証運行試験では、富山市のコミュニティバス「まいどはや」路線の中央ルートを走行。ディーゼルエンジンの従来のまいどはやバスと比べて、CO2排出量は2分の1から3分の1に抑えられる。ツアーでは、富山空港でリチウムイオン電池バスが出迎え、市内まで実際に乗車し、担当者からバスの特徴や開発意図などの説明を受けながら、乗り心地を体験取材する。

 

 

4.電動ミニカー製造 -(有)タケオカ自動車工芸

 

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電動ミニカーを製造販売するタケオカ自動車工芸は、高齢者向けに、電動スクーター、電動ミニカーを開発・販売している。これらの製品は、自動車の運転に不安を持つ高齢者の日常の移動手段として全国からオーダーが舞い込む。車幅感覚が低下し、とっさの判断や反応が衰えた高齢者にとって、コンパクトで最高速度や加速性能が低い電動カーは、安全で安心して運転できる足なのである。

 

体に障害を持ち、日常的に車椅子を使っている人が、後部入り口から車椅子に乗ったまま運転席に入って運転できる電気ミニカーもある。同社では、「加齢とともに、大きなクルマの取り回しは確かに苦痛になってくることもあるでしょう。これまで楽しんできたカーライフを、ミニカーでもっと楽しみましょう。」と言う。

 

 

今回は、今年5月販売開始予定の新型「ミリュー」をメインに取材。富山大学芸術学部と共同デザインし、スタイルだけではなく、居住性も大幅に向上した。ペットを飼う高齢者が多いため、運転席の横にペットスペースも確保した。ツアーでは、現行車種との比較や、試乗も行う。

 

 

 

 

 

5.富山の山の麓の小さな自動車工場が中国製電動スクーターを改良し全国、全世界に向け販売-(株)城南商事 

 

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城南商事は、中国で普及している電動スクーターを、日本でも安全・快適な走行が可能なように改良して発売し、徐々に人気を集めている。価格は約20万円で鉛バッテリー約35kgを、シートの下に搭載。一般家庭の100Vコンセントで充電可能で6~8時間程度の充電により約60キロの走行距離を確保でき、その場合の電気代は約30円とガソリン車と比べて大変経済的だ。現在の製品では、信頼性等の面から採用している鉛バッテリーの重量が難点だが、城南商事では今後も改良を重ねて、富山県以外に、スクーターの利用者が多い首都圏等においても、販売代理店を募集して、積極販売を行なう方針だ。ツアーでは、実車に試乗するほか、整備の様子の撮影、更には同社社長より事業立ち上げと将来の展望について伺う。

 

 

 

 

6.富山市エコタウン 

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(1)富山BDF(株):廃食用油リサイクル施設  

 

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同社は、小中学校や給食センター、食料品製造業の工場、飲食店、スーパー、旅館・ホテル等から排出される廃食用油を原料として、メチルエステル化反応により、バイオディーゼル燃料を製造している。

 

海外では食用油をそのまま軽油の代替燃料として使用するが、食用油の原料を輸入に頼っている日本では、コスト面の理由から、廃油を精製してバイオディーゼル燃料(BDF)を製造している。

 

 

このバイオディーゼル燃料は、富山市の清掃車やバス、民間企業の作業用車両などに軽油代替燃料として供給されている。給油所は富山BDF㈱内及び富山市環境センター(清掃車の基地)に併設されている。ツアーでは、宿舎からエコタウン産業団地まで、BDF燃料バスで移動する。また、今年から開始された、オリジナルの新技術による実証実験も紹介する。

 

 

 

 

 

 

(2)(株)エコ・マインド: 紙屑や木屑から固形燃料を製造

 

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(株)エコ・マインドは、リサイクルが困難で今まで焼却・埋め立てにより処分されていた廃棄物から固形燃料(RPF)を製造し、県内製紙メーカーなど燃料を必要とする工場に出荷することにより、廃棄物の地域内循環を図っている。設備機器の開発・改良と効果的な組合せにより、繊維廃棄物および、汚れや異物の付着した紙や木、廃プラスチックとそれらの混合可燃物などの廃棄物から、化石燃料の代替燃料を製造することで、資源循環と温暖化防止を推進している。

 

2009年冬からは、従来処理困難だった、タイヤなど廃合成ゴムの燃料用ゴムチップ等へのリサイクルも開始した。各種燃料の地域内循環を図るとともに、焼却等による環境負荷を低減し、石炭から非化石燃料への転換を促進するなど、廃棄物の原料と温暖化防止に貢献する。

 

 

 

7.街を彩るイルミネーションも環境に配慮!メインストリートを飾る98,000球のLED!-ホワイトイルミネーションとやま 

 

 

富山市のメインストリートを冬の間、美しく彩るイルミネーションストリート。その1球1球が市民の寄付によって輝くものであり、いわば市民の心が集まったもの。今年は、9万8000球。環境との共生を考える富山市では光源を今年からLEDに全部変更した。一般照明と比べて圧倒的な長寿命・省電力で、ライフサイクルにおける環境負荷(CO2換算)は従来の30%以下となる。厳しい冬を少しでもホットに暮らしたい富山市民の環境に配慮した街の飾り方を取材する。

 

 

 

 

8.人類が宇宙で長期滞在できるか? 宇宙で植物は育つのか?-宇宙基地で栽培実験!-富山大学大学院理工学研究所 

 

宇宙で植物を育てると地上よりも生育が早くなる可能性があることが、富山大学大学院の研究実験で明らかになった。国際宇宙ステーション「きぼう」と地球の研究室で栽培実験を行った結果、宇宙では茎の伸びが早く、葉の老化も遅かった。重力の有無が生育に与える影響を調べ、将来人類が長期滞在できる環境を作りたいと同大学は意気込む。(写真右:Space Seed地上対象実験の様子)

 

 

 

 

9.医食同源!生薬を食に取り入れる 薬膳料理の店-池田屋安兵衛商店 

 

「薬都」富山では、さまざまな角度から健康へのアプローチが研究されている。「医は食から」を提唱し健康を考えた食空間を提供しているのが、中心市街地に位置する池田屋安兵衛商店。江戸時代の薬種商の店構えの雰囲気を残し、漢方生薬を主体とした伝統薬の販売を行っている。また、店舗2階のレストランでは、古代米や高麗人参など薬草を取り入れた健康薬膳をはじめ、ハーブティー・野草茶・野草アイスクリームなど健康を考えたメニューを賞味することができる。(第一日目の昼食場所)

 

 

【実施要領】

 

1.日程:2010年2月23日(火)~24日(水)

 

<第一日目:2月23日(火)>
08:15 羽田空港集合
09:05 同発(ANA883)
10:05 富山空港着
10:30 同発(リチウムイオン電池バスで移動)
リチウムイオン電池バスについて概要説明
11:55 富山国際会議場前から路面電車環状線セントラム乗車
<11:56乗車→12:20下車>
12:30-13:30 昼食(池田屋安兵衛商店にて薬膳料理)
13:45-14:45 バイクシェアリング事業取材(試乗含む・富山市役所前ステーション及び富山市役所広場でバイク試乗)→バス移動
15:00-16:00 富山大学大学院理工学研究所(宇宙での植物栽培研究)
16:00-16:30  バス移動
16:30-17:30 ホテル着チェックイン後休憩(ANAクラウンプラザホテル)希望があれば午後5時~98,000球のLEDホワイトイルミネーション見学
17:30-18:30 森政志 富山市長および中村茂信環境部長によるプレゼンテーション:「環境モデル都市行動計画(アクション・プラン)」
18:30-19:30 富山市主催夕食懇親会
ANAクラウンプラザホテル泊)

 

 

<第二日目:2月24日(水)>
09:30 ホテル発(通常の貸切バスで移動)
10:00 富山市エコタウン着
①富山BDF(株)取材(45分間)→富山BDF製造のバイオ燃料バスでエコマインドまで。
②(株)エコ・マインド取材(60分間)<11:45頃出発>
12:00-12:30  ライトレール乗車、富山駅まで→駅前アーバンプレイスビル最上階へ
12:30-13:30 昼食(『懐石松や』にて。)
13:30-14:15 バス移動→富山市大沢野町へ
14:15-15:30 城南商事(電動スクーター)取材(試乗含む)
15:30-15:45  バス移動→空港近く
15:45-17:10 タケオカ自動車工芸(電気ミニカー)取材(試乗含む)
17:30 富山空港着
18:10   同発(ANA890)
19:20   羽田空港着

 

 

2.参加資格:外務省発行外国記者登録証保持者

 

3.参加費用:1人13,000円(東京-現地往復交通費及び、宿泊、食事を含む)
*お支払い方法、キャンセル料等は、直接参加者にご連絡します。

 

4.募集人数:先着順10名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)。
*申し込み人数が10名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。

 

5.FPC担当者:小泉、山内(Tel: 03-3501-3405)

 

6.備考:
(1)写真・TV撮影は一部制限があります。担当者の指示に従ってください。

 

(2)富山市、富山テレビ放送、及び当センターは、ツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。

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