プレスツアー(案内)

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実施日 : 2016年10月14日 - 15日

案内:鳥取県プレスツアー

投稿日 : 2016年09月20日

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人口最小県が目指す移住定住日本一
鳥取県の人口は57万4千人と日本最小。この「日本一小さな県」が2009-2014年度に受け入れた移住者数は4,344人と全国一を誇る。さらに、2015-2019年度の5年間で移住定住6,000人を目指しており、2015年度の移住者数は過去最多の1,952人を記録した。移住世帯の7割以上は30代以下で、主に就職、結婚、子育てを理由に移住してきている。同県では、身近に海や森などの自然豊かな子育て環境があることに加え、保育料の無償化や少人数学級など全国に先駆けた子育て支援策も充実しており、子育て世代の移住者には魅力となっている。一連の子育て支援策により合計特殊出生率は2015年に1.69(全国4位)まで回復。2015年には出生数も増加に転じた。また同県による積極的な支援もあり、特色ある企業が県内に拠点を設けており新たな雇用の創出など地域活性化の原動力ともなっている。メディアによる「住みたい田舎ランキング」や「住みよさランキング」でも県内の市町村が全国1位にランクインされるなど、子育て、仕事、住環境が充実している鳥取県には、移住先の有力候補として全国から熱い視線が注がれている。

 

日本初開催「ワールド・トレイルズ・カンファレンス」と「ウォーキング立県」鳥取
トレイル(舗装されていない道)を資源として、観光や健康づくりに活用する世界各国のレジャー関係者が集う「ワールド・トレイルズ・カンファレンス」(WTC)。過去5回は韓国で開催されてきたが、10月に開催される第6回大会は鳥取県がホストを務める。国際会議に合わせて、美しい景観の海辺や歴史的な街並みなど県内の代表的なウォーキング/トレイリングコースを歩くイベントも開催し、一般市民も参加できるイベントとなっている。鳥取県民は自家用車による移動などが多く、一日の歩数が全国最低クラスでもあることから、「ウォーキング立県」を目指し、健康増進のための徒歩移動の推奨、ウォーキング・マップの作成、ウォーキング・イベントの開催などを行っている。

 

 本ツアーは、WTC開催中の鳥取県を訪れ、その美しい自然環境に触れるとともに、人口最少県の移住促進策と地元企業などによる雇用創出や地域活性化の活動を取材する。

 

※本プレスツアーは鳥取県東京本部が主催し、フォーリンプレスセンターが企画協力しています。
※本プレスツアーでは、参加者には経費の一部を負担していただいていますが、営利を目的とした事業ではありません。

 

 

<取材内容>

 

1. 平井伸治知事インタビュー

1 平井知事 2~人口最小県が目指す移住定住日本一~
~日本初開催「ワールド・トレイルズ・カンファレンス」と「ウォーキング立県」鳥取~

現在3期目を務める平井知事の就任当初(2007年)、人口が60万人を切ったことを受けた同県は、移住者向けの就農支援や空き家を活用した「お試し住宅」の提供など本格的な移住促進政策を開始。人口減少で過疎化が進む地域の弱点を逆手にとった「スタバはないけどスナバ(鳥取砂丘)はある」や「鳥取砂丘スナホ・ゲーム解放区宣言」(ポケモンGOユーザーを鳥取砂丘に歓迎する意向表明)など、知事自らのユーモア溢れる発言も注目を集め、鳥取県に人を呼び込んできた。
子育て支援政策としては、所得や年齢制限なしに第3子以降の保育料無償化を全国で初めて実施したほか、低所得世帯の第2子保育料を無償化、医療費の助成対象も拡大させた。待機児童がゼロであることも子育て世代には魅力として映る。

 

 

 

2 DSC03367WTCの鳥取県開催は、県中央部の倉吉(くらよし)市を拠点にウォーキング・イベントなどを通して鳥取県の活性化に取り組んできたNPO法人未来が誘致に声をあげたのが始まりだ。倉吉市では、同法人を中心に、「ウォーキングリゾート」づくりが進められており、ウォーキングコースを作成して観光商品化したり、情報発信の拠点にもなるようなウォーキングカフェを運営するなど、ウォーキングによるまちおこしが行われている。

 

平井知事に移住促進政策のこれまでの成果と将来ビジョン、WTCへの意気込みを聞く。また、NPO法人未来の岸田寛昭理事からWTCの概要説明などを受けた後、WTCオープニングに出席する。倉吉で別の取材の後、ウォーキングリゾートの一つである琴浦町にある鳴り石の浜を歩き、撮影する。

 

 

2. 森のようちえん まるたんぼう

3 circle play~移住者を惹きつける子育て環境、自然の中のようちえん~

「森のようちえん」とは、デンマーク発祥の自然の中で過ごすことを重視した保育法。鳥取県南東部、森林が総面積の93%を占める智頭(ちづ)町にある「森のようちえん まるたんぼう」には園庭や園舎はない。子供たちは大人から指示をほとんど受けず、豊かな森の中で自由に遊んで過ごすのが特徴の認可外保育施設だ。2009年、東京出身の西村早栄子氏を中心に設立された同園は、2013年に開園した第二園「すぎぼっくり」と合わせると、園児は合計41名、そのうち移住者の子供は19名に上る。西村氏は、夫の故郷である鳥取県に移住し、県職員として智頭町を管轄する事務所に勤務した際、同町の豊かな自然に惚れ込んだ。そして、そうした環境で子供はのびのびと遊んで食事や睡眠をたっぷりとるようになり、親である自分は落ち着いた気持ちで子育てできることに気づいた。智頭町の恵まれた自然環境の中で子育てできる良さを広めたいと、行政の協力を得て、「まるたんぼう」を開園した。
3 DSC03335今年8月、入園希望者が共同生活を送りながら、情報共有をしたり、空き家を探すことができる一時的な住居「まるたんぼうシェアハウス(仮)」が完成し、現在1組の家族が居住している。毎年10組ほど見学に来る入園希望者の半数以上が、住居が見つからないことが原因で移住を断念している現状を受け、西村氏は、「都会に出ていく道筋があるように、田舎に戻ってこられる逆方向の流れを作りたい」とし、移住しやすい環境を整えることにも取り組んでいる。

 

「森のようちえん」の園児が森の中で活動する様子を撮影するとともに、西村早栄子氏に、智頭町で「まるたんぼう」を始めた想いや今後の展望を聞く。シェアハウスも訪れ、移住を検討している居住者にも話を聞く。

 

3. 株式会社LASSIC

~「地方で自分らしく働く」を実現するIT企業~

LASSIC(ラシック)は、顧客の業務支援システムやWEBサービスのシステム開発、自治体への地域活性化コンサルティング、声や表情などから人の感情を推定する感情解析研究開発の3つを事業の柱とするIT企業。創業者の西尾知宏副社長は鳥取県にUターンし、2006年に、最新のIT技術やアイディアによって付加価値を創造し、個人・企業・地域の「らしく」の実現をサポートするという想いで会社を立ち上げた。同社には例えば、夏の間は週2,3日のみ出勤し、残りはカヌーインストラクターとして働いている社員もいる。経営理念は「~鳥取発~ITで、地方創生」。大都市圏に一極集中しているITの仕事を地方に分散する事で地方の活性化とエンジニアが愛する土地で、自分らしく働く環境の創造を目指している。現在、鳥取本社を中心に、岡山、仙台など全国8拠点に在籍するエンジニアが大都市圏の企業から受注した仕事に従事している。今後、地方におけるエンジニアの勤務先となる拠点を50の地域に、社員数を現在の120名から1,000名にまで拡大することを目指している。

 

LASSIC鳥取本社を訪れ、若山幸司社長または西尾知宏副社長より「~鳥取発~ITで、地方創生」のコンセプトについて聞くとともに、「自分らしく」働いている社員へのインタビューを行う。

4 LASSIC hashimoto SAMA4 DSC03312

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4. 株式会社グッドスマイルカンパニー楽月工場

5 GSC 3~「まんが王国とっとり」に新たな聖地が誕生~

日本を代表するサブカルチャーの一つであるフィギュアの愛好家の間では「グッスマ」として知られるグッドスマイルカンパニー。アニメやゲームなどのキャラクターを2.5等身にデフォルメした「ねんどろいど」が世界各国で高い人気を誇るフィギュアメーカーだ。そのグッスマ初の国内工場である楽月(らくつき)工場が2014年、倉吉市に竣工した。生産はそれまで全て中国で行ってきた同社だが、人材不足、作業工程の複雑化などを受け、工場の一部を国内回帰させることとなった。移転先を探していたとき、既に「まんが王国とっとり」と銘打ちマンガを使った観光や産業振興に力を入れていた同県からの熱心な誘致を受けた。その結果、もともと工業地帯であり、フィギュアづくりに欠かせない金型工場などの環境も整っていた倉吉市が選ばれた。楽月工場では現在92人を雇用しており、同社で働くために移住してきた社員もいる。

5 GSC 7 - コピー

グッスマは雇用創出に加え、市内に直営ショップもオープンすることで、市に賑わいをもたらしている。また、倉吉市の伝統行事「倉吉打吹き(うつぶき)まつり」に同社制作のキャラクターを参加させたり、人気のねんどろいどに市の名物である「打吹だんご」を持たせた商品を販売するなど、地域と積極的に関わり、観光客誘致にも貢献している。

 

グッスマ楽月工場を訪れ、谷本工場長に倉吉市に工場を設立したいきさつや地域との関わりを聞くとともに、工場内を撮影する(撮影場所は限られています。あらかじめご了承下さい)。

 

 

 

 

5. 社会福祉法人こうほうえん

~超高齢社会における質の高い介護サービスを追求~

7 DSC03372こうほうえんは境港市、米子市などの鳥取県内と東京都内に介護老人福祉施設やグループホームなど120以上の事業所を運営する売上高120億円の社会福祉法人。「社会福祉業界のイノベーター」としてユニークな手法で利用者の声を活かし、介護の質の向上に取り組んできた。その結果、顧客視点に基づいた経営革新や先進的なサービスが「日本経営品質賞」や「ハイ・サービス日本300選」など高い評価を受けてきた。独自の取り組みとして、「ゆりりん」と呼ばれる尿量測定器を導入、膀胱内の尿量を数値化することで、利用者の排泄のタイミングを判断し、おむつを快適に保ったり、眠りの浅いタイミングでトイレを促すなど利用者の睡眠の質の向上にもつなげている。実用化が間近なのはスマートフォンを活用して利用者の満足度を記録する介護の「見える化」のシステムだ。職員は、利用者に会話や入浴などのサービスを提供した後、利用者の反応をスマートフォンに入力する。その評価をデータとして利用者もしくは職員ごとに表示させると、それぞれの利用者が喜ぶサービスや、同じサービスでも職員ごとに利用者の反応が違うことが数値でわかる。こうしたデータの蓄積をビッグデータとして活用し、利用者へのケアの見直しに役立てたり、若手職員のスキルアップにつなげ、人手不足の介護士の離職防止にもつながることが期待されている。

7 ムシャルさんEPA(経済連携協定)1期生として2009年にインドネシアから来日したシャー・ムシャルさんは、研修を積み、日本語を勉強しながら介護福祉士の資格を取得した。現在はインドネシアから家族を呼び寄せ一家で暮らしている。こうほうえんが主催する介護技術の全国的なコンテストで入賞経験もあるムシャルさんは貴重な戦力として職員からの信頼も厚い。現在、ケアマネージャーの資格取得も目指している。

 

よなご幸朋苑(こうほうえん)を訪れ、「ゆりりん」のほか、スマートフォンを活用した「介護を見える化」を通した介護の質向上の取り組みについて取材する。同ホームで活躍するシャー・ムシャルさんにもインタビューする。

 

 

<実施要領>

1. 日程:

[1日目:2016年10月14(金)]

6:40-7:55

羽田空港~鳥取砂丘コナン空港 ANA 293 ※

8:45-10:05

LASSIC

11:05-11:20

森のようちえん まるたんぼう①

12:05-13:00

昼食

15:15-16:45

森のようちえん まるたんぼう②

18:30-20:30

WTCレセプション(夕食)

 

倉吉市内泊

[2日目:10月15日(土)]

8:25-10:20

WTC取材(平井知事インタビュー含む)

10:40-11:40

グッドスマイルカンパニー楽月工場

13:05-13:35

琴浦町鳴り石の浜

14:55-16:25

よなご幸朋苑

17:40-19:10

米子鬼太郎空港~羽田空港 ANA388

(上記は仮日程です。天候などにより変更が生じる可能性があります。)

 

2. 参加資格:外務省発行外国記者登録証保持者

 

3. 参加費用:1人10,000円(全行程交通費、宿泊費、昼食代を含む。お支払い方法、キャンセル料等は、後日参加者にご連絡します)。

※希望者は空港ホテルでの前泊が可能です。宿泊費(朝食含まない)は参加費用に含まれます。

 

4. 募集人数:10名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)。

*申し込み人数が10名を超えた場合は、国・地域別の参加者数に上限を設定することがあります。

 

5. FPCJ担当:横田(TEL: 03-3501-3405)

 

6. 備考:

(1) 写真・TV撮影に関しては担当者の指示に従ってください。

(2) 鳥取県東京本部、FPCJはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。

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