実施日 : 2009年10月15日
報告(動画):2009年10月15日【山梨クリーンエネルギー プレスツアー】
投稿日 : 2013年08月24日
■山梨プレスツアー ~クリーンエネルギーのふるさと:めざせ「CO2ゼロやまなし」~(2009年10月15日)
(声:横内正明 山梨県知事)
山梨県は、日本でも一番年間の日照時間、日が照っている時間が長い県であります。したがって太陽光発電に適している県であります。同時にまわりが高い山であり、河川が急流の河川でありますので、水力発電にも適しています。
横内正明 山梨県知事
森林が県全体の8割を占めているのでバイオマス資源にも恵まれている。
いわゆるクリーンエネルギーには多くの資源がありますので、クリーンエネルギーを大いに振興して、2050年にはカーボンフリーの社会を実現したいと思っております。
【太陽光発電】
県最北部に位置し日照時間が日本一である北杜市(人口約5万人)では、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が北杜市と(株)NTTファシリティーズに委託して、大規模太陽光発電システムの普及拡大に向けた実証研究を行っています。
天候の変化により出力が不安定になる太陽光発電の問題を克服するための研究や、世界各地の太陽光パネルの特性を比較する研究が、2006年~2010年までの5カ年計画で進められています。既に第1期工事が完了し、広大な敷地には約4200枚のソーラーパネル(600kW分)が設置されていますが、工事が完了する2010年度には2MW級のシステムになります。
NTTファシリティーズ ソーラープロジェクト本部 名倉将司氏
これが15度の傾斜角です。後ろのが30度、さらに奥が45度の傾斜角になっています。それぞれが、その傾斜角の違いが発電にどれだけ影響を与えるかということをここでは評価しています。
【小水力市民発電所「元気くん1号」(都留市)】
山梨県内でいち早く「小水力発電」に取り組んできたのが、「水のまち」としても知られる県東部のまち、都留市(人口約3万人)です。同市は市制50周年を迎えた2004年、市庁舎前に、市のシンボルとして、直径6メートルの木製水車を備えた小水力市民発電所「元気くん1号」を建設しました。
「元気くん1号」は最大20kwの発電能力を有し、市庁舎で使う電力の14%を供給しています。市民参加型の事業とするため、「元気くん1号」の建設費用の一部は市民公募債「つるのおんがえし債」により賄われました。
都留市役所 総務部 政策形成課 中野一成氏
「つるのおんがえし」という名前を使って、日本の民話であるんですね、鳥の鶴が助けてくれた人に恩返しをするという、その鶴と都留市のつるをかけて、これは地球環境への都留市全体からの恩返しですよ。
【流水式小水力発電機「ストリーム」(シーベルインターナショナル(株))】
都留市では、東京のベンチャー企業シーベルインターナショナル社が開発した流水式小水力発電機「ストリーム」の実証実験が続けられています。フロート型の水力発電システムを川に浮かべて、水流をエネルギーに変えるという全く新しいシステムで、水の流れさえあれば落差のない水路でも発電が可能なことから、水力発電の新たな可能性を開くものとして注目されています。
【木質バイオマス】
(声:山梨県森林環境部環境創造課 小野浩課長)
現在、林業をする上で課題になっているのは、森林の整備をするにあたり間伐などをしっかりしないと木が大きく育たないが、その間伐したものがそのまま林地に残されていて活用されていないという状況がある。間伐材で林地に残っているものを引き出してきて、それをペレット化する、そしてそれをボイラー等の燃料として使って行きたい。
八ヶ岳の中腹、標高1,400mに位置する研修施設、清泉寮は抜群の景観と豊かな自然を誇り、毎年70万人を超える観光客が訪れる、清里のシンボル的存在です。清泉寮に今年4月、導入されたのが2機の木質ペレットボイラーです。製材過程で発生する端材で作られた県産の木質ペレットを燃料とし、1機あたりの出力は240kw。このペレットボイラーの活用で、今年4月から9月までの半年間で、LPG利用時に比べ171tのCO2削減効果がありました。
【横内正明 山梨県知事】
日本のCO2の目標が高くなるということは、山梨県においても国の施策でCO2の削減がそれだけ進むわけです。それにさらに県の努力がプラスすれば、さらにカーボンフリー社会の実現が早まると思っています。