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北朝鮮による拉致被害者 横田めぐみさんの父・滋さん死去

投稿日 : 2020年06月12日

注目すべき海外メディアの日本報道

(6月6日~9日)




北朝鮮による拉致被害者 横田めぐみさんの父・滋さん死去





 

 

「拉致被害者の救出運動のシンボル」として、拉致被害者の家族会の先頭に立ち活動してきた横田滋さんが、6月5日、87歳で亡くなった。その生涯を拉致問題の解決に捧げてきたが、娘・めぐみさんとの再会が果たせなかった滋さんの死を悼み、韓国、米国の主要各紙が報じた。

 

 

朝鮮日報(韓国)は6日付「横田めぐみさんの父・滋さんが死去、最後まで娘の写真を横にで、滋さんは拉致被害者家族会を立ち上げ、妻と共に日本全国を回りながら、娘の救出のため署名運動を行い、拉致被害者のための講演も1400回以上行うなど、拉致問題解決に全力を尽くしてきたとし、「帰国を実現させられず申し訳ない」との安倍首相のコメントと共に報じた。続く8日付「日本「43年前の悲劇を繰り返さない」…拉致されためぐみさんの父死去に追悼の波」(イ・ハウォン東京特派員)で、娘との再会叶わず無念との日本の主要紙の論調を紹介しつつ、拉致問題に何の進展もない中、長く拉致被害者家族会を率いてきた滋さんが亡くなり、日本社会では滋さんへの追悼と北朝鮮の責任を思い起こす雰囲気が高まっている、と報じている。また同日付「43年前に起こっためぐみさんの拉致を記憶する日本」との題するコラムでは、「帰国実現せず断腸の思い」といった安倍首相のコメントやTVの追悼番組、主要紙社説の哀悼の意など、日本社会が悲しみに包まれているのに対し、韓国の拉致被害者は500人以上だが、世界最悪の独裁者のご機嫌を伺うのが現状では、拉致被害者の送還の話は他国の話としてしか聞こえないかもしれないと論じた。

 

 

The New York Times紙(米国)は、7日付「横田滋さん死去、87歳。拉致された娘の帰国のため闘った」(Ben Dooley東京特派員)で、横田氏は静謐な強さと娘と再会するという鉄のような決意で称賛され、小さな町から政府の中枢に至るまで支持を得たとし、拉致被害者の帰国は安倍首相の鍵となる課題であったと報じた。The Wall Street Journal紙(米国)は、9日付「1977年北朝鮮に拉致された少女 横田めぐみさんを忘れない」と題する解説記事の中で、米国ではヴァージニア大学の学生で北朝鮮に拘束されて死亡したオットー・ワ―ムビアが北朝鮮による人権侵害のシンボルだが、日本では横田めぐみが拉致被害者の代表であり、父・茂氏は物腰の柔らかい元日銀幹部で長年拉致被害者の家族代表として娘を含む拉致被害者の帰国に向け力を尽くしてきたが、ワームビアの家族が息子の死に立ち会えたのとは違い、滋氏は「娘に再会できずに力尽きた」(妻・早紀江氏)と報じた。

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