注目すべき海外メディアの日本報道(2014年6月23日)
投稿日 : 2014年06月23日
注目すべき海外メディアの日本報道
(6月11日~6月17日)
2014年6月23日
1. 東シナ海における日中の戦闘機接近、領土問題について各国メディアが報道
防衛省は6月11日、東シナ海の公海上を監視飛行していた自衛隊機が中国軍戦闘機の異常接近を受けたことを発表した。午前11時ごろ、中国軍のSU27戦闘機1機が航空自衛隊のYS11EB電子測定機に約30メートルまで接近し、正午ごろに再度、中国軍の同型機が海上自衛隊のOP3C画像情報収集機に約45メートルの距離まで近づいた。同省による中国機の異常接近の発表は、先月5月24日以来、2回目。戦闘機異常接近の様子や、日中間の領土問題に関する報道が相次いだ。
AP通信(米国)は11日付で「日本、中国戦闘機の接近を激しく非難する」、翌12日付で山口真理記者らによる「中国と日本、戦闘機の接近を互いに非難し合う」を報じた。また、ロイター通信電子版(米国)も、12日付で「戦闘機同士のあわやの大惨事に対する日本の抗議を中国が非難」、13日付で「日本は中国軍機との異常接近を否定、中国に映像撤回を要求」をそれぞれ報じた。また、AFP通信電子版(フランス)は、12日付で「日本政府、駐日中国大使を召還」を掲載した。
ニューヨーク・タイムズ紙(米国)は11日付でマーティン・ファクラー東京支局長による東京発「日本、東シナ海での中国軍機の接近通過に抗議」を載せ、翌日12日にも「中国、日本の自衛隊機の接近を『侵略』と主張」を掲載した。フィナンシャル・タイムズ紙(英国)は11日付の社説「『アジアの大釜』に迫る紛争」で、中国と近隣諸国との間の海洋における争いについての記事を掲載した。12日には、ウォール・ストリート・ジャーナル紙電子版(米国)が「警戒:中国と日本の戦闘機が接近」、ブルームバーグ電子版(米国)がイザベル・レイノルズ記者と廣川高史記者による「日本、中国軍機との接近に強く抗議」、サウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙電子版(中国・香港)が「日中がいがみ合い:中国が戦闘機異常接近の映像を公開」をそれぞれ載せた。
13日には、ワシントン・ポスト紙電子版(米国)が「日中の戦闘機の危険なチキンゲーム」と題するビデオニュースを配信した他、シンガポールのストレーツ・タイムズ紙が「日本、中国軍機のニアミスで中国大使を呼びつける」、ビジネス・タイムズ紙がアンソニー・ローリー記者による東京発「東京、戦闘機の事件で中国大使を召還」を掲載した。また、14日には、ロイター通信、ニューヨーク・タイムズ紙、ワシントン・ポスト紙が「日本と中国、ジェット機の接近をめぐって激しいやり取り」を掲載した。
2.集団的自衛権の行使容認をめぐる国会の動向について各国メディアが報道
安倍首相と民主党の海江田万里代表ら野党3党首は、6月11日に今国会初の党首討論で憲法解釈変更の問題などについて論戦した。13日には自民党が、日本への攻撃がなくても他国への武力攻撃が発生した場合に集団的自衛権の発動を認める自衛権発動の新しい前提条件(新3要件)を公明党に提示し、公明党は限定的に行使を容認する方向で党内調整に入った。17日には自民、公明両党の協議が国会で開かれ、政府は閣議決定案の概要を示した。安倍首相は22日までの今国会中に閣議決定することを目指しているが、副座長の北側一雄公明党副代表は党内の意見集約が困難な状況であることから、今国会会期末までの閣議決定は難しいとの認識を示した。一連の動向を各国メディアが報じた。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙電子版は党首討論の様子について11日付で、アレクサンダー・マーティン記者による東京発「安倍首相、日本の防衛体制変更の早期解決を探る」、翌12日付で「安倍首相、自衛隊にすぐに権限を持たせようと狙う」を載せた。13日には、ロイター通信電子版が久保信博記者と竹中清記者による「日本の首相、よりゆるやかな自衛権発動の支持獲得に近づく」を報じた他、ブルームバーグ電子版も同日付でイザベル・レイノルズ記者による「与党、集団的自衛権の限定的行使の検討に入る」を掲載した。
<関連リンク>
外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」