実施日 : 2006年10月02日 - 03日
福岡プレスツアー(国連ハビタット福岡事務所主催)
投稿日 : 2013年08月24日
~真のアジアの玄関として人やビジネスを惹きつける-福岡~
実施日:2006年10月2日(月)~3日(火)
国際連合人間居住計画(ハビタット)アジア太平洋事務所(福岡)www.fukuoka.unhabitat.org は、1997年8月に地域レベルでの事業活動強化とケニアにある本部機能の分散化を図るために福岡市に開設された。「アジアの玄関口『福岡』に国連機関を」を目的に福岡県・福岡市・地元経済界が官民一体となって誘致した。同事務所は2007年に10周年を迎える。
ハビタットは、開発途上国における居住環境改善や紛争・災害後の再建復興事業等の技術協力事業を行う一方、機関の中軸を担う活動として、持続可能な都市開発や都市間連携の推進など様々な政策的活動を行っており、同事務所は福岡における「アジアの知的戦略拠点形成」の一翼を担っている。また、福岡市は2016年夏季オリンピック候補地として名乗りを挙げた他、本年6月26日発行のニューズウィーク誌(国際版)において「世界で最もホットな10都市」に選ばれており、ハビタットの誘致を始めとする、福岡の地域を上げた国際戦略は注目に値する。
国連ハビタット福岡事務所の開設10周年を前に、世界ハビタット・デー(毎年10月第1月曜日)に本プレスツアーを開催する。今年のテーマは、「都市:希望の磁石」。人や経済を惹きつける魅力的な都市・地域とは何か。今注目を集める国際都市「福岡」の魅力とは何か。ハビタット・デーのメッセージと共にアジアから世界へと開かれた福岡の取り組みを発信する。
取材内容
1.“Cars and more” ~自動車産業の新拠点-北部九州~
●トヨタ自動車九州(株)www.toyota-kyushu.com/ 北部九州は自動車産業の集積が進んでおり、なかでも福岡県宮若市のトヨタ自動車九州㈱(1992年12月生産開始。年産43万台)は独自の高い技術力を支えに高級車レクサスの生産ラインを増強し、さらに次世代型エンジンの製造も手がけ始めた。同社はトヨタ100%出資の生産子会社であり、トヨタ本社は同社を国内第2の生産拠点と位置付け、今年1月からは中国向け全完成車を博多港から輸出している。緑豊かな自然に囲まれた同社を訪ね、世界最高品質の車を産み出し続けるモノづくりの現場(「革新技術と匠の技の融合」をコンセプトに昨年9月に稼動開始した宮田第二工場)を見学する。
●北部九州自動車産業政策についてのブリーフィング :福岡県
同地域にはトヨタ自動車九州に加えて、日産自動車九州工場(福岡県苅田市)、ダイハツ九州(大分県中津市)の3工場があり、昨年度の3社合計生産台数は約91万台、今年度はトヨタ、ダイハツの増産により計101万台になる見込み。福岡県は「2009年度に北部九州で年間生産150万台達成」の目標を掲げ、大分、佐賀、熊本県と共に広域的に取り組む。課題は部品調達率で、現在の50%を70%まで引き上げることが不可欠。アジアにおける最先端拠点の形成や次世代車の開発をも視野に入れた北部九州の自動車産業政策について説明する。
<写真1,2: トヨタ自動車九州>
<写真3: 博多中洲の屋台>
<写真4: 博多どんたく 「ふくや」若手社員が参加>
2. “The Fukuoka-Asia Business Special Zone” ~福岡アジアビジネス特区~
小泉内閣が推進する「構造改革特区」第一号として、2003年から「福岡アジアビジネス特区」www.island-city.net/business/asia/asia_1.html の指定を受けている福岡。規制緩和を活用してアジアビジネス展開を志向する国内外の企業が集積する産業拠点づくりを推進している。アジアにおけるビジネス拠点を目指す福岡の投資環境と今後の展望を以下の企業・研究所を実例に取材する。
●エダック・ジャパン株式会社 www.edag.com
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2005年5月に日本初の支店を福岡市に開設したドイツの大手自動車デザイン会社。同社は世界15ヶ国36地域に拠点を持ち、BMWやアウディ、VW、DC等大手自動車メーカーの車体や部品デザイン、製造ラインの委託開発、エンジニアリングサービスを行う。グロッツバッハ・マンフレッド代表取締役より、福岡に拠点を置いた理由、及びアジア太平洋地域における今後の事業戦略について話を聞く。
●福岡ソフトリサーチパーク・九州システム情報技術研究所(ISIT) www.isit.or.jp
同パークは、NEC・日立・富士通など国内屈指の情報通信関連企業の集積地。海外のコンピューターメーカーを含む地場情報通信関連企業が入居しており、国内でも珍しい民間企業同士の連携も行っている。1995年に設立した九州システム情報技術研究所(ISIT)は、同パークの中核的研究機関として、システムLSIの要素技術開発等に取り組む他、同パーク入居企業・行政・九州各県の研究機関との連携・交流事業も行っている。
●サン・マイクロシステムズ(株)>> Link >> Link
世界屈指のコンピュータ・サーバ企業。1982年、米国にて社員4名で起業、現在は100ヶ国に拠点を持ち、従業員数は約38,000名を誇る。同社開発のJava技術は有名。2003年3月から福岡ソフトリサーチパークを拠点に事業を開始した。同社九州支社・中田明支社長に「脱東京ビジネスモデル」にチャレンジする場として福岡に支社を開設した経緯や、サンと福岡県のIT人材育成事業、起業家支援プロジェクトとの関わりについて聞く。
3. ”Hakata, Fukuoka - vigorous local entrepreneurs” ~福岡・博多商人気質~
●「博多の辛子明太子」製造-株式会社「ふくや」www.fukuya.com/index.html
今や福岡の食文化を代表する「博多の辛子明太子」。この辛子明太子を開発した「ふくや」の創業者は製造特許も取らず、その手法を周りに広めた。同社は1949年創業、現在従業員は600名、現社長は創業者・川原俊夫氏の子息・正孝氏。人材育成の一環として若手職員の祭り等地域行事への参加を奨励するなど、地域文化を維持するための積極的な社会貢献を行っている。「ふくや」は、伝統を残しつつ国内外の人や文化を受け入れる博多・福岡の「おもてなしの心」そのものである。川原社長より博多明太子開発の背景、地域貢献や人材育成などについて聞く。
●商都・博多の復活-キャナルシティ博多 www.canalcity.co.jp/
福岡は古来より大陸との玄関口として、アジア各地との交易と共に発展し、博多はその中核として16世紀頃に商業都市としての基盤を形成、以降商人の町として繁栄する。1897年、現在のキャナルシティ博多の場所にカネボウの前身である博多絹綿紡績会社が開業。当時、北九州には八幡製鉄所ができ、鉄と紡績は日本近代化の象徴であった。しかし、同カネボウ工場は1959年に閉鎖。以後約1万坪の跡地が長年取り残された状態であった。
1996年、当時としては全く新しい、映画館や劇場等のエンターテイメント要素を備えた複合型商業施設としてオープンしたキャナルシティ博多は、今や福岡のランドマークとして多くの人々を惹き付け、広くアジアにも知れ渡っている。完成まで約20年の歳月を要し、商都・博多の再生を賭けたこの再開発事業は、その間の日本経済の浮き沈みと共に様々な試行錯誤が繰り返された。福岡地所(株)・藤賢一副社長にキャナルシティ博多誕生までの背景や人々を惹きつけ続けるキャナルの磁力について聞く。
●福岡・博多の「屋台」
福岡の風物詩として「屋台」を思い浮かべる人は多く、その光景は日本というよりアジアを感じさせる。現在福岡で営業する屋台は約180軒。これだけの屋台が福岡の公共空間に存続する背景には、様々な人たちの努力があり、今後の課題もある。本ツアーでは、屋台文化の歴史的背景・公共空間の活用法としての屋台について九州大学大学院人間環境学研究院 都市・建築学部門・南博文教授の説明を受けながら、独特の交流空間-屋台-を体験する。また、福岡市移動飲食業組合の安藤義信組合長に福岡屋台の現状と課題について聞く。
4.”Youth Culture and International Community in Fukuoka/Kyushu”
~福岡・九州の若者文化と国際コミュニティ~
●LOVE FM(九州国際エフエム)www.lovefm.co.jp 北部九州(福岡全土、熊本、長崎、佐賀、大分及び山口県の一部)をカバーするFM局で、1997年に放送開始。現在、日本語と英語を中心に10ヶ国語(ハングル(韓国、朝鮮語)、タガログ語、スペイン語、ポルトガル語、インドネシア語、タイ語、フランス語)での放送を行う。災害発生時には各国語でニュースを放送するなど、地域にすむ外国人居住者への情報発信も行う。また、福岡のミュージシャンをアジアの音楽イベントに派遣、アジアのミュージシャンを福岡に招聘するなど、様々な試みを行っている。ツアーでは市の中心街に位置する同局スタジオに立ち寄る。
●FUKUOKA NOW www.fukuoka-now.com 九州に暮らす外国人や海外からの観光客、及び国際文化に関心の高い人々に向けて情報発信する6ヶ国語表記(英語、日本語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、中国語、韓国語)の月刊情報誌。1998年創刊。福岡空港、JR博多駅、主要ホテル等をはじめ北部九州の約500ヶ所で無料で配布されている。読者は25~35歳が中心。(財)福岡国際ビジネス協会(FIBA)の事務局長も務める、ニック・サーズ編集長が夕食懇親会に参加する。
5. ”Fukuoka - Gateway to Asia” ~アジアの玄関口-福岡~
本ツアーではまず今年3月に開港した海上空港「北九州空港」に到着。北九州(トヨタ自動車九州)から福岡への移動の際に博多埠頭付近を通り、第2日目の博多湾クルーズでは福岡ウォーターフロントを遠景から眺望しながら、アジア太平洋地域の旅客と貨物の大動脈としての博多港の機能や可能性を取材する。復路は福岡空港まで福岡市営地下鉄を利用。都心から約15分で空港に到着するという利便性を体験する。
実施要領
1) 日程(案):
DAY 1: 10月2日(月)
06:50 羽田空港 第1ターミナル(南ウィング)スカイフライヤーズ・カウンター前集合
07:35 同発(SFJ737)
09:10 北九州空港着、借上げバスにて移動
(車内にて、北九州空港の役割に関する説明)
10:15-12:00 トヨタ自動車九州(株)訪問
(福岡へ移動。車内にて昼食、及び、北部九州自動車産業政策に関する説明)
13:00-13:30 国連ハビタット概要説明、世界ハビタット・デー会議視察
14:00-15:00 エダック・ジャパン(株)訪問
15:30-16:00 LOVE FM(九州国際エフエム)訪問
16:30 博多東急イン着、チェックイン
17:30-18:30 ラウンドテーブル記者懇談会(福岡県・福岡市・国連ハビタット各代表、地元プレス参加)
18:30-20:00 夕食懇親会
20:30-21:30 博多屋台ツアー
福岡泊(博多東急イン www.hakata-i.tokyuhotels.co.jp )
DAY 2: 10月3日(火)
09:15 ホテル発
09:30-10:15 博多湾視察クルーズ(物流・博多埠頭の役割等に関する説明)
10:45-11:45 福岡ソフトリサーチパーク 訪問
(九州システム情報技術研究所(ISIT)、及びサン・マイクロシステムズ(株))
11:50-12:30 昼食
13:00-14:30 博多明太子「ふくや」製造部 訪問
15:00-16:00 キャナルシティ博多 訪問
16:30 国連ハビタット福岡事務所にて Wrap Up Gathering
17:15 空港へ移動(福岡市営地下鉄にて。荷物は別送)
18:15 福岡空港発 (JL1730)
19:50 羽田空港着
<写真1: 「ふくや」製 博多辛子明太子>
<写真2: キャナルシティ博多>
<写真3: LOVE FM スタジオ>
<写真4: キャナルシティ博多 愛知博環境技術ミストを導入>
2)参加資格:外務省発行外国記者証保持者
3)参加費用:1人¥18,000-(全行程交通費、食事、宿泊を含む)
*お支払い方法、キャンセル料等は参加者に通知します。
4)募集人数:先着順10名
(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)
5)FPC担当:小泉、古賀(Tel:03-3501-5070)
6)備考:
(1)写真・TV撮影は一部制限があります。担当者の指示に従って下さい。
(2)国連ハビタット福岡事務所、及びFPCはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。