プレスツアー(案内)

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実施日 : 2009年02月10日

【プレスツアー】2009年2月10日(火):世界不況に立ち向かう“地方経済”プレスツアー

投稿日 : 2013年08月22日

「オリジナリティと匠の技で不況にひるまない ~埼玉の中小企業〜」 

 

米国の金融危機に端を発する世界同時不況の波が日本にも押し寄せている。国内外を問わず、工場の休止や閉鎖期間労働者の解雇といった不安材料は数え切れず、厚生労働省は3月末までに、少なくとも8万5,000人の派遣・期間労働者が職を失うとみている。

 

しかし、ピンチをチャンスにと日本の製造業の底力を見せる中小企業が埼玉県には健在だ。精巧な技術日々の研究ニッチ産業での優位を維持する企業オンリーワンの独創的な商品開発強い信念海外市場での知名度を上げる企業、いずれも匠の技で人々を魅了する。

 

今回のツアーでは、埼玉県内の企業の特色および県が掲げるさまざまな企業支援策についてブリーフィングを受けた後、世界に誇る高度な技術ものづくり精神不況にも動じない埼玉県内の中小企業3社を取材する。
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米国の金融危機に端を発する世界同時不況の波が日本にも押し寄せている。世界最強の製造企業と言われてきたトヨタ自動車までもが、2009年3月期に赤字に転落する見込みだ。国内外を問わず、工場の休止や閉鎖期間労働者の解雇といった不安材料は数え切れず、厚生労働省は3月末までに、少なくとも8万5,000人の派遣・期間労働者が職を失うとみている。それを受けて、政府は雇用・金融対策を中心とする合計75兆円程度の緊急経済対策を発表、その内、日本の製造業を支える中小企業への資金繰りや新たなビジネス創出等への支援強化として30兆円規模を投じるとしている。一方で、日銀の2009年度の実質国内総生産(GDP)成長率の予測は、マイナス1%前後と、昨年10月時点の0.6%から大幅に下方修正された。今後の経済情勢によってはさらに下方修正される可能性もあり、見通しはかなり厳しい

 

埼玉県では、圏央道の開発に伴い製造、流通業など多くの企業が県内に拠点を移しており、2005年からの3年間で360件の企業誘致に成功するなど、大きな経済波及効果をもたらした。そんな埼玉県も、県内に多い自動車関連産業の需要減により雇用や企業誘致など気がかりな影響も少なくない。しかし、不況の影響を受けにくい食品加工業や、不況による鋼材、原油価格の大幅変動という悪条件を逆手に、都心に近い好立地かつ優れた交通網をアピールすることで流通加工業、物流業の立地にも成功しているのも確かで、ピンチをチャンスにと日本の製造業の底力を見せる中小企業が埼玉県には健在だ。精巧な技術と日々の研究でニッチ産業での優位を維持する企業、オンリーワンの独創的な商品開発と強い信念で海外市場での知名度を上げる企業、いずれも匠の技で人々を魅了する。 
 今回のツアーでは、埼玉県内の企業の特色および県が掲げるさまざまな企業支援策についてブリーフィングを受けた後、世界に誇る高度な技術とものづくり精神で不況にも動じない埼玉県内の中小企業3社を取材する。

 

*当プレスツアーは埼玉県のご協力を得てフォーリンプレスセンターが企画運営しています。

 

 

取材内容

 

1.埼玉県による中小企業支援対策および埼玉県産業技術総合センター

 

埼玉県では、世界的不況による雇用情勢の悪化に対応すべく、昨年より緊急経済対策として、県民の雇用対策や経済活性化のための中小企業向け融資制度の充実等さまざまな施策に取り組んでいる。昨年12月22日には「埼玉緊急雇用対策本部」を設置し、緊急中小企業相談窓口の開設(100カ所)、県制度融資「経営安定資金」の活用などによる資金繰り支援、経営・技術支援、販路拡大支援、下請け取引適正化支援、公共工事発注量の確保などの中小企業支援を開始した。

 

また、2003年に設立された産業技術総合センターでは、県内中小企業の産業技術力を強化し、国際競争力を備えた国内産業の振興を図ることを目的に、新技術・新製品の研究開発の推進産学官連携の推進ベンチャー・新分野進出企業の支援等に力を入れている。

 

2.株式会社渓水(鳩ケ谷市)

 

ボーイングやエアバスといった航空機や新幹線の、主にシート周辺のパーツを作る精密板金加工業者として1957年に創業。従業員12名。現在は、軽くて強い新素材“カーボンファイバー”の複合材を使用したことで注目されるボーイング787のパーツをJALおよびANAから請け負う。

 

その航空機の厳しい品質基準に適合するパーツを作る精度の高い加工技術を活かして2003年にカバンや名刺入れ等の製造を開始、オリジナルブランド「エアロコンセプト」を立ち上げた。ユニークさと質の良さで国内外を問わず多くの注文が舞い込む。2005年にはイタリアのミラノコレクションでも取り上げられ、海外セレブの愛用者も少なくない。また、イタリア、ロシア、中国にエージェントがあり、イギリスは現在契約進行中。オファーに至っては米国、フランス等10カ国以上にも及び、ドイツの大手キッチンメーカー“Norte”からコラボレーション企画の依頼を受けている。

 

デザイナー兼代表取締役の菅野敬一氏は、1990年代初頭のバブル景気が崩壊したころ、取引先の経営難に巻き込まれ倒産に追い込まれた。しかし、他には真似できない高い技術を慕う取引先の支えもあり何とか乗り越えた。「毎日死のうと思った」というほどの地獄を経験したからこそ「残りの人生を楽しみたい」と自分自身が欲しいと思うものを「愛をこめて」つくり自社ブランドとして世に送り出し、「利益優先の大量生産はしない」と言い切る。

 

2007年11月、京都の路地裏にある築120年の町屋を改装したフラッグシップショップをオープン。新旧の文化が混じり合う中に伝統的な日本らしさが残る京都から“我が子”である作品を世界に発信する。「いいモノは人を育てる。いいモノに触れることでモノの大切さが学べる」という哲学を若手に継承する生粋の職人。

 

ツアーでは、菅野氏より同社の概要およびエアロコンセプト設立のいきさつや今後の展開等を説明頂いた後、工場内を視察する。

 

 

 

3.株式会社住田光学ガラス(さいたま市)

 

1953年創業、光学ガラスと光ファイバーのパイオニア的存在で海外市場でも高い信頼を受ける。デジカメ用の非球面レンズではトップクラスのシェアを持ち、内視鏡などに使われる医療用の光ファイバーは、世界トップメーカーも同社の顧客だ。ガラスの原料調合から溶解、冷却、加工、製品化まで、国内の工場で一貫生産している。“開発力は命”がモットーで層の厚いR&D部門を持つ同社は、高い品質とオリジナリティで世界初の製品を多く生み出してきた。医療、通信、電気等、ほとんどが不況に左右されない分野であるところも強みだ。

 

 

2005年にはドイツに現地法人「Sumita Optical Glass Europe GMBH」を設立。量産ではなく、“地道なものづくり”精神を共有できるドイツを敢えて選んだ。更に、米国、中国、台湾、韓国も主要なビジネスパートナーとして製品、技術を輸出している。06年、経済産業省によるものづくりで高度な技術を持つ「中小企業300社」に選ばれた。
 ツアー当日は、住田正利社長より、同社がどのようにして世界でもトップクラスの光学ガラスメーカーになったのか、会社方針、理念など概要説明に加え、世界に誇るさまざまな製品の紹介して頂いた後、工場内を視察する。

 

 

4.株式会社協同商事 コエドブルワリー(川越市)

 

地元特産さつまいも「川越イモ」を原料とした発泡酒「Beniaka(紅赤)」を含め5種類のビールを製造販売する。さつまいもを原料とした独自のビール製法は世界初の特許を取得。2008年には、欧州最大の食品品評会「国際味覚品質機構(iTQi)」「Beniaka」2年連続で最高賞の三ツ星に輝き、その他4種類のビールも二ツ星を受賞しただけでなく、世界的な食品品評会「モンドセレクション」ビール部門の賞を総なめにした。

 

コエドブルワリーの経営母体である協同商事は、1982年にその頃誰も注目していなかった「無農薬・有機栽培」で農産物の生産・流通事業を始めた。畑の連作障害を防ぐために作っていた麦を有効利用しようと、1994年4月の酒税法改正による地ビールブームの中でビール製造に参入した。その後「観光みやげ的地ビール」から「地産地消のビール」へと路線変更して06年プレミアムビールブランド「COEDO」が誕生。本場ドイツから職人を招き、職人が丁寧に作り上げるクラフトビールの製造ノウハウを本格的に学んだ。青果、物流、ビール事業部すべてを合わせ、年商は30億円。昨年夏からは生産量もアップさせ、香港で販売を開始。米国、オーストラリア、台湾、ロシアなどからも引き合いが来ている。

 

ツアーでは、朝霧副社長によるプレゼンテーションの後、工場を視察しながら職人たちから話を聞き、ビールの試飲をする機会をもつ。

 

 

 

 

 

 

 

 

【実施要領】

 

1.日程案
2009年2月10日(火)

 

08:20      埼玉高速鉄道鳩ヶ谷駅集合
08:45-09:45  埼玉県産業技術総合センターにて
         県庁の中小企業支援についてのブリーフィング
10:00-11:30  株式会社渓水
12:00-12:45  ホテルブリランテ武蔵野にて昼食
13:00-14:30  株式会社住田光学ガラス取材
15:15-16:45  株式会社協同商事 コエドブルワリー取材
17:30      JR池袋駅で解散

 

2.参加資格: 外務省発行外国記者登録証保持者

 

3.参加費用: 1人1,500円(移動バス代、昼食費含む)
*お支払い方法、キャンセル料等については参加者に通知します。

 

4.募集人数: 先着10名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)
*申し込み人数が10名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。

 

5.FPCJ担当: 鈴木、小泉(Tel: 03-3501-5070)

 

6.備考
(1)写真・TV撮影は一部制限があります。担当者の指示に従って下さい。FPCJはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。
(2)ツアーにはブルワリーの見学が含まれますので、ツアー当日の朝は納豆やヨーグルトのような発酵食品は控えて下さい。

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