実施日 : 2016年01月27日 - 29日
案内:北海道(札幌・帯広)プレスツアー「冷たい雪を利点に変える」
投稿日 : 2016年01月07日
-札幌: 世界で最も雪が多い大都市の知恵-
-帯広: 寒冷な気候と向き合いながら日本一の農産地に-
<2017冬季アジア札幌大会開催地(札幌・帯広)>
―― 札幌市 ――
北海道の中心・札幌市は、世界の100万人以上の大都市で最も雪の多いまちだ。多量の雪は、交通を混乱させたり、建物に被害を与えたりと都市機能の障害となる。また、除雪のコストも大きな負担だ。
一方で、札幌には、そんな雪を観光資源に変え、240万人もの来場者を集める「さっぽろ雪祭り」がある。また、除雪した雪を春先まで保存して冷房に使う、氷雪エネルギーの活用施設もある。さらに札幌は、冬季オリンピックの開催地になるなど、日本のウィンタースポーツの拠点でもある。ここでは、雪と共に生き、それを利用する都市の人々の知恵を見ることができるのだ。
―― 帯広市および十勝地方 ――
北海道は、国内の耕作面積の4分の1を占める日本一の農業地帯で、小麦、じゃがいも、大豆、てんさい、生乳など多くの農産物で国内シェア1位を誇る。
なかでも北海道東部に位置する十勝地方(帯広市を含む19市町村)は、日本における畑作と畜産の中心地だ。じゃがいもの生産量は全国の約30%、生乳は約15%を占め、食料自給率は1,100%。日本の食卓を支えている。冬は最低気温がマイナス10度を下回るこの土地で、明治期の開拓以来、人々は厳しい寒さと向き合いながら農業を発展させてきた。
現在も、この地には、雪を入れた倉庫でじゃがいもを貯蔵することで甘みを増加させ、一年中出荷することを可能にした農家や、雪と温泉熱を利用して冬に収穫するマンゴーの栽培に成功した起業家がいる。また、寒冷地に適した乳牛を育て、生乳だけではなくアイスクリームの生産を手掛け、農業の高付加価値化に取り組んでいる酪農家がいる。ここでは、雪や寒冷な気候を活かし、生き抜いてきた生産者たちの知恵を見ることができる。
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本プレスツアーでは、2017年2月に開催される冬季アジア大会の開催地である札幌市と帯広市(および周辺十勝地方)を訪れる。
・札幌市では、市長にインタビューするとともに、雪を魅力や氷雪エネルギーとして利用する事例や、エゾシカの活用について取材する。
・帯広市を始めとする十勝地方では、寒冷な気候や雪を活かしながら農業を営む3人の生産者たちの姿を追う。さらに、北海道開拓時代の農業の歴史を伝える、世界で唯一の馬ゾリ競馬(ばんえい競馬)も取材する。
・また、札幌、帯広の両市で、冬季アジア大会の競技会場を訪れ、雪や寒冷な気候を楽しむウィンタースポーツのメッカとしての側面にも触れる。
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※本プレスツアーは、第8回札幌アジア冬季競技大会組織委員会が主催し、公益財団法人フォーリン・プレスセンターが企画運営しています。
【取材内容】
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Ⅰ.札幌市
世界で最も雪が多い大都市の、雪を魅力や資源に変える知恵
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1. 札幌市 秋元 克広(あきもと かつひろ)市長インタビュー
https://www.city.sapporo.jp/city/mayor/profile/akimoto_profile.html
https://www.city.sapporo.jp/kikaku/citypromote/plan/pc/documents/2.pdf
北海道の中心地・札幌市の人口は190万人。日本で5番目に大きい都市である。年間の積雪量は約6メートルに上り、世界の人口100万以上の大都市の中で最も雪が降るまちだ。積雪と戦いながらの都市機能維持は容易なことではなく、除雪・排雪は重要な課題だが、一方でその雪を楽しむウィンタースポーツも盛んだ。来年、2017年2月には、この地で冬季アジア大会が開催される。
冬季アジア大会とは、アジアの45の国と地域が加盟するアジアオリンピック評議会(OCA)が、アジア地域における冬季スポーツの発展を図ることを目的として開催する大会で、来年は札幌市と帯広市がホストとなる。札幌市は、その雪を活かして主にスキー競技の会場になる。同市は2026年の冬季オリンピック・パラリンピックの招致を表明している。
また、雪と共に発展してきた札幌市では、雪を魅力や資源に変える知恵と工夫を見ることができる。市では、約200基もの雪像で雪を観光資源に変える「さっぽろ雪まつり」や、雪を保存して冷却に使う氷雪エネルギーなど、雪を活用する取り組みを進めてきた。
◆2017冬季アジア札幌大会開催地の首長としての、大会に向けた抱負などについて聞く。さらに、2026年冬季五輪招致や、雪と共に発展してきた札幌の様々な取組みについてもインタビューする。
2. 大都市に降る雪を活かす。ウィンタースポーツの聖地
・大倉山ジャンプ競技場
・札幌ウィンタースポーツミュージアム
http://okura.sapporo-dc.co.jp/jump/index.html
http://okura.sapporo-dc.co.jp/museum/index.html
人口190万人の札幌の市内、中心地から約7キロの場所に、1972年開催の札幌オリンピックやワールドカップなど数々の国際大会の舞台になってきた大倉山ジャンプ競技場がある。リフトで昇ると標高300mの地にあるジャンプ台のスタートラインを目の前にして選手の気持ちを味わうことができるうえ、札幌のまちを一望できるため、人気の観光スポットにもなっている。
日本国内でスキージャンプの国際大会が最も多く開催されている競技場だが、大都市にこのようなラージヒル台がある例は珍しく、札幌市はラージヒル台があるまちとしては人口最大の都市として知られている。競技場は市民にも広く親しまれており、大会開催時には多くの市民が観戦に訪れている。2017年に開催される冬季アジア大会でも、ここを舞台に各国の選手たちが真剣勝負を繰り広げることになる。
大都市でありながら積雪量の多い札幌市ならではの都市型のジャンプ台は、1931年の設立から約85年の歴史を誇る、雪を楽しむウィンタースポーツの聖地だ。
◆大倉山ジャンプ競技場を訪れ、ジャンプ台を間近に視察する。また併設されたウィンタースポーツミュージアムを訪れ、札幌市とウィンタースポーツの関わりについて担当者から説明を受ける。
3. 雪をまちの魅力に変える「さっぽろ雪まつり」の雪像制作現場。経済効果も大
・札幌市 観光企画課 担当者
・さっぽろ雪まつり大雪像制作委員会 第1雪像制作部会 隊長 森岡 孝友(もりおか たかとも)さん
http://www.city.sapporo.jp/keizai/kanko/program/documents/houkokusyohpkeisai.pdf
札幌市で毎年2月上旬に開催される雪と氷の祭典、「さっぽろ雪まつり」。雪や氷で作られた約200基もの像が市内の複数の会場に展示される。1950年に始まり、今年2016年で67回目を迎えるこの祭りは、現在ではおよそ240万人もの人が訪れる北海道最大のイベントの一つになっている。また、近年では外国からの観光客が増加しており、来場者全体の6.4%を占めている。祭りの経済効果は419億円で(2014年分の算出数値)、地元経済に大きく貢献している。
札幌の冬を代表する観光資源となった「さっぽろ雪まつり」だが、なかでも見どころとして名高いのが、高さ15mにもおよぶ大雪像だ。1基を制作するのに25日間かかり、のべ約1000人が作業に携わる。札幌市はその大雪像を3基制作しており、多くの市民ボランティアも参加している。
年間降雪量が約6メートル上る札幌では、雪が交通を阻害したり、処理がコストになったりと負担も大きい。しかし、雪を楽しみ、まちの魅力にする「さっぽろ雪まつり」には、雪と共に生きてきた人々の知恵が詰まっている。
◆雪まつりを1週間後に控えた会場を訪れ、札幌市担当者の案内で雪像制作の現場を視察する。また、市が制作する大雪像づくりの指揮を執るスペシャリストで、今回で参加38年目を迎える大ベテランの森岡孝友さんにインタビューする。
4. 雪を保管して冷房に。氷雪エネルギーの利用
・都心北融雪槽を活用した雪冷熱エネルギー供給システム
http://www.city.sapporo.jp/kankyo/energy/shokai/snowiceenergy.html#s04
https://www.city.sapporo.jp/kensetsu/yuki/jigyou/yuu_toshinkita.html
氷雪エネルギーの利用とは、冬期に降り積もった雪や凍結した氷などを、冷熱を必要とする季節まで保管して、冷熱源としてその冷気や溶けた冷水をビルの冷房や農作物の冷蔵などに使うことだ。
札幌市では、この氷雪エネルギーの利用を進めてきた。その一つの事例が、札幌駅の北口広場の地下にある都心北融雪槽だ。この施設は、第一の目的としては、都心部の除排雪を効率化するために整備されたものだ。「都心の雪は、都心で融かす」をコンセプトに、除雪された雪を、大型トラックで遠くに運んで捨てる代わりに、まちの中心部の地下に作られた融雪プールに投入し、地域のエネルギープラントの熱を利用して解かす仕組みだ。
この融雪プールの第二の活用法として、氷雪エネルギーの利用がある。シーズン最後に投入された雪(約4,000立方メートル)を貯蔵し、「熱交換冷水循環方式」を使って周辺地区の冷房に活用しているのだ。毎年4月から約1ヶ月の間運用しており、期間中の消費電力を従来の約50%にまで削減している(2011年~2015年の5年間の平均)。
◆札幌市担当者より仕組みや役割について説明を受けた後、実際に融雪プールを視察する。
5. 増えすぎたエゾシカ。単なる駆除から美味しく食べて活用による共生を目指す
・共生を推進 一般社団法人エゾシカ協会 理事 松浦 友紀子(まつうら ゆきこ)さん
・エゾシカの佃煮を開発 株式会社玉木商店 社長 玉木 康雄(たまき やすお)さん
http://www.gyokusuien.co.jp/yukimomiji.html
北海道では、近年エゾシカが爆発的に増加している。幼樹や希少植物を食べることで森の生体系を脅かし、さらには農作物を食い荒らす被害や、自動車や列車との衝突事故を引き起こすことで社会問題化している。
そのエゾシカを単に害獣として駆除するのではなく、北海道固有の天然資源として有効活用することで、数をコントロールしながら生態系のバランスを維持しようとする動きがある。
1999年設立の一般社団法人エゾシカ協会は、「森とエゾシカと人の共生」目指し、個体数管理、被害防止、有効活用を推進する活動を行ってきた。シカ肉は、高タンパク・低脂肪で、さらに鉄分の含有量も非常に高い。こうした特徴から生活習慣病などの予防につながる食品として注目が高まっている。一方で、狩猟の際に撃ちどころを誤ったり、仕留めた後の処理が不適切だと肉に臭みが出てしまい、食肉として流通させるのが難しくなる。そこで、エゾシカ協会では市民への普及啓発活動を行うと共に、エゾシカの食肉処理施設と加工施設に関して、それぞれ基準を設定して認証制度を創設。厳しい審査を通った施設に対して認証マークの使用を認めている。
最近では、エゾシカのメニューを提供するレストランや、加工食品の製造も徐々に増えてきた。日本茶を製造・販売する玉木商店の玉木康雄社長は、自らもハンターであり、森の荒廃を何とか食い止めたいとの思いから、シカ肉を美味しく活かす道はないかと模索。自らの専門であるお茶(ほうじ茶)でシカ肉を煮ることで独特のクセを和らげ、ごはんに合う佃煮を開発した。評判も上々で、発売以来口コミでファンを増やしている。
◆エゾシカ協会の松浦理事から、エゾシカを取り巻く課題や協会の取組みについて聞くと共に、エゾシカの佃煮を開発した玉木商店の玉木社長にインタビューする。
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Ⅱ.帯広市/帯広市を含む十勝地方
寒冷な気候に向き合いながら日本一の農産地に。雪を利用する人々の知恵
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6. じゃがいもを雪室で貯蔵して甘く。高付加価値化と年間供給を実現
・森浦農場 森浦 政明(もりうら まさあき)さん(72歳)
http://www.moriura.net/yukimuro/index.htm
日照時間が長く、朝夕の寒暖差が激しい北海道・十勝地方は、作物の糖度が増すのに最適な環境だと言われている。そんな十勝の農家の4代目で、約35ヘクタールの土地で農業を営む森浦さん。小麦、ビート、豆類なども生産しているが、なかでも特に力を入れているのがじゃがいもだ。約10品種ものじゃがいもを年間350トン以上生産している。森浦さんは、「より美味しいじゃがいもを、長い期間出荷したい」との思いから、1995年から、収穫したじゃがいもを天然の雪を使った倉庫で熟成させる「雪室貯蔵」を行っている。一年を通じて低温多湿な雪室で保存されたじゃがいもは凍ってしまわないように自ら内部のでんぷんを糖にする。これによって甘味が格段に増すのだ。貯蔵期間は品種によって異なるが、数ヶ月から長いものだと2回冬を越させるものもある。
雪室貯蔵には、じゃがいもが甘くなって付加価値がつく以外にも大きなメリットがある。それは、雪室で美味しい状態で保存できるため、じゃがいもを一年中出荷することが可能になった点だ。雪室貯蔵を始めて以来、優れた品質のじゃがいもを一定の価格で安定的に供給できることが評価され、首都圏などのレストランを中心に直接契約を結ぶ取引先が増えていった。市場価格に左右されないため、双方にメリットがあるのだ。
◆森浦農場を訪れ、雪室でじゃがいもが貯蔵されている様子を視察するとともに、森浦さんに雪を利用する知恵とその利点についてインタビューする。
7. 雪と温泉熱を利用し、冬に収穫するマンゴー「白銀の太陽」
・ 株式会社ノラワークスジャパン 社長 中川 裕之(なかがわ ひろゆき)さん(54歳)
元々貸倉庫の会社を経営していた中川裕之さん。ある時、日本のマンゴーの名産地である南国・宮崎県の農家と出会い、その農家の「北海道ならマンゴーを育てて真冬に収穫できる」との言葉に触発され、栽培を決意。この宮崎県の農家のアドバイスを受けながら、2010年に試験栽培を始めた。2011年には地元の経営者仲間の出資を受けて法人化し、株式会社ノラワークスジャパンを設立した。最初は誰もが本気にしなかったこの計画が、2014年からビジネス化に成功し、今、大きな注目を集めている。
マンゴーは当然のことながら、本来は夏に収穫時期を迎える。しかし、中川さんのマンゴーの最大の特徴は、十勝の自然環境を活かして季節を逆転させて栽培することで、真冬に収穫できる点だ。季節を逆転させるのに重要な役割を果たしているのが、ビニールハウスの土壌に張り巡らされた、不凍液が循環するパイプだ。夏は冬の間に貯蔵しておいた雪でパイプの中の不凍液を冷やし、これによって土壌の温度を下げ、冬の環境を作り出す。一方、冬には近くで湧き出る天然温泉の温水でパイプの中の不凍液を温めて、土壌の温度を上げるのだ。収穫時期を迎える真冬は外気温がマイナス15度にもなるなか、750平方メートルのハウス内の日中気温は30度近くに保たれている。このようにして、雪、温泉熱、太陽光などの再生可能エネルギーを80%以上使ってマンゴーが育つのだ。
「白銀の太陽」として商標登録し、2014年末に本格出荷を開始。2015年末で2年目を迎えた。季節外れのマンゴーは付加価値が高く、贈答用に人気で、主に首都圏の百貨店で、クリスマスや歳暮用として平均1個1万5千円~3万円で売られている。最高5万円の値がついたこともあるという。今年の出荷は昨年より500個多い2,400個を見込んでいる。
中川さんは、マンゴーの栽培法を応用し、他の南国の果物にも挑戦したいと意欲的だ。この地ならではの雪と温泉熱を使って、「冬の十勝をフルーツの産地にして地域経済を盛り上げたい」と語る。
◆ノラワークスジャパンのビニールハウスを訪問し、中川社長に話を聞き、栽培の様子を視察する。
8. 農業の現場を「伝える」ことで消費者とつながる酪農家。食育から始まった6次産業化(農産物の高付加価値化)
・リバティヒル広瀬牧場 代表 廣瀬 文彦(ひろせ ふみひこ)さん(63歳)
・ウエモンズハート 店長 廣瀬 真由美(ひろせ まゆみ)さん(63歳)
日本の酪農王国と呼ばれている北海道・十勝地方。牛のエサになる牧草やトウモロコシなどの栽培がその寒冷な気候に適しているうえ、乳牛であるホルスタイン種はマイナス25度の気温にも耐えられるほど寒さに強いため、酪農が盛んなのだ。この地で160頭の牛を飼っている酪農家の廣瀬さんは、生乳の生産だけではなく、1991年から牧場に見学者を受入れ、農業の現場を見せる活動を続けてきた。地元の学校の社会見学で訪れる子供たちから旅行者まで、その数は現在では年間約2,000人にも上る。
廣瀬さんが見学者を受け入れようと考えたきっかけの一つは、米国産の牛肉とオレンジの輸入自由化が決まったウルグアイ・ラウンド交渉だった。その時に「もう農家が守られる時代ではない」との思いを強くしたという。さらに、東京の小学生から「コーヒー牛乳は、牛にコーヒーを飲ませると出るの?」と訊かれ、生産者と消費者の間に大きな乖離があることに改めて気が付いた。そこで廣瀬さんは、消費者に農業の生産現場を直接知って貰い、食べ物に対する認識を深めて貰うことが、農家が生き残るために重要だと考えたのだ。
次第に見学者が増えると、牧場で食べられるものは作っていないのかと聞かれるようになった。このような消費者との交流から手応えを得たことから、お菓子作りが得意な妻の真由美さんが中心となり、牧場で採れた新鮮で濃厚な牛乳を使ったアイスクリームの生産を始めた。1999年に牧場に店をオープン。さらにはネットでの直販も始め、全国から注文が入る人気ぶりだ。現在ではアイスクリーム事業が牧場全体の売上の3分の1を占めるまでになっている。
「国民の食を支えるのは自分の国民としての務め」と語る廣瀬さん。どうやって生き残り、付加価値を高めていくかを自ら考え、一歩一歩道を切り開きながら実現していった地道な6次産業化(農作物の高付加価値化)の事例が、ここにはある。
◆廣瀬牧場を訪れ、搾乳の様子を視察するとともに、廣瀬さんに食育や6次産業化の取組みについてインタビューする。
9. 世界で唯一の馬ゾリ競馬。北の大地の歴史を伝える
・ばんえい競馬(帯広競馬場)
・馬の資料館
http://www.banei-keiba.or.jp/index.html
http://www.city.obihiro.hokkaido.jp/nouseibu/baneishinkoushitsu/banei.html
農業が機械化される前の北海道では、品種改良によって大型で力のある馬が生み出され、開拓と農業を支えてきた。
「ばんえい競馬」は明治時代、北海道の農民の厳しい暮らしの中から生まれた。 農耕馬の力を試す競争として始まり、農民たちのお祭りのなかで定着していたったのだ。現在も、世界唯一の馬ゾリ競馬として、地域の歴史を今に伝えている。
ばんえい馬の最大の特徴は、サラブレッドの2倍にもなるその体の大きさだ。ばんえい競馬では、2カ所の障害を設けた全長200メートルもの直線コースを、馬たちが最高1トンもの鉄のソリを引いてその力を競い合う。勝負には、スピードだけではなく、馬のパワーや持久力、騎手の技が求められ、一般の競馬とは一味違う迫力が人気だ。
◆帯広競馬場を訪れ、当日行われている模擬レースの模様を取材する。また、北海道の農業を支えてきた馬の歴史について展示する「馬の資料館」を視察するとともに、引退したばんえい馬の厩舎を訪れ、その大きさを間近に見る。
10. 小学生からトップアスリートまで選手を育む。熱気溢れるスケート王国
・帯広の森屋内スピードスケート場
北海道の東部、十勝地方に位置する帯広市は、人口約17万人。冬の気温が寒冷なこのまちは、氷上スポーツが盛んな土地柄で、オリンピックの金メダリストをはじめ、多くの選手を輩出してきた。来年2017年2月の冬季アジア大会では、スピードスケート競技の開催地となる。
競技会場となる「帯広の森屋内スピードスケート場」は、国内で2つ目の屋内スピードスケートリンクとして2009年に設立された。屋内であることから1年間のうち使用できる期間が長く、選手にとって有利な練習環境となっている。オープン期間中は、小学生から世界トップレベルのアスリートまで、多くの選手たちが毎日何時間も熱心に練習を重ねている。放課後の時間帯には、周辺地域から練習に訪れる沢山の子どもたちと、送り迎えする父兄の姿を見ることもできる。年間利用者数(2014年)は約24万8千人に達しており、国のナショナルトレーニングセンター(競技別強化拠点施設)にも指定されている。
◆スピードスケート場を訪れ、未来のトップ選手を目指して研鑽している小学生の練習風景を視察する。
また、元オリンピック選手やコーチ(または地元小学生)などへのインタビューを行う。
【実施要領】
1. 日程案: 2016年1月27日(水)~1月29日(金)(2泊3日)
<1日目(1/27(水)>
8:30-10:05 飛行機移動:羽田~札幌(JAL505)
10:15-11:30 バス移動:新千歳空港~大倉山ジャンプ場
11:30-13:00 大倉山ジャンプ競技場
13:00-13:45 昼食
14:30-16:00 雪祭り準備状況
16:30-18:00 エゾシカ活用
19:15 夕食
ホテル宿泊
<2日目1/28(木)>
8:30 ホテル発
9:00-9:30 札幌市長インタビュー
10:15-11:15 都心北融雪槽 氷雪エネルギーの利用
11:15-15:15 バス移動:札幌~十勝地方
15:15-16:30 森浦農場 じゃがいもの雪室貯蔵 (芽室町)
16:45-17:45 帯広の森屋内スピードスケート場 (帯広市)
18:30 夕食、ホテル宿泊
<3日目 1/29(金)>
8:15 ホテル発
9:00-9:30 帯広市長インタビュー(※追加!)
10:10-11:25 ノラワークスジャパン 雪と温泉熱を利用したマンゴー栽培(音更町)
12:00-12:45 昼食・とかち村(帯広市)
12:45-14:00 休憩
14:00-15:30 ばんえい競馬(帯広市)
16:00-17:20 リバティヒル廣瀬牧場 生乳とアイスクリームの生産(帯広市)
17:30-18:10 借上げバス移動:帯広空港へ移動
19:10-20:55 飛行機移動:帯広~羽田((ANA4768)
2. 参加資格: 外務省発行外国記者登録証保持者
3. 参加費用: 1人20,000円(全行程交通費、宿泊費、食費を含む)
*お支払い方法、キャンセル料等は、後日参加者にご連絡します。
4. 募集人数: 10名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)。
*申し込み人数が10名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。
5. FPCJ担当:吉田 知加(TEL: 03-3501-3405)
6. 備考:
(1) 写真・TV撮影に関しては担当者の指示に従ってください。
(2) 第8回札幌アジア冬季競技大会組織委員会およびFPCJはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。
(3)1月末の帯広は気温氷点下10度以下になることが予想されます。防寒具、スノーブーツの用意と共に、機材の保護も各自念頭に置いて準備して下さい。
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<本記事内 写真クレジット> (以下写真の無断使用を固く禁じます。)
・取材内容3.右上および左下写真: ©2015さっぽろ雪まつり実行委員会, Noriyuki Sawa
・取材内容5.右上写真: ©一般社団法人エゾシカ協会 松浦 友紀子
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