【札幌市】市内の憩いの自然空間――「中島公園」
投稿日 : 2019年07月29日
こんにちは。札幌市中国国際交流員の王媛(オウ エン)です。
私は昨年4月末に着任しましたが、着任当初から札幌にとても親近感をもっています。なぜかというと、大阪に留学していた頃に一度旅行で札幌に来たことがあるからです。観光客としての私は、その時大通公園や時計台、白い恋人パーク、北海道庁赤レンガ庁舎、円山動物園、狸小路など外国人観光客に人気がある観光名所を訪れましたが、実際に札幌で生活することになり、以前は知らなかった観光スポットを知ることができました。今回は皆さんに「中島公園」を紹介したいと思います。
(中島公園 札幌市観光写真ライブラリーより)
中島公園は札幌市中央区にあり、地下鉄南北線「中島公園駅」で下車し、1・3番出口から、公園の中に出ることができます。「日本の都市公園100選」に認定され、都心に近い憩いの自然空間で、札幌市内でも有数の広さを誇る公園です。公園内にはさまざまな樹木が植えられていて、その中には中国由来のイチョウ、ヤナギ、モクランもあります。公園の真ん中には菖蒲池(しょうぶいけ)という池があり、ベンチに座って藻岩山を眺めることができます。静かな池を眺めているとボートを漕いでいる人々の姿や鴨の遊ぶ姿も目に映ります。忙しい毎日を送る現代人にとって、このような憩いの自然空間は、心身ともに癒すことができる場所になっていることでしょう。
公園の中には日本庭園もあり、この庭園内には「八窓庵」という小さな茶室があります。広さは畳3枚分程度で、すごく狭く、体の大きな西洋人はともかく現代の日本人でも中に入りにくいです。昔はこうした狭い空間の中に亭主と客が相対して、他人には知られたくない話などをしていたそうです。名前のとおり「八窓庵」には八つの窓(連子窓三つ、下地窓四つ、突き上げ窓一つ)があります。「八窓庵」の正面には「忘筌(ぼうせん)」と書かれた扁額(へんがく)があり、「忘筌」という言葉は中国の古典――『荘子』に由来しています。「筌」は魚を獲る道具であり、「忘筌」は魚を獲った後には使った道具の「筌」を忘れてよいという意味です。茶道を学ぶにはさまざまな道具が必要ですが、あくまでも茶道を学ぶための手段であり、それに執着して本来の目的を忘れてはならないという戒めを伝えるものです。
「八窓庵」を出てから、しばらく歩いていくと「豊平館(ほうへいかん)」に到着します。「豊平館」は北海道開拓使が建築した洋風ホテルであり、札幌の歴史を伝える「特別な建物」として保存されました。「豊平館」は明治初期の代表的な木製西洋建築です。アメリカ建築スタイルの影響を受け、日本の伝統的な建築技術を用いて建てられました。白い下見板にウルトラマリンブルーを使用した枠まわりが映える、美しい外観が特徴です。明治・大正・昭和の三代にわたって、天皇陛下や皇太子殿下の来訪があり、その後も長い間、札幌の文化活動の拠点となっています。平成23年度までは市営結婚式場としても利用されてきました。
(豊平館 札幌市観光写真ライブラリーより)
「豊平館」から外に出ると、ときどきチェロなどの楽器を背負っている人々の姿が見られます。しばらく歩いていくと札幌コンサートホール(Kitara)が目の前に現れます。Kitaraは毎年夏に開催される音楽イベント、PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)の会場の一つになっています。毎年、世界の青年音楽家が一堂に会し、素晴らしい演奏で観客を魅了しています。今年は記念すべき30回目の開催となります。札幌で毎年開催されているので、クラシック音楽に興味をお持ちの方は、PMFにぜひ足を運んでみてください。
そして、中島公園の外になりますが、Kitaraのすぐ近くに「渡辺淳一文学館」があります。あの有名な『失楽園』の作者の記念文学館です。文学に興味をお持ちの方は見逃すことなく、ぜひ、文学館に行ってみてください。
最後に、「札幌まつり」とも呼ばれる北海道神宮例祭(6月14~16日)の時には、北海道神宮だけでなく、中島公園にもたくさんの屋台やお化け屋敷などが登場します。その時期に札幌を訪れる方は、ぜひ中島公園にもお寄りいただき、魅力あふれる札幌をお楽しみください!
中島公園ホームページ
https://www.sapporo-park.or.jp/nakajima/
豊平館ホームページ
Kitaraホームページ
https://www.kitara-sapporo.or.jp/
北海道神宮祭
http://www.sapporo.travel/event/summer/hokkaido_shrine_festival/
【お問合せ先】
札幌市総務局国際部交流課
TEL:011-211-2032