プレスツアー(報告)

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実施日 : 2011年02月23日 - 24日

報告:熊本県プレスツアー(2011年2月23~24日)

投稿日 : 2013年08月23日

世界最大のカルデラを持つ阿蘇の大自然と肥沃な大地、同山系の豊富な伏流水から生まれる良質の地下水資源を併せ持つ熊本県。豊かな自然に育まれた同県の多彩な成長産業を取材したプレスツアーには、中国、台湾、香港、ドイツ、シンガポール、スペイン、イギリス、韓国、ベトナムから計10名の記者が参加しました。

 

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ツアー初日、一行はまず、農産物のグローバル化が進み、食の安全・安心がますます求められる中、生産の安全管理技術の導入と高度な情報管理・公開を武器にした「畑が見える野菜」で勝負する「農業生産法人 有限会社松本農園」を訪問。情報管理・公開のシステム導入において中心的役割を果たした松本武・取締役から、農薬や肥料の使用等の全生産作業情報の閲覧に加え、グーグル・マップ上での生産場所のピンポイントでの確認までを可能にした、同社開発の“世界初”のトレーサビリティー・システム等について説明・デモンストレーションを受けました。参加記者はTPPへの参加是非や輸入品との競争などについて、松本取締役に質問していました。

 

 続いて、一行は、熊本市内の水前寺成趣園の湧水地で発見されたことからその名が付けられた「水前寺のり」について取材。かつて熊本県とその周辺で採られた水前寺のりは、水質悪化や水量減により絶滅危惧種に指定されていますが、その一方で近年、新しい高分子物質「サクラン」の含有が確認され、その極めて高い保水力、さらにレアメタル・レアアース等の吸着力が大きな注目を集めています。ツアーでは、サクランの抽出技術を確立した熊本市のベンチャー企業「グリーンサイエンス・マテリアル株式会社」の金子慎一郎社長からサクランの特徴や商品化の現状について説明を受けたほか、県内唯一の水前寺のり養殖家である丹生慶次郎さんを訪ね、養殖場で水前寺のりの保護・育成への想いを伺いました。

 

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その後、記者らは蒲島郁夫同県知事の記者会見に参加。会見では、元政治学者という知事のご経歴もあって、最近の地方分権や地域政党の動き、統一地方選の見通し等に関し、活発な質疑応答が行われました。

 

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二日目は、BB菌(バチルス菌という納豆菌の仲間の微生物を数種類集めた微生物群)など、自然界の有用微生物の力を最大限に活用した、水環境の浄化や環境に負荷を与えない製品の開発で、海外でも高く評価されている「株式会社ビッグバイオ」を訪問。創業当時「ごく普通の主婦」であったという阪本惠子・現代表取締役等から、同社の事業展開・製品について話を伺いました。

 

熊本城では、資金の一部を市民の寄付から募る「一口城主制度」を取り入れ、1998年度~2017年度の予定で進められている復元整備計画を取材。熊本市熊本城総合事務所の宮崎主幹兼主査等のご案内を受けながら、昨年復元作業が完了した「本丸御殿大広間」等を視察するとともに、「本丸御膳」で甦った往時の食文化を体験しました。

 

また、「ソーラーエネルギー先進県」を目指す熊本県に立地する太陽電池メーカーの代表格である「富士電機システムズ株式会社」も訪問。藤村順二・熊本工場長より、ガラス板を基板にした結晶系の太陽電池が主流だった中、同社がプラスチックフィルムを基板に用いて開発した、薄く軽量で、曲げられるフィルム型のアモルファス太陽電池“F WAVE”、および、同社が、昨年、株式会社オーエスと共同で発売した、フレキシブル型アモルファス太陽電池を使用した初のスプリングローラー巻取り型モバイルソーラーユニットについて説明を伺いました。

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