プレスツアー(報告)

一覧に戻る

実施日 : 2023年04月05日 - 06日

報告:「宮崎プレスツアー ~地方を変える 若い世代の力~」

投稿日 : 2023年05月15日

食料自給率全国1位、農業算出額全国4位を誇る宮崎県は、20234月の「G7農業大臣会合」の開催地となりました。本ツアーでは、ロボットトラクターなどを活用して農家の高齢化で生じる労働力不足という課題の解決を目指す企業や、「有機農業の町」として持続可能な農業に町ぐるみで取り組む綾町の農家、新たな特産品や商品開発に奮闘するUターン就農をした農家などを取材しました。また、かつて新婚旅行のメッカとしてにぎわった宮崎の観光名所「青島」に再び活気を取り戻そうと尽力した青島神社の宮司や、再開発を手掛けた企業の担当者らにも話を聞きました。

 

本ツアーには、中国、英国、米国、フランスのメディアから6名の記者が参加しました。

 

※本ツアーはG7宮崎農業大臣会合協力推進協議会が主催し、フォーリン・プレスセンターが企画・運営しました。

※取材先の詳細については、こちらのプレスツアー案内をご覧ください。

 


 

【1日目】

綾・早川農苑

記者たちは、有機農業の町として知られる綾町を訪れ、奥誠司さんが2代目代表を務める綾・早川農苑を取材しました。農苑で栽培された有機ニンジンのジュースを試飲した後、奥代表から農苑の理念や自慢の有機野菜について説明を聞きました。質疑応答では、同農苑で有機農業を始めたきっかけや国内外からのインターン受入れの取り組みについて質問し、若手スタッフらに対しては、農業に挑戦しようと思ったきっかけなどについて質問を投げかけていました。


   




合同会社香月ワインズ

記者たちは、100%国産のオーガニックワインを生産している合同会社香月ワインズの代表・香月克公さんから、農薬を使用しないワインづくりの道のりや、ブドウ品種の多様性に価値を置き、楽しんでワインを作るという香月さんの理念について説明を受けた後、ブドウ畑を視察しました。記者たちは、同社のワインの購入者層、ワインづくりに適さない土地において直面した困難について関心を示していました。また、若い従業員に対してはワインづくりを学ぼうと思った経緯について質問があがりました。

 

 



横山果樹園

記者たちは、横山果樹園の代表・横山洋一さんの案内で、マンゴーのビニールハウスを視察し、同果樹園のマンゴーの栽培方法について説明を受けました。記者たちは、高額であるにもかかわらず日本の消費者に人気を博している理由などについて関心を示しており、果実がたわわに実っている様子を熱心に撮影していました。その後、アボカドのビニールハウスに移動し、アボカド生産にかかるコストや利益率、行政からの助成などについて質問しました。最後にマンゴーを試食し、そのおいしさに驚いていました。

 

 

 


 

株式会社落合酒造場

記者たちは、株式会社落合酒造場の杜氏・落合良平さんの案内で、焼酎用の芋の加工機械や海外向け主力商品であるジンジャー焼酎の製造工程を視察しました。記者たちは杜氏による焼酎の製造方法や同社の歴史などの説明を受けながら、熱心に工場内を撮影していました。質疑応答は、焼酎の試飲をしながら行われ、今後の海外進出にかける展望や、若者の飲酒量の減少に対する考えなどについて質問があがりました。

 

 

 


 

【2日目】

イシハラフーズ株式会社

記者たちは、ロボットトラクターを活用するなど「スマート農業」に取り組むイシハラフーズ株式会社を取材しました。代表を務める石原祥子さんから、東日本大震災の被災地で復興支援をしていた際に、福祉としての雇用の重要性を再認識して家業を継いだ経緯や、自社開発したアプリを活用し各畑の生育状況や作業状況を可視化するDXの取り組みなどについて話を聞きました。また、記者たちは同社に併設されている残留農薬検査センターを視察した後農場に移動し、トラクターがほうれん草を収穫する様子を熱心に写真に収めていました。

 

 

 


 

株式会社ひなたいちご園

記者たちは、Uターン就農した株式会社ひなたいちご園の代表取締役である長友一平さんを取材しました。長友さんから、同農園のイチゴの栽培方法の特徴やイチゴジャムなどの加工品の製法などについて説明を受けるとともに、ベトナム出身の技能実習生の方を交えて、海外でのイチゴ栽培の普及など、今後の展望について話を聞きました。記者たちは、同農園のイチゴの海外輸出や栽培コスト、台風による水害対策や労働者の作業負担を軽減できる高設栽培などに関心を示していました。その後ビニールハウスで新鮮なイチゴを試食した記者たちは、そのおいしさに驚いていました。


   




青島神社AOSHIMA BEACH VILLAGE

記者たちは、青島神社の20代目の宮司である長友安隆さんから、青島の歴史や神社の成り立ちについての説明を受けながら境内を散策しました。記者たちは熱帯植物が生い茂る青島のユニークな地形や、観光客が激減した背景とその後の青島活性化への取り組みについての興味深い説明に熱心に耳を傾けていました。

 

 

 

青島神社での取材を終えた記者たちは、青島の一等地で、廃業した観光ホテル跡地の再開発プロジェクトとして注目を集める「AOSHIMA BEACH VILLAGE」を訪れました。再開発に携わったNOT A HOTEL株式会社の担当者らの案内を受け、別荘とホテルを兼ねた高級リゾート施設やBBQ場やプール、そして新たに建設中のトレーラーハウスなどを視察しました。記者たちは、スマートフォンで電化製品の操作を行うことができる最新設備を備えた客室や、所有者が利用しない時にはホテルとして貸出すという独自のビジネスモデルに特に関心を寄せており、各区画の購入者層などについても質問をしていました。

 

 

 

 

 

G7宮崎農業大臣会合協力推進協議会ブリーフィング、河野俊嗣知事インタビュー>

記者たちは、G7宮崎農業大臣会合協力推進協議会事務局担当者から農業大臣会合に関するブリーフィングを受けた後、河野俊嗣知事から宮崎県の温暖な気候を生かしたスポーツの振興、恵まれた食文化、多様な歴史的遺産を含む豊かな観光資源など、宮崎県が誇る魅力について話を聞きました。質疑応答では、今回の農業大臣会合を開催するメリットや目指すべきゴール、他のG7参加国に期待すること、農業人口が減少する中での若者や外国人労働者の農業への参画などについて多くの質問があがりました。

 

 


◆本プレスツアーに関連する報道の一部をご紹介します(タイトルはFPCJ仮訳)。

ARAB NEWS(サウジアラビア)
4月7日 「Ishihara Foods brings high tech to Miyazaki farms」(イシハラフーズ、宮崎の農場にハイテク技術を導入)
https://www.arabnews.jp/en/japan/article_93263/

4月7日 「Miyazaki coming alive with an innovative younger generation」(革新的な若い世代で活気づく宮崎)
https://www.arabnews.jp/en/features/article_93321/

 

UCA News(フランス)
4月14日「Japan is reshaping agriculture with technology」(日本はテクノロジーで農業を改革している)
https://www.ucanews.com/news/japan-is-reshaping-agriculture-with-technology/100984

 

東南網(中国)
4月19日 「日本宫崎旅游胜地“青岛”再次焕发活力」(日本の宮崎の観光名所「青島」が再び活性化)
http://overseas.fjsen.com/wap/2023-04/19/content_31297672.htm?page=pad&from=singlemessage&isappinstalled=0

 

4月20日 「年轻农户带动“有机农业”——日本宫崎县农业新发展」(若手農家が牽引する「有機農業」~宮崎県農業の新展開~)
http://overseas.fjsen.com/wap/2023-04/20/content_31298424.htm?page=pad&from=singlemessage&isappinstalled=0

 

 

 

 

 

 

FPCJとは
取材協力
取材に役立つ情報
活動の記録
外国への情報発信