実施日 : 2023年02月07日 - 08日
報告:広島プレスツアー
投稿日 : 2023年03月20日
2023年5月、広島県でG7サミットが開催されます。県内には独自技術を持つオンリーワン企業や、全国的・世界的に高いシェアを持つ企業が数多く立地しており、そこには平和を希求する「ヒロシマの心」や、「伝統」と「革新」が息づいています。本ツアーでは、「メイド・イン・広島」ブランドの温故創新のものづくりを取材しました。
本ツアーには、ドイツ、フランス、トルコ、ベトナム、韓国、中国、香港、台湾のメディアから10名の記者が参加しました。
※本ツアーは広島サミット県民会議が主催し、フォーリン・プレスセンターが企画・運営しました。
※取材先の詳細については、こちらのプレスツアー案内をご覧ください。
【1日目】
スピングルカンパニーは、「バルカナイズ製法」を採用した高品質なスニーカーが人気の靴メーカーで、広島に寄贈された千羽鶴を再利用した糸を使ったスニーカーも販売しています。靴の生産現場を視察した後、商品企画部の国原直生氏から、同社の歴史と革新、環境や平和への取り組みについて話を聞きました。記者からは、欧州での販売、折り鶴再生スニーカーの企画の背景やバルカナイズ製法の耐久性などについて質問があがりました。その後スニーカーを試着し、職人の手によって実現している履き心地の良さを実際に体験しました。
<カイハラ株式会社>
エドウィンやリーバイス、ユニクロなど、世界のブランドにデニム生地を供給する「カイハラ」。貝原護社長の案内で本社工場を視察し、ロープ染色機による染色の現場を視察した後、世界のデニムメーカーへ成長したカイハラの歩みと現在、製造するデニム生地の特徴について話を聞きました。その後、貝原社長への個別インタビューを各社が実施。記者からは、若い世代の職人の育成、外国籍の社員の比率、国内シェアなどについて質問があがりました。
精密鋳造部品メーカーのキャステムは、技術者の自由な発想を大切にするユニークなものづくりで知られ、国内の製造業の現場が働き手の確保に苦しむなか、応募者が殺到しています。新規事業本部・アイアンファクトリーの田村晃宏 営業係長から、金属製「禎子の折り鶴」などの事業や商品の説明を受けました。その後、戸田拓夫社長から、創立からの歩み、アイデアを原動力にしたものづくりへの挑戦、女性活躍の推進などについて話を聞きました。記者からは、人材が集まる理由や会社をどのようにして変革したかなどについて質問があがりました。
【2日目】
地球温暖化の原因とされるCO₂を回収して、さまざまな製品や燃料に再利用する、夢の技術「カーボンリサイクル」。広島県の大崎上島にある、その最先端の研究拠点を訪れました。取材冒頭、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と石炭フロンティア機構(JCOAL)から、日本のエネルギー政策や、実証研究拠点の概要について説明を受けました。その後、各実証施設を訪れ、広島大学から、水素とCO₂から化粧品や健康食品などの原料となる脂質を生産する技術開発について、日本微細藻類技術協会(IMAT)から、CO₂で微細藻類を培養し、バイオジェット燃料を製造する研究について、そして東海国立大学機構から、大気圧プラズマを利用してCO₂を分解し、燃料や薬品などの原料に活用する研究について説明を受けました。
今田酒造本店社長・杜氏の今田美穂氏から伝統と革新の酒造りについて話を聞き、醸造蔵を視察、サタケの新技術を取り入れた新時代の醸造酒「富久長(ふくちょう)八反草 サタケシリーズ GENKEI・HENPEI」を試飲しました。記者からは、良い酒と悪い酒の見分け方、若い世代の酒離れ、広島の日本酒の特色などについて質問があがりました。
<株式会社サタケ>
サタケは、世界150か国に精米機を輸出する、世界トップメーカーです。新型精米プラント「MILSTA」や、穀物や食品などを選別機や加工機でテスト処理する「選別加工総合センター」を視察するとともに、サタケが2018年に開発した扁平精米(「真吟」)技術について説明を受けました。記者からは、MILSTAの自動化、日本酒の雑味のもととなるタンパク質、家庭用精米機などについて質問があがりました。
◆本プレスツアーに関連する報道の一部をご紹介します(タイトルはFPCJ仮訳)
Germany Trade and Invest(ドイツ)
2月16日「ファッション業界はより持続可能性を重視」
Wirtschaftswoche(ドイツ)
2月20日「紙飛行機がIPOを阻む理由」
2月21日「日本の経営者はいかにして卓越性を追求し、それを達成するのか?」
韓国経済新聞(韓国)
2月18日 「着物作りからジーンズ生産...世界制覇した広島の強豪企業」
Vietnam Television(ベトナム)
2月15日「制作における3D技術の可能性」
台湾テレビ(台湾)
2月13日「日本製キャンバススニーカー「加硫」高温窯焼 TTV Newsが工場に潜入調査」
2月21日「日本、2050年までに海藻からゼロエミッションの「新エネルギー」生産を目指す」
點新聞(香港)
2月15日「原爆後の広島はどうなっているのか? ジャーナリストたちが現地を訪ねる」
東南網(中国)
2月13日「独自の創造性と精密鋳造技術を持つ工業メーカー、日本のキャステム」
2月13日「日本酒の新たな可能性を切り開いた女性醸造家、今田美穂さん」
2月14日「世界最高水準の精米技術で、日本酒の世界にイノベーションを起こす」
Medi1 Radio(モロッコ)
3月26日「日本企業の "メイド・イン・広島"」