プレス・ブリーフィング(報告)

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実施日 : 2014年07月02日

報告(プレス・ブリーフィング):「日本経済の現状と展望」(2014年7月2日)

投稿日 : 2014年07月08日

6月24日に日本政府が「経済財政運営の基本方針」(骨太のIMG_0011方針)、「日本再興戦略改訂」、「規制改革実施計画」を閣議決定した機を捉え、FPCJでは、経済財政諮問会議の民間議員を務められている高橋進・株式会社日本総合研究所理事長をお招きし、アベノミクスと日本経済再生の現状と展望についてお話し頂きました。ブリーフィングには、中国、ドイツ、イタリア、英国、米国のメディアの記者12名、駐日大使館員15名を含む計32名が参加しました。

 

冒頭、高橋理事長は、景気の現状に関する民間のエコノミストらの見方を紹介。消費税率引き上げの反動は想定の範囲内であり、景気回復の流れに影響が出ることはないとの認識が大方であると述べました。また、過去20年間に渡るデフレで日本の供給力は低下しており、最大の問題は労働力不足、人材不足であると指摘。潜在成長率を引き上げるため、女性、高齢者、非正規の若者を活用するとともに、生産性を引き上げる努力が必要だと述べました。当面の経済運営の課題としては、1)消費税率の8%への引き上げによる影響の見極め、2)消費税率の10%への引き上げの判断、3)景気好循環の持続メカニズムの確立、4)賃金の持続的上昇の実現、5)財政健全化への取り組みを挙げました。

 

閣議決定された「日本再興戦略改訂」については、昨年発表された「日本再興戦略」で残された課題を取り上げたことが最大のポイントであると指摘。女性の活躍促進、働き方改革と外国からの人材の受け入れ、医療・介護分野、農林水産業分野の規制改革、法人税引き下げなどにおいて一定の方針が示された点を高く評価しました。

 

最後に、高橋理事長は、日本の中長期的発展に向けた課題として人口問題に言及。生産年齢人口を下げ止まらせる程度に出生率を回復することは非常に高い目標であるとした上で、来年に向けて政府がどのような少子化対策を打ち出すかが大きなポイントになると述べたほか、70歳まで働ける環境作りも大切だと指摘。政権が安定した今、足元の景気回復に留まらずに日本経済の再生に手を打っていけるかが「日本再生の鍵」になると述べて、スピーチを締め括りました。

 

質疑応答では、日本の生産性が低い要因や、日本が「デフレ・マインド」を未だ克服できていない背景などに話題が及びました。

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