ウォッチ・ジャパン・なう

一覧に戻る

【戦後70年企画 紙が戦争で果たした役割】 明治大学 キャンパスツアー (5月29日(金))

投稿日 : 2015年05月18日

DSC_5983

明治大学は1881年に明治法律学校として創立。東京を中心とした4つのキャンパスに42,000人余りが学び、10学部、大学院12研究科、法科大学院、そして3つの専門職大学院を有する、わが国屈指の総合大学です。「質実剛健」「新しい知の創造」「時代の要請」に応える人材の育成に努め、50万人を超える卒業生は各界の中枢で活躍し、わが国の発展に大きく貢献してきました。

 

今回は、緑豊かな多摩丘陵の高台にある、明治大学生田キャンパスを訪ねます。この広大なキャンパスでは理工学部、農学部の学生と大学院生が学んでいるのに加え、2010年に設立された、「明治大学平和教育登戸研究所資料館」を活用して、大学と地域社会が連携した歴史教育・平和教育・科学教育の発信の場として戦争の裏面にある事実を伝えています。

 

DSC_6246

 明治大学生田キャンパスは、1937年に開設された旧第九陸軍技術研究所(通称:登戸研究所)の敷地内にあります。登戸研究所は、旧日本陸軍が「秘密戦」(防諜・諜報・謀略・宣伝)のための兵器や資材を研究するために設置した研究所で、全国から集められた優秀な技術者や研究者を含めて1000人以上の人が働いていましたが、その存在は一般には秘密にされていました。

1945年の終戦で、登戸研究所関連施設は、関係書類などの証拠隠滅作業が徹底的に行われ、研究所で働いていた人たちが口を閉ざしていたことから、何が行われてきたか隠され続けてきました。

 

1980年代に元所員たちが長野県と神奈川県川崎市の高校生たちとの交流をとおして自らの戦争体験を話始めました。そして、高校生や市民との活動をとおして歴史の継承をしていきたい、との思いが生まれ、明治大学に資料館設置を要望し、「明治大学平和教育登戸研究所資料館」として実を結びました。

 

DSC_6555

本ツアーでは、登戸研究所で開発を行っていた2種類の秘密戦兵器、「風船爆弾」と「偽札」に焦点を当てて取材をします。風船爆弾は、和紙をコンニャク糊で貼り合せた直径10mの水素気球で、昨年ユネスコ無形文化遺産に登録された埼玉県小川町で作られている「細川紙」をはじめ、全国の和紙産地で生産されました。アメリカ本土を直接攻撃するために開発された風船爆弾は、1944年11月から翌年4月の間に約9300発が放たれ、1000発以上が目標の北米大陸に到達したとされています。また、中国経済の攪乱を目的に1939年に参謀本部によって命じられた中国蒋介石政権の紙 幣(法幣)の偽造には、紙漉き・透かし・印刷技術が用いられました。1940年代当時の額面で40億円分も大量生産された偽造紙幣は、製紙会社の協力を得て完成しました。

 

戦争が終わって70年。戦争の裏面を語り継ぐツアー当日には、登戸研究所で働いていた元所員の方々へのインタビューや平和教育を学ぶ学生との意見交換も予定しています。ぜひご参加ください!

 

【実施要領】

■実施日:2015年5月29日(金)

■集合時間及び場所:午前8時15分 小田急線 向ヶ丘遊園駅北口

小田急バス「明治大学正門」行に乗車し、明治大学生田キャンパスへ移動します。

 

■プログラム:

09:00~10:00

山田朗 明治大学平和教育登戸研究所資料館長 (文学部教授) ブリーフ

資料館の概要説明、第二次大戦中の登戸研究所の役割などについてお話を伺います。

 

10:00~11:50

山田先生のご案内による、明治大学構内に残る登戸研究所史跡めぐり、資料館視察。

 

12:00~13:00

昼食懇談会 

三木一郎 明治大学学務担当常勤理事・理工学部教授 ご挨拶

明治大学関係者、平和教育関連の授業受講生または元受講生、留学生との懇談会

 

13:00~13:45

元登戸研究所所員インタビュー。

 

13:45 終了

 

◆参加資格:  外務省発行外国記者登録証保持者

◆参加費用:  無料(但し、現地までの交通費は各自負担)

◆募集人数:  15名

*申し込み人数が15名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。

 ◆申込要領

ご所属、お名前、記者証番号、有効期限、電話番号、eメールアドレスをeメールでお知らせ下さい。
*宛先:sc@fpcjpn.or.jp
*Eメールの件名は「【明治大学ツアー (5月29日)】としてください。

◆FPCJ担当:小泉、深澤(TEL: 03-3501-5251)

◆備考:

(1)写真・TV撮影に関しては担当者の指示に従ってください。        

(2)FPCJはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。

 

【FPCJより参考情報】

FPCJでは別途、6月2日に「和紙プレスツアー(仮)」の実施を計画しています。同ツアーでは、「風船爆弾」に使われた和紙をすいていた元職人や風船爆弾の歴史に詳しい研究者へのインタビューも検討していますので、併せて参加をご検討下さい。ツアーの案内は5月18日(月)以降リリース予定です。

FPCJとは
取材協力
取材に役立つ情報
活動の記録
外国への情報発信