プレスツアー(案内)

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実施日 : 2006年03月06日 - 07日

山梨プレスツアー

投稿日 : 2013年08月23日

世界に挑む日本ワイン+田中泯の農とダンスの里

 

国産ワインが人気を集めている。これまで「日本の葡萄栽培は海外にはかなわない」といわれ、フランス産などの輸入ワインに人気を奪われてきたが、作り手の地道な努力や新たな取り組みが実を結び、味や香りも向上、国際的な評価も得るようになってきた。国産ワインブームの震源地が山梨県。1300年近く前から、日本固有の葡萄品種「甲州」を栽培し、明治以降の日本のワイン産業をリードしてきた。同県の葡萄生産量は53400トン(2004年)と全国1位で、国内生産量の4分の1を超えている。またワインを中心とする果実酒の生産量も183億円(2002年出荷額ベース)で全国トップ。ツアーでは30を越すワイナリーがある県内ワイン生産の中心地、勝沼町(甲州市)で存在感を示す地場ワイナリーを訪ね、個性ある経営者が生み出す個性あるワイン作りの現場を取材する。また、山梨の代表的な地場産業である宝飾産業にも焦点を当て、ワインと宝飾を結びつけたワインジュエリーといった新たな取り組みについても取材する。
 また山梨の山間部は、自らを「地を這う前衛」と称する世界的舞踏家、田中泯氏が農とダンスに取り組んでいる場所でもある。山の生活や労働が伝統芸能といった表現の根源にあるとし、そこで農業を営みながら生活することで「自分で踊りを見つけていく」作業を続けている。さらに田中氏は、空洞化が進む甲府市中心街の空き倉庫を利用した劇場プロジェクトにも参画するなど、心の通った芸術を生み出す場の創造に熱意を注ぐ。田中氏をその活動拠点に訪ね、なぜ山梨の地で活動を続けるのか、「自然と農業を通じた踊りの学習」とは何かについて取材する。

 

取材内容

 

 

1.中央葡萄酒(三沢茂計社長)

 

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「『甲州』の個性を引き出し日本を代表するワインとして世界に訴えたい」という勝沼の地場ワイナリーの代表的な存在。フランスのボルドー大学教授の指導の下、日本固有の葡萄品種「甲州」を使って世界に通用するワイン作りを目指すプロジェクトの第一弾として昨年秋に仕込まれた白ワインが昨年、世界で最も影響力のあるワイン評論家、ロバート・M・パーカー・ジュニア氏から87-88点(100点満点)との高い評価を得た。今回のワインは「KOSHU2004」の銘柄で米国にも2000本出荷、今年は3万本の受注が入っている。欧米での和食ブームの高まりに呼応して、和食に合う国産ワインへの期待も膨らんでいる。これを弾みにKOSHUの名を世界に広めることができるか、これからが正念場だ。また、同ワイナリーでは、ワイン作りに適した葡萄を自らの手で栽培すべく農業生産法人を設立、日本一日照時間が長い県北部の明野町に8ヘクタールの葡萄畑を新設、隣接するワイナリーでは初めてのビン詰め作業が2月下旬から始まる。さらに同ワイナリーでは今秋から、山梨に活動拠点を置く世界的舞踏家、田中泯氏とのコラボレーションで、昔]ながらの「足踏み製法」による作り手の心のこもったワイン作りにも挑む予定だ。

 

2.勝沼醸造(有賀雄二社長)

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構造改革特区を活用した葡萄栽培やワインを担保とした借り入れなど、先駆的な取り組みで注目を集める。三代目の有賀雄二社長は、「ワインの質は原料の葡萄で決まる。ワイナリーが自分で葡萄を栽培できないのはおかしい」と公言してきた。2003年、ワイナリーが葡萄畑を借りて自ら葡萄を栽培できるようにする「ワイン産業振興特区」の認定を山梨県が受けたのを機に、

 

同社は約1ヘクタールの農地で自ら葡萄栽培を始めた。日本固有の「甲州」

 

種にこだわりながらも、生食用の余りものの葡萄を使ってきた従来のワイン作りに強い疑問を持ち、ワインにとって最高の葡萄を自らの手で作り「甲州で世界の人を驚かせたい」と意気込む。果汁を凍結させて成分を凝縮するといった技術面での努力を重ねる一方資金調達面でも工夫を見せる。2005年7月には、ワインが熟成する間の運転資金として、銀行からワインを担保に2000万円の融資を受けた他、一般市民からも一口100万円で預託金を集め、利息として小売価格7万円分のワインを提供するという、個人投資家向けの資

 

金調達にも乗り出した。2003年のフランスの国際ワインコンテストでの銀賞受賞を弾みに、世界品質を目指した取り組みは続く。

 

3.ぶどう寺 大善寺

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718年、僧行基が勝沼を訪れた時、夢の中に、右手に葡萄の房を持った薬師如来が現れた。行基は、早速夢の中に現れた姿と同じ薬師如来像を刻んで安置した。また、行基は薬園を作って民衆を救い、法薬の葡萄の作り方を村人に教えたのが、甲州葡萄の始まりだといわれる。薬師如来像を本尊とし「ぶどう寺」として知られる大善寺を訪問、国宝の薬師堂などを視察する。

 

4.田中泯

 

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世界的に著名な舞踏家、田中泯氏は1985年、自然と農業を通して踊りの学習をするため山梨県白州町(現北杜市)に身体気象農場を開設した。その後97年に、閉ざされた斜面ばかりの山村である敷島町(現甲斐市)での新たな活動拠点づくりに着手。地元の住民から借り受けた廃屋同然の民家5軒は現在修復・復元が完了し、集会場や居住施設、舞踊に関するビデオライブラリー、トレーニングハウスなどに姿を変えた。荒廃していた畑ではお茶やジャガイモなどが栽培され、烏骨鶏の飼育用の小屋も整備されている。田中氏は、本村と呼ばれるこの地で1年の約半分を過ごし、日本古来の伝統芸能の中にある踊りや世界の民族舞踊など世界の踊りの資料収集場を考えた「舞踊資源研究所」、敷島町と白州町に住むことに決めた仲間たちと田中泯氏とで結成された「桃花村舞踊団」、そして敷島町の地形と環境を生かした農業を目指す「農業組合法人桃花村」という三つの活動を展開している。「重力を感じることのできる山の斜面の暮らし」を求めて敷島町に移り住み、山里の自然の中で農業を営みながらダンスを追及する“地を這う前衛”田中氏の活動に迫る。

 

5.桜座

 

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空洞化が進む甲府市の中心商店街のガラス工場だった空きビルを利用して、新たな表現や創造の空間として今年6月にオープンした。街の空洞化に歯止めをかけようと設立されたNPO法人「街づくり文化フォーラム」が運営にあたり、田中泯氏がプロジェクトリーダーを務める。桜座の名は、1930年まで実際に甲府に存在した芝居小屋「櫻座」から取った。東京中心、また「ハコモノ」中心の芸術振興へのアンチテーゼとしてむき出しの鉄骨や砂利地面のままでスタート。パフォーマーと観客が自ら作り出す空間で、世界的なアーティストから地元出身の芸術家まで幅広い公演が行われている。

 

6.宝飾の町 甲府

 

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山梨県の県庁所在地、甲府は全国の三分の一の宝飾品を出荷する「宝飾の町」。太古の昔から水晶の産地として知られていた山梨では、江戸時代後期には本格的な水晶工芸が興り、伝統的な職人技が今も生きている。宝飾品の売り上げは、バブル崩壊後は激減しているが、新たな試みで逆境に立ち向かう人たちもいる。
甲府市郊外、周囲の景観に配慮した美術館のような建物が立ち並び、“日本で一番美しい工業団地”といわれる「アリア・ディ・フィレンツェ」には宝飾やファッション関係の企業が集まる。その中で代表的な宝飾企業が「石友(いしとも)」。1972年創業と業界では最後発ながら、問屋主導による零細加工業者の分業という宝飾業界の伝統に背を向け、原石の買い付けから、製造、販売まで一貫体制を確立した。従業員56名の平均年齢も27歳と若い職人が目立つ。最近では、ワインと宝飾を結びつけ、水晶を使ったワインオープナーなど「ワインジュエリー」と呼ばれる分野にも意欲的に取り組んでいる。

 

 

実施要領

 

 

1. 日程(予定): 2006年3月6日(月)~7日(火)(1泊2日)移動は貸し切りバス

 

[第1日目]
7:45 日本プレスセンタービル発
10:00 勝沼着
10:00-10:30 大善寺
10:45-11:00 鳥居平より勝沼全景視察
11:15-12:00 昼食
12:15-13:45 勝沼醸造
14:00-15:00 中央葡萄酒(勝沼町)
15:45-17:15 中央葡萄酒ミサワワイナリー(明野町)
18:00 ホテル着(甲府富士屋ホテル泊)

 

 

[第2日目]
9:00 ホテル発
9:30-12:00 本村(田中泯氏)
12:30-13:00 桜座
13:15-14:00 昼食
14:30-15:15 甲府の宝飾産業およびアリア・ディ・フィレンツェについてのブリーフィング
15:15-16:15 石友
16:30 甲府発
19:00 日本プレスセンタービル着

 

2. 参加資格: 在京外国報道関係者(外務省外国記者登録証保持者)

 

3.参加費用: 一人12,000円
(移動交通費(バス)、宿泊費、食費(夕食を除く)を含む)

 

4.募集人数: 先着順10名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)

 

5.参加申込: FPCホームページ「メディア・アシスタンス」の「プレスツアー情報・申込」ページ ,
>> Link より直接お申し込み下さい。(申込フォームへはユーザー名:fpcj、パスワード:membersでアクセスできます。)
又は、下記申込書を記入の上、FAXでお送り下さい。

 

6.FPC担当: 矢野、 膳(かしわで)(Tel:03-3501-5070) 
7.備考: (1)原則として写真・TV撮影の制限はありませんが、担当者の指示に従って下さい。 (2)FPCはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。

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