実施日 : 2012年03月21日
案内:横浜市プレスツアー~地域に根ざしたソーシャルビジネスの取組~(2012年3月21日)
投稿日 : 2013年08月22日
社会構造の変化により、地域社会の課題も多様化している。特に、横浜市は、人口370万人の日本第二の都市として、工業地帯、農業地域、商業地域、住宅地といった様々なエリアを擁しており、抱える課題も多様である。そのような地域社会の課題を、ビジネスの手法を用いて解決するソーシャルビジネス(SB)が今注目を集めている。
横浜市では、自治体としては早期から、SBに対する支援に取り組んできた。発足4年目を迎える「横浜社会起業応援プロジェクト」では、新たなSB起業家を育てるための「横浜社会起業塾」を開催しているほか、起業家同士の交流の場を提供し、ビジネスマッチングを後押ししている。
2011年3月に開所した、SBの起業家のインキュベーション拠点である「関内フューチャーセンター」では、起業家の交流の仕組みづくりやソーシャルビジネス起業家の養成塾の開設など、新たなSB支援にも取り組んでいる。
本ツアーでは、開所1年を迎える「関内フューチャーセンター」を訪れ、横浜市のSB支援体制と民間のSB支援体制を、また、実例として、若者就労支援を行うK2インターナショナルと街づくりを行うコトラボ合同会社を訪問する。
※横浜市ホームページ: http://www.city.yokohama.lg.jp/front/welcome.html
※本プレスツアーは横浜市が主催し、フォーリン・プレスセンターが企画協力しています。
【取材内容】
1.起業家への拠点提供:「関内フューチャーセンター」
関内フューチャーセンターは、社会起業家とクリエーターを支援するとともに、起業家等のネットワークを形成することにより、地域の活性化を図る事を目的とし、2011年3月に横浜市中区北仲通に開所した。企業や自治体などで設置している様々なフューチャーセンター(※)があるが、関内フューチャーセンターは、ソーシャルに視点を向けた国内初のフューチャーセンターとして運営されている。共有オフィス(コワーキング・スペース)やワークショップスタジオを持ち、入居者間でビジネスが生まれるきっかけをつくるイベントや情報発信なども行っている。
本ツアーでは、関内フューチャーセンターを訪れ、実際に入居するSB事業者や、同センターを運営する関内イノベーションイニシアティブ取締役の治田友香氏にインタビューを行う。
※フューチャーセンター:個人、企業、政府、自治体などの組織が中長期的な課題の解決を目指し、様々な関係者を幅広く集め、対話を通じて新たなアイディアや問題の解決手段を見つけ出し、相互協力のもとで実践する施設のこと。
2.若者就労支援:「K2インターナショナルグループ」
~様々な生きづらさを抱える若者たちと共に生きていく~
K2インターナショナルグループは、1989年から社会に馴染みにくい若者たちの自立を支援し、共に生きる場を作る活動を開始した横浜を代表するSB団体の1つである。 現在は、市内を中心に複数の活動拠点を持ち、行政からの委託や補助事業も取り入れ、事業性のあるものと公共的なサポートを組み合わせて取組んでいる。
社会参加が難しい若者を対象とした合宿型の就労体験プログラム(よこはま型若者自立塾(JOB CAMP)の開催や、彼らの就労の場として、250円でランチが食べられる食堂や、お好み焼き店などの運営も行っている。2011年2月には、当食堂の一角に引きこもりやニートなど困難を抱える若者を支援する全国初の24時間無料相談窓口と緊急避難シェルターを開設した。また、3・11の震災の後には、被災地・宮城県石巻市で一戸建て住宅を購入し、そこを拠点に、若者自立就労支援プロジェクトとして、がれき処理や炊き出しなど被災地支援を行っている。
本ツアーでは、実際の就労の場である上記の食堂を訪れ、支援を受ける若者や、就労支援などのレストランの立ち上げにも携わってきた統括コーディネーターの岩本真実氏にインタビューする。
3.街づくり:「コトラボ合同会社」
~地域の資源を活用し、新しい人の流れやイメージを創り出す~
日雇い労働者の街として栄えた横浜寿町では、現在、住民の高齢化が進み、人口の9割が生活保護を受給している。また、過去の悪い地域イメージによる偏見や、孤独死の多発、社会復帰への意識の低下など、今後日本各地で起こりうる問題が集積した地域となっている。
こうした中、コトラボ合同会社は、簡易宿泊所の空き部屋という地域資源を活用して旅行者用の宿“ヨコハマホステルヴィレッジ”を運営することにより、新しい人の流れと産業を創り出し、地域住民のやり甲斐、生き甲斐をサポートする「仕組み」や「体制」を構築、民間資金のみで事業を行っている。昨年からは、慶應義塾大学と連携して、学生達がキャンバスの外で学ぶ場として、NPOの活動に関わる授業を行ったり、NTTドコモが行っている地域事業に同地域の住民の雇用機会を見出すことで彼らの社会復帰への後押しを行うなど、人の意欲向上から、具体的な居場所づくりまで地域を越えた「ネットワーク」と「フィールド」を模索している。
また、海外でも共通した社会問題に取り組む企業とネットワークを組み、連携してより良く持続的な解決策を共有している。
本ツアーでは、“ヨコハマホステルヴィレッジ”を訪れ、SB事業者の中間支援機関の一員としても活動しているコトラボ合同会社代表の岡部友彦氏にインタビューを行う。
【実施要領】
1.日程: 2012年3月21日(水)
スケジュール
12:40 みなとみらい線馬車道駅改札口 集合
13:00-14:00 関内フューチャーセンター
―横浜市SB支援体制説明、フューチャーセンター概要説明、質疑応答、施設 見学、インタビュー
(借り上げバスで移動)
14:20-15:20 K2インターナショナル
―概要説明、質疑応答、施設見学、インタビュー
(借り上げバスで移動)
15:40-16:40 コトラボ合同会社
―概要説明、質疑応答、施設見学、インタビュー
(終了後、現地解散)
2.参加資格:外務省発行外国記者登録証保持者
3.募集人数:ツアー先着順10名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)
4.参加費:無料
5.FPCJ担当:石川、矢野 (Tel: 03-3501-3405)
6.備考:
(1)写真・TV撮影は原則自由ですが、一部制限がある場合もあります。その場合は、担当者の指示に従ってください。
(2)横浜市及び当センターはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。