プレスツアー(案内)

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実施日 : 2010年09月08日

案内:仙台プレスツアー(2010年9月8日)

投稿日 : 2013年08月22日

クリエイティブな地場産業で「仙台圏」から世界へ発信を~
国際的な創造都市を目指して

 

仙台市の新たな動きとして注目されるクリエイティブ産業振興は、仙台市だけでなく、国を上げての事業として期待されており、今年4月には、経済産業省による「文化産業大国戦略」が発表され、「クール・ジャパン」と呼ばれるアニメ、ゲーム、ファッション等の輸出拡大を目指す考えだ。宮城県でも、県発のオリジナルアニメの制作アニメキャラクターを使った商品開発きっかけに、地域を盛り上げようと自治体と企業が積極的に取り組んでいる。本ツアーでは、行政の取り組みや地元クリエイター、企業等の取材を通して、仙台圏から日本そして世界へ、仙台の個性・魅力を発信していく様子を取材する。

 

写真: ©CAPCOM/TEAM BASARA

 

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東北地方唯一の政令指定都市であり、東北経済圏の中心地として発展を続ける仙台市。一方で、大企業の支店に経済を支えられている「支店経済都市」としての性格も有する等、地場産業の育成が課題となっていた。そこで同市では、「仙台圏」における自立的経済圏を生み出そうと、「学都仙台」としての強みを生かし、産官学連携の新たな産業の創出と人材育成に力を入れてきた。日本が抱える超高齢化時代の到来に備え、高齢者の自立した生活の実現を目標に進められている「仙台フィンランド健康福祉センター」での健康福祉産業、また、MEMS(微小電気機械システム)分野でも東北大学を中核に実績を上げている。さらに近年では、東北地方への自動車産業の集積が進んでおり、県境を越えた連携も強化され、「仙台圏」からの産官学連携の研究施設やプロジェクトも進行するなど、明るい話題も豊富だ。

 

そんな仙台市の新たな動きとして注目を集めるのが、芸術・文化を触媒とした創造的なクリエイティブ産業である。2006年の仙台市における全産業に占めるクリエイティブ産業の割合は、東京、福岡に次いで第3位(対全産業の6%)であり、特に音楽、建築、映画・映像等に特化している。「楽都仙台」としても知られ、ボランティアによる「市民力」を生かした音楽・文化芸術イベントも盛んな街である。創造的な産業の創出を図ることで、「仙台圏」および東北発のクリエイティブ産業の人材育成や地域ブランドの構築、街の活性化を目指し、新たな取り組みやプロジェクトが進行している。

 

2007年には、クリエイティブ産業のクラスター形成を目的に、産官学連携による「仙台クリエイティブ・クラスター・コンソーシアム」が設立され、今年2月には、デザイン、建築、映像、ファッションなどのクリエイティブ関連企業の集積地として注目を集める仙台市卸町に、地元クリエイターたちのシェア・オフィス「TRUNK」が開設された。また、行政主導としての珍しい試みとしては、写真やソフトウエア、ゲーム、服飾デザイン等のクリエイティブ産業に携わるデザイナーやイラストレーターたちの情報を一堂に集めたポータルサイト「クリエイティブ・アンソロジー仙台」を開設。業界団体などに属さず、小規模事業者も多いクリエイターたちを「固まりとして見せる」ことで、企業からの発注につなげるのが狙いだ。

 

クリエイティブ産業振興は、仙台市だけでなく、国を上げての事業として期待されており、今年4月には、経済産業省による「文化産業大国戦略」が発表され、「クール・ジャパン」と呼ばれるアニメ、ゲーム、ファッション等の輸出拡大を目指す考えだ。宮城県でも、県発のオリジナルアニメの制作やアニメキャラクターを使った商品開発きっかけに、地域を盛り上げようと自治体と企業が積極的に取り組んでいる。

 

本ツアーでは、行政の取り組みや地元クリエイター、企業等の取材を通して、仙台圏から日本そして世界へ、仙台の個性・魅力を発信していく様子を探る。

 

 

*このプレスツアーは、財団法人フォーリン・プレスセンターが経費を負担し、一部仙台市の支援を得て実施するものです。参加者には経費の一部を負担して頂いていますが、収益を得る事業ではありません。

 

 

取材先

■宮城県におけるアニメ産業振興

http://www.pref.miyagi.jp/jyoho-i/

http://www.pref.miyagi.jp/jyoho-i/goods.html

仙台市が誇る武将、伊達政宗が主人公の一人であるテレビゲーム「戦国BASARA」。2009年にはテレビアニメ化され、「歴女」という歴史好きの女性を指す造語が生まれる等、若い女性の間での戦国ブームのきっかけとなった作品。日本各地では、ゆかりの地を訪れる観光客が増加し、キャラクターの関連商品の売り上げもかなり好調だ。

 

写真: ©宮城県・旭プロダクション

2009年2月には、アニメを活用した販売促進セミナーを県が主催し、地元企業と同アニメの制作会社とのコラボレーション商品の拡充による地域・観光振興の活性化に取り組んでいる。セミナーの効果もあってか、ビール、笹かまぼこ、お米等の食品のみならず、宮城の伝統工芸品「玉虫塗」を使った「戦国BASARA玉虫塗絵はがき」等ラインナップも豊富で、2009年4月~12月の売り上げは総額1億円にまで達した。今回の試みは、新しいコンテンツ産業と 地場産業の融合を狙ったもので、今年7月には「戦国BASARA 弐」の放送が始まり、さらなる地域振興が期待される。

 

また、同県は東北地域のコンテンツ産業の拠点を目指すべく、宮城・仙台 アニメーショングランプリを開催している。アニメ産業集積については、今年4月に「機動戦士ガンダム」シリーズなどの実績を持つ東京の「旭プロダクション」の誘致に成功し、白石市にスタジオが開設された。県内にはアニメ関係の学部や学科を備える大学・専門学校が8校もあるにもかかわらず、制作会社がないことから、地元で育てた優秀な人材が首都圏へ流出しており、アニメ制作の拠点施設を作ることで人材流出を防ぎ、地域振興を図るのが目的。県発のアニメを発信しようと企画された同県の観光推進キャラクター「むすび丸」のアニメ化は白石市のスタジオで行われ、制作陣のほとんどが県内のクリエイターで、今後さらに若者の雇用を創出していく狙い
ツアーでは、県関係者からアニメ産業振興についての話を聞く。

 

■東北工芸製作所

http://www.t-kogei.co.jp/index.html

玉虫塗は、1932年に国立工芸指導において創意工夫し特許を得たのが始まりで、その後、東北工芸製作所が実施権を得て製作している。銀粉を前面に塗り、特殊な技法にて仕上げを行うことにより、独特の深く美しい照り返しが特徴。玉虫の羽根に似た豊麗な色調と光沢を有することから「玉虫塗」の名前が生まれた。東北工芸製作所は、商工省工芸指導所と東北帝国大学金属材料研究所とが協力して1933年に仙台市に創設。1939年に玉虫塗りの特許の使用権を取得して以来、仙台を代表する工芸品として玉虫塗りの製品を作製しており、1949年にはマッカーサー元帥夫人も来店されるなど、アメリカ軍の駐留兵が帰国時のお土産として購入する等、戦後の輸出漆器の中心を担っていた。

 

伝統工芸独特の古典的な絵柄が多いためか、顧客も大半は50~60代ということで、若い人の漆器離れをどう食い止めるかが課題になっていたところ、県主催のアニメの活用による販売戦略セミナーに参加し、若者に圧倒的人気を誇る「戦国BASARA」の絵はがきの作成に踏み切った。昨年7月の発売から3カ月で1万枚を超えるなど、玉虫塗の知名度アップにも貢献しているという。

 

取材当日は、アニメ関連商品を手がけるに至った経緯や玉虫塗についての話を聞くとともに、工房の見学を通して玉虫塗が作られる過程を取材する。

 

■「海馬ガラス工房」

http://www.kaiba.org/

1996年に秋保町に工房を設立したガラス作家村山耕二氏の工房「仙台クリエイティブクラスター・コンソーシアム」(クリエイターやクリエイティブ企業のサポートを行い、仙台にクリエイティブ産業のクラスターを形成し、都市・社会の課題をクリエイティブ・アプローチにより解決することを目的として活動する産学連携組織)のH22年サポート・プロジェクトとして仙台市内を流れる広瀬川の砂を使った仙台ガラスの量産化を目指す「仙台ガラス・プロジェクト」が進行中。「また、世界で初めてモロッコのサハラ砂漠の砂を使い、オリジナル技法で「サハラガラス」を発表。ガラスの制作や原料を取り巻く環境の再考も含めた「環境工芸」という考え方のもとに、サハラガラスの制作に取り組んでおり、作品はモロッコ王国王室へも献上された

 

サハラ砂漠に行った際、アーティストとして何ができるかを考え、砂漠の砂を使ってガラス工芸品を作ることを思いついたという。将来的には、砂漠地域でのビジネスモデルとして観光産業に結びつけ、世界に47カ所ある砂漠地帯に一つずつでも工房ができればと話す。 

 

 

■鐘景閣(昼食会場)

http://www.shoukeikaku.jp/

1905年に建てられた旧伊達家の邸宅。1947年に昭和天皇の東北巡幸の宿泊所となり、一時知事公館として利用されていた。1983年に、現在地に移築・復元され、1997年には、天皇・皇后両陛下が、第48回全国植樹祭の休憩所として使われた。仙台市指定有形文化財でもあり、市民の貴重な財産となっている。

 

■TRUNK|CREATIVE OFFICE SHARING(トランク・クリエイティブ・オフィス・シェアリング)

http://www.trunk-cos.com/

仙台市からクリエイティビティとテクノロジー、アートのコラボレーションによる新しいビジネスモデル、ライフスタイルを生み出していくことを目的として、3年前までビジネスホテルであった建物を改装し、2010年2月に開設されたシェア・オフィスWEBクリエイターやアーティスト、建築家などが、各々の知識や技術を持ち寄り、よりよい地域社会の実現を目指すプロジェクト創出の支援施設で、現在32人が入居している。

 

5月13日には、英国マンチェスターで開催されているメディアアート分野では世界有数のイベント「Future Everything」の関連イベント「GloNet」が開かれた「GloNet」は、マンチェスター、仙台、サンパウロ、バンクーバー、イスタンブールの世界5都市をインターネット中継で繋いだ国際イベントで、仙台がデザイン、映像、音楽などのクリエイティブ産業が盛んな土地であることから、開催地の1つに選ばれたものである。

 

仙台市のクリエイティブ産業振興への取り組みについては、ポータルサイト「クリエイティブ・アンソロジー仙台」が今年4月に立ちあげられ、現在約140組のクリエイターが登録している。各クリエイターに関心を持った一般企業が事業者と個別に連絡を取り合い、ビジネスが進められる仕組みになっている。今後は登録者数を今年度末までに300組まで増やしたいと意気込み、近く海外に売り込むための英語版サイトも開設する予定。

 

ツアー当日は、仙台市のクリエイティブ産業振興策のブリーフィングおよびTRUNKに入居しているクリエイターやアーティストを取材する。
[b]*取材内容が一部変更になる可能性があります。

 

■せんだいメディアテーク

http://www.smt.city.sendai.jp/

2001年1月に仙台市都心部の定禅寺通りに開館した複合文化施設。美術や映像文化の活動拠点であり、文化・芸術の発信地として周辺にはアート関連の店や民間企業も多い。仙台の祭りやイベントが多数開催される場所に立地しており、年間100万人を超える利用者で賑わうとともに、街の発展にも大いに貢献している。

 

また、世界的な建築家の伊東豊雄氏の代表作として評価も高く、6枚の床(プレート)と、揺れる海草のような形状の13本のチューブと呼ばれる鉄骨独立シャフトのみの壁のない単純な構造によって、地下2階、地上7階の空間のすべてが作られている。これは「柱」によって建てられる旧来の日本家屋と建築思想が同じであるが、梁はなく、造船技術を用いて、気仙沼(世界三大漁場の1つである三陸海岸沖の主要な港の1つ)の職人が床や天井を造った。このような構造とデザインの優秀さばかりでなく、「先端、ノード(節点)、バリアフリー」を理念とする先進的運営理念もあいまって、建築関係者をはじめとして海外からの観光客も多いのも特徴。初代館長は、奥山仙台市長が市長就任前に務めた

 

■奥山恵美子・仙台市長による記者会見

http://www.city.sendai.jp/mayor/profile.html

http://www.city.sendai.jp/keizai/kokusai/apec-jp/index.html

1951年、秋田県秋田市生まれ。東北大学経済学部卒業後の1975年に仙台市役所に就職。女性企画課長、せんだいメディアテーク館長、市民局次長、教育長などを歴任後、2007年に仙台市副市長に就任、2009年の仙台市長選で初当選し全国初の女性政令指定都市市長となった。

 

仙台市は、「学都仙台」として知られており、市内には10の大学と7万人以上の学生を擁し、人口に対する学生比率が、政令市等の中では京都市、東京23区、福岡市に次いで4番目、また、人口に対する大学院生比率も京都市に次いで2番目に高い。東北大学を始めとし、世界レベルの研究開発機関は、新産業の振興や企業誘致にも貢献しており、日本の学術を支える重要な都市の1つとなっている。

 

また、「楽都仙台」としても知られ、音楽・文化芸術イベントも1年を通して盛んに行われており、2001年から3年ごとに開かれる仙台国際音楽コンクールは今年で4回目を迎えた。

 

また、9月には「2010年日本APEC第3回高級実務者会合」が開催されることが決まっており、4月には、奥山市長が会長となり「2010年APEC仙台開催支援協議会」が発足。地元関係機関と連携しながら、仙台そして宮城のさまざまな魅力発信に取り組むなど、次第に歓迎機運が高まってきている。

 

ツアーでは、初代館長を務めたせんだいメディアテークにて奥山市長から話を聞く。

 

実施要項

 

1.日程案

 

2010年9月8日(水)
07:36 東京駅発(はやて3)
09:17 仙台着
09:30-10:00 県によるアニメ・コンテンツ産業振興についてのブリーフィング(移動車内にて)
10:00-11:00 東北工芸製作所工房取材
11:30-12:45 海馬ガラス工房取材
13:15-14:00 昼食(鐘景閣にて)
14:30-16:00 仙台市におけるクリエイティブ産業振興策の紹介@TRUNK
(仙台市産業振興課によるブリーフ・質疑応答、入居企業への取材)
16:30-17:00 せんだいメディアテーク取材
17:00-17:15 市長のプレゼンテーション
17:15-18:00 質疑応答
18:47 仙台発(MAXやまびこ128)
20:56 東京着

 

2.参加資格: 外務省発行外国記者登録証保持者

 

3.参加費用: 1人5,000円(全行程交通費、食事を含む)
*お支払い方法、キャンセル料等は、後程参加者にご連絡します。

 

4.募集人数: 先着順10名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)。
*申し込み人数が10名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。

 

5. FPC担当:矢野・鈴木(Tel: 03-3501-5070)

 

6.備考:
(1) 写真・TV撮影は担当者の指示に従ってください。
(2)FPCはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。

 

 

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