実施日 : 2014年11月07日
案内:横浜プレスツアー「レスキュー隊発祥の地で災害救助の裏側に迫る」
投稿日 : 2014年10月17日
東日本大震災だけでなく、最近では広島土砂災害、御岳山噴火、相次ぐ大型台風の上陸等々、常に自然災害と隣り合わせの日本。
そうした災害の発生後、被災地にすぐさま駆けつけ、行方不明者の捜索や人命救助にあたるのが、ニュース映像でもお馴染みのオレンジの救助服を身にまとったレスキュー隊員たちだ。
日本の消防救助隊は、1964年に横浜市が「横浜レンジャー(YR)」を創設したことに始まる。戦後の開発で都市環境が急速に変化する中、様々な事故で人命救助活動の必要性が増すとの想定のもと、同市は消防隊員を陸上自衛隊の学校に派遣し、過酷なことで知られるレンジャー訓練を受けさせた。
中でも、精鋭部隊である特別高度救助部隊「スーパーレンジャー(SR)」は、特殊車両や特殊機材を駆使し、大規模災害にも対応。その活動範囲は横浜市内に留まらず、東日本大震災では被災地で行方不明者の捜索・救助を行い、福島第一原発事故現場にも派遣されたほか、国際緊急救助隊として海外にも派遣されている。
なお、国連が定める国際救助チームのランク付けでは日本は最高位の「ヘビー級」だ。
本プレスツアーでは、日本で最初に消防救助隊を設置した横浜市を訪問し、救助隊員らの高いレスキュー技術を支える様々な訓練の様子を取材する。さらに、全国に先駆けて「コールトリアージ(トリアージ=重症度・緊急度による患者の選別)」を導入するなど、大規模災害・事故への備えで日本をリードする横浜市の取り組みを取材する。
※本プレスツアーは、横浜市が主催し、フォーリン・プレスセンターが企画協力しています。
※本プレスツアーでは、参加者には経費の一部を負担していただいていますが、営利を目的とした事業ではありません。
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<取材内容>
1.横浜市消防局航空隊/消防ヘリコプター「はまちどり」
「はまちどり1」(イタリア製)「はまちどり2」(フランス製)と呼ばれる2機のヘリコプターを保有する横浜市消防局の航空隊。災害時には、このヘリコプターで現場に飛び、人命救助、救急患者の搬送、消火活動、情報収集などにあたる。1995年の阪神淡路大震災、2004年の新潟中越地震、2011年の東日本大震災、2013年の伊豆大島土砂災害の際など、市外で発生した大規模災害の際にも被災地に飛んだ。2013年に導入された新1号機(はまちどり1)は、従来機に比べてエンジン出力や航続距離が大幅に向上。高いホバリング(空中停止)能力を有し、一度に12人の救出が可能となるなど、最新機の導入により航空隊の人命救助活動能力が大幅に強化された。
◎ツアーでは、横浜市消防局航空隊の活動拠点である横浜ヘリポートを訪問。消防ヘリコプター・はまちどりを使った上空からの救助訓練の様子を視察・撮影した後、パイロットほか消防隊員にインタビューを行う。
※取材時に災害・事故が発生した場合、出場要請により「はまちどり」による訓練の取材はできない可能性があります。
※ツアーで撮影・取材が可能なのは「はまちどり2」(従来機)となります。最新機の「はまちどり1」は年次点検のため整備工場に搬出中です。
2.特別高度救助部隊「スーパーレンジャー(SR)」
~東日本大震災でも活躍した精鋭部隊~
特別高度救助部隊、通称「スーパーレンジャー(SR)」は、NBC災害(Nuclear, Biological, Chemical)などの特殊な災害にも対応し、大規模災害時に総括的な役割を担うための部隊として2008年に誕生した。1964年に日本で初めて発足した救助専門の特別救助隊「横浜レンジャー(YR)」は(※注)、市の消防隊員の中から選び抜かれた精鋭のみで構成されている。その中からさらに選抜された人材で編成されたのがSRで、言わば救助隊のエリート中のエリート。SRは、YRとしての経験を持ち、更に特別な訓練を受けた者しか入隊することができず、各隊員は強靭な肉体と精神力に加え、救助に関する豊富な知識と経験を持つ。2011年3月11日の東日本大震災では、宮城県仙台市で捜索・救助活動を行ったほか、3月22日には福島第一原発3号機への放水のため福島入りもしている。
(※注)自治体として救助部隊を創設したのは横浜市が初めて。このため、同市には全国から多くの救助研修依頼があったという。
◎ツアーでは、冒頭、佐久間栄吉(さくま・えいきち)部隊長より、スーパーレンジャーの概要とその活動(東日本大震災での救助活動も含む)などにつきお話を伺う。その後、SRが取り扱う特殊車両や資機材に加え、中州や瓦礫の中に人が取り残されたことを想定した救助訓練の様子を視察・撮影する。
※取材時に災害・事故が発生した場合、出場要請により特殊車両は取材はできない可能性があります。
3.横浜型救急システム「コールトリアージ」
~緊急度・重症度を迅速に識別し、限りある救急資源を効率的に活用~
最近の日本では、高齢化の進行などによって救急需要が増え続けている。2012年の全国での救急隊の出場件数は約580万件に上り、過去最高を更新。370万人もの人口を抱える横浜市も例外ではなく、2012年の救急隊の出場件数は約17万件で、2002年から2012年までの10年間で約16%増加している。一方で、2002年以前からも救急需要は増加の傾向にあり、当時、このままでは緊急性の高い場合での救急隊の到着が遅れてしまうという懸念から、何かしらの対策が必要でないかと考えられていた。
そういった中、横浜市では、2008年から「横浜型救急システム」の運用を開始した。このシステムの中核をなすのが「コールトリアージ」だ。「トリアージ」とは、災害や事故で多数の傷病者が発生した場合に、現場で誰を優先的に治療・搬送すべきかを判断するものであるが、「コールトリアージ」は、救急要請の通報を受けた時点で、専門知識と技能を持つ指令管制員が、聴取内容をコンピューターに入力することにより、患者の重症度や緊急度を5段階で識別し、必要な部隊を選別できるものだ。緊急度・重症度が低いと判断された場合には、必要最小限の部隊で対応。緊急度・重症度が高い場合には、救急隊のほか救命活動隊や消防隊も出場し、傷病者への接触を早めている。
このシステムの導入により、横浜市では、緊急度・重症度の高い事案に対する現場到着が全体平均よりも1分近く早くなったという。
◎ツアーでは、横浜市の消防指令センターを訪問し、横浜型救急システム「コールトリアージ」について概要説明を聞いた後、司令管制員が実際にシステムを運用している現場を視察する。
4.緑消防署
~24時間出場に備える消防隊員たちの活動拠点~
今年8月に新庁舎が開庁した緑消防署(横浜市緑区)。 執務室、寝室、厨房、浴室などに加え、救助訓練設備も完備されており、消防隊員らは24時間体制で出場に備えるとともに、消防訓練や救助訓練、筋力トレーニング等を行い、技術と体力の向上に日々取り組んでいる。出場指令が出ると、隊員らはわずか1分間で防火服を着装し、消防車で出場する。
消防局によれば、こうした日頃の技術的な訓練に加え、「地域に密着した防災指導や事業所に対する消防設備の指導、定期的な査察のほか、一般市民で構成される消防団との連携など、日本ならではのきめ細やかな防災の取組みが、安全・安心な社会を作り出している」という。
◎ツアーでは、消防隊員の活動拠点となっている緑消防署内を視察するとともに、消防隊員による出場演習の様子を取材する。
<実施要領>
1.日程: 2014年11月7日(金)
9:40 市大医学部駅(横浜シーサイドライン)集合
9:40-10:00 バス移動
10:00-11:00 横浜市消防局航空隊/消防ヘリコプターはまちどり
11:00-12:15 バス移動及び昼食(車中)
12:15-13:45 特別高度救助部隊(スーパーレンジャー)
13:45-14:30 バス移動
14:30-15:30 横浜型救急システム「コールトリアージ」
15:30-16:15 バス移動
16:15-17:00 緑消防署
17:10 現地解散(最寄り駅:JR中山駅)
(※上記は仮日程です。若干の変更が生じる可能性があります。)
2.参加資格: 外務省発行外国記者登録証保持者
3.参加費用: 1人1,500円(昼食代を含む)
*お支払い方法、キャンセル料等は、後日参加者にご連絡します。
4.募集人数: 10名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)。
*申し込み人数が10名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。
5. FPCJ担当:石川、於保(TEL: 03-3501-3405)
6.備考:
(1)写真・TV撮影に関しては担当者の指示に従ってください。
(2)FPCJおよび横浜市はツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。