実施日 : 2014年07月28日
案内:プレスツアー「高度防災都市・東京」
投稿日 : 2014年07月10日
プレスツアー「高度防災都市・東京」
<実施:2014年7月28日(月)>
2020年夏季五輪の開催都市に決まった東京。大会準備と並行して、会場となる臨海部から都心部にかけての開発が急ピッチで進む。一方、政府の地震調査委員会が「首都直下を含む南関東のどこかでM7級の地震が起きる確率は30年以内で70%」と予測したほか、夏場には異常気象による都心部での浸水被害が相次ぐなど、震災・水害に耐えうる高度な防災都市づくりが急務となっている。
舛添要一東京都知事は、6月10日の所信表明演説で、「防災対策こそ(自身が目標として掲げる)『世界一の東京』を支える礎」とし、年内に策定予定の包括的な「防災プラン(仮称)」で、「オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年までの目標と具体的な道筋を明らかにしていく」と表明。民間企業と協力して帰宅困難者対策をはじめとする防災対策に連携して取り組むほか、風水害、巨大地震などを踏まえた住民参加の防災訓練を、季節ごとに年4回実施することなどを語った。
本プレスツアーでは、2020年のオリンピック・イヤーに向け、「世界一安全安心な都市」を目指す東京都の高度防災都市づくりを取材する。具体的には、夏場に頻発する水害から東京を守る巨大な地下調節池、津波・高潮から臨海部を守る高潮対策センター、東京都と民間企業がタッグを組んだ「逃げ込めるまち」づくりの事例として、先月開業した虎ノ門ヒルズの防災対策を取材する。
※本プレスツアーは、東京都が主催し、フォーリン・プレスセンターが企画協力しています。
※本プレスツアーでは、参加者には経費の一部を負担していただいていますが、営利を目的とした事業ではありません。
*************************************************************************************************
<取材内容>
1. 神田川・環状七号線地下調節池(善福寺川取水施設)
~ゲリラ豪雨から東京を守る地下の巨大トンネル~
近年、世界中の大都市で発生の傾向が見られる都市型洪水。台風や集中豪雨で一気に河川や下水道が氾濫し、密集する住宅地や地下に水が流れ込む。東京も、夏場になると毎年のように頻繁にゲリラ豪雨に襲われ、道路の冠水、住宅浸水などの被害が生じている。こうした大雨の際に、洪水による水害の発生を未然に防ぐ役割を果たすのが地下調節池だ(写真右:出典・東京都)。
「神田川・環状七号線地下調節池」は、約20年の年月をかけて都が建設した。大雨で一定以上の水位に達した川の水を、延長4.5km、内径12.5mの巨大なトンネルに流し込み、水位が下がった後、溜めた水を川に戻す。最大で54万立方メートルの水を溜めることが可能だ。神田川流域はかつて頻繁に水害に見舞われていたが、都の建設局によれば、「この調節池が完成したことで、浸水家屋が激減した」という。東京都は、麻布十番駅周辺などでも同様の地下調節池を建設中。完成すれば、住宅、オフィスビル、店舗、地下鉄などが密集する都心部での水害を大幅に軽減するものとして期待がかかる。
◎ツアーでは、冒頭、東京都総合防災部情報統括課長より、都の防災対策の概要につき説明を受ける。その後、建設局より、地下調節池の概要や仕組み、実績(水害対策としての効果)などについて説明を受け、地下43mにある調節池を視察する。
2.高潮対策センター
~津波・高潮から臨海部を守る司令塔~
2020年のオリンピック会場となる東京の臨海部。東京都港湾局では、このエリアに防潮堤のほか、19の水門、4つの排水機場、35の陸こうを設置して、内陸部が浸水しないように防災対策を整えている。これらの施設の操作を統括するのが江東区辰巳にある高潮対策センターだ。高潮・津波が予測されると、高潮対策センターの指令により、遠隔操作で水門を閉鎖する(震度5弱以上の地震が発生した際には、センターからの指示がなくても全水門を直ちに閉鎖する)。停電時には非常用発電が作動し、非常用発電が作動しなければ蓄電池が作動、それも作動しない場合は、職員が即座に現場に駆けつけ、手動で水門を閉める。今後は、危機管理体制の更なる強化を図るため、都は高潮対策センターを2拠点化する予定だ。これにより、一方が被災によって機能不全になっても、もう一つの拠点から遠隔操作が可能になる。同センター所長は、「(臨海部の開発が急ピッチで進んでいることから)守るべきものがどんどん増えている」と、使命感をのぞかせる。
◎ツアーでは、高潮対策センターを訪れ、同センター所長より、臨海部の防災体制、及び水害対策におけるセンターの役割につき説明を受ける。また、船に乗船し、開発が進みビルが立ち並ぶ臨海部を守る水門や防潮堤などの各施設を海から撮影する。
3.虎ノ門ヒルズ
~帰宅困難者3600人収容!官民一体となった「逃げ込める街」づくり~
東京五輪の際、選手村と都心部を結ぶ大動脈となる環状2号線(環二通り)。都は、このエリアの大規模な再開発事業を進めており、今年の3月には新橋~虎ノ門間の地下トンネルが開通。同区間の地上部は「新虎通り」と呼ばれ、「パリのシャンゼリゼ通りに匹敵する国際色豊かなプロムナード」にすべく、整備を進めて行く計画だ。また、この区間は、都が外国企業誘致を推進する「アジアヘッドクウォーター特区」にも位置しており、交通・観光のみならず、ビジネスの観点からも最重要拠点となる。
この都心部の要地に、先月11日、地上52階建て、高さ247mの超高層複合タワー「虎ノ門ヒルズ」が誕生した。運営するのは都の再開発事業において「特定建築者」に認定されている森ビル株式会社。「災害に強い街づくり」において東京都と共同歩調をとる同社は、災害発生時にもテナント各社が世界市場を相手にビジネスを継続できるよう、BCP対策(事業継続計画)を徹底。虎ノ門ヒルズに高い耐震機能を持たせるとともに、非常用発電設備を導入し、電力会社からの電力供給が途絶えた場合に備え、二重、三重のバックアップ体制を整えている。
さらに、帰宅困難者対策においても、森ビルは都と足並みを揃える。東日本大震災の際、約352万人もの帰宅困難者が発生した経験から、都は、2012年に「帰宅困難者対策条例」を制定。都内の各事業者に、従業員の一斉帰宅の抑制と、3日分の水・食料の備蓄を努力義務として課しているが、虎ノ門ヒルズでは、ビル低層階のスペースを利用して、テナントの従業員以外にも約3600人の帰宅困難者を受け入れることが可能だ。さらに、震災用井戸や、備蓄倉庫も備えるなど、ビル全体が防災シェルターの役割を果たす。
◎ツアーでは、先月開業したばかりの虎ノ門ヒルズを訪問。同ビルの帰宅困難者対策、BCP対策などにつき説明を受けた後、ビル内の防災設備を視察する。
<実施要領>
1.日程: 2014年7月28日(月)
09:40 日本プレスセンタービル発(借り上げバス)
10:10 善福寺川取水施設着
10:15-10:45 東京都ブリーフィング「高度防災都市づくり」
10:45-12:15 神田川・環状七号線地下調節池視察
12:15-13:00 移動(車中にて昼食)
13:00-13:45 高潮対策センター
13:45-14:45 水害対策施設視察・撮影
15:30-17:00 虎ノ門ヒルズ
(※上記は仮日程です。若干の変更が生じる可能性があります。)
2.参加資格: 外務省発行外国記者登録証保持者
3.参加費用: 1人2,000円(全行程交通費、昼食代を含む)
*お支払い方法、キャンセル料等は、後日参加者にご連絡します。
4.募集人数: 10名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)。
*申し込み人数が10名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。
5. FPCJ担当:石川(TEL: 03-3501-3405)
6.備考:
(1)写真・TV撮影に関しては担当者の指示に従ってください。
(2)FPCJおよび東京都はツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。