プレスツアー(案内)

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実施日 : 2023年03月24日 - 25日

広島プレスツアー

投稿日 : 2023年03月06日

 


 テーマ:This is HIROSHIMA. 世界を惹きつける「オンリーワン」「広島発祥」


 

 2023年5月のG7サミット開催地である広島には、長い歴史の中で受け継がれ、育まれたオンリーワンや日本一、広島発祥といった「これぞ広島」というべきものが数多くあり、日本、そして世界中の人々を惹きつけている。時として戦争や被爆といった困難を乗り越えながら、長く先人たちが築いてきた伝統や資源が、現代でも大切に受け継がれ、新たな発展を見せつつ、その魅力が国内外へ精力的に発信されているのだ。

 政府の新たな「輸出重点品目」にも指定された錦鯉の生産が盛んな広島には、海外の品評会でも数々のグランドチャンピオンを生み出す養鯉場がある。戦後復興にかける被爆地広島の人々を元気づけたお好み焼きは、その土地にある多様な具材が利用可能なレシピの柔軟さから“Borderless Food”として海外にも広まっている。広島の温暖な気候と自然の力が生んだ芳醇な香りの国産レモンは生産量日本一。Iターンで島に移住し、レモン栽培をはじめ、今や加工・販売までの6次産業化を行う農家は全国にファンを急拡大中。同じく生産量日本一なのが牡蠣で、日本で唯一の塩田製法を採用するファームが育む大粒で濃厚な牡蠣は、世界各国から引き合いが絶えない。戦後途絶の危機にあった広島神楽は独自の変化を遂げ、外国人観光客に大人気のコンテンツに成長。伝統文化の代表格である戦国時代発祥の武家茶道も新たな価値を生み出しながら、世界中の人々の心に確実に届いている。

 

 本ツアーでは広島県を訪れ、広島の伝統芸能・歴史、食などを取材する。困難を乗り越え先人が築き上げてきた広島の伝統や資源を継承し、時代の変化に合わせた新しい価値や魅力を創造し、世界と未来へ繋いでいく人々に話を聞く。



【取材内容】

 

株式会社小西養鯉場(広島市)

 ~世界中で愛され、平和を象徴する錦鯉~

 日本伝統の「泳ぐ宝石」と評される錦鯉は、約200年前(江戸時代後期)に食用として飼育されていた真鯉から、突然変異によって生まれたとされる。環境への順応性が高く丈夫で、観賞魚の中で最も飼いやすい魚といわれ、世界でも人気高い。農林水産省は2022年12月より、およそ30品目の「輸出重点品目」に、新たに錦鯉を追加。日本生まれの芸術作品として、世界市場への進出がますます期待されている。また錦鯉は、気軽に水槽で飼い始められることも大きな魅力で、人に懐き、争いを好まない温和な性格であることから、「平和の象徴」として親しまれている。

 原産地の新潟に次いで錦鯉の生産が盛んなのが広島で、「東の新潟」「西の広島」として世界各国からバイヤーが訪れる。別名「鯉城」と呼ばれる広島城の内堀では、平和都市・広島を彩るように錦鯉が優雅に泳ぐ様子が楽しめるが、この鯉を寄贈したのが、1919年創業の小西養鯉場だ。100年を超える同社の歴史の中で、これまで海外の品評会でグランドチャンピオンを輩出するなど優秀な成績を収めてきた。一般的には高価なイメージのある錦鯉だが、同社の鯉は1匹500円から購入でき、体長10センチから1メートル(胴回りは90cm)を超えるものまでバラエティに富む。3代目・小西氏は、その魅力を広めたいと錦鯉の振興に力を注ぐ。日本で生産される錦鯉の8割は輸出用で、同社でも売上の9割が海外向け。アジア圏では香港・台湾をはじめとして、シンガポール、マレーシア、フィリピン、ベトナム等、ヨーロッパでは特にドイツで人気が高いという。同社は今後、インドや中東、アフリカへの輸出も目指している。

 

 代表取締役の小西丈治(こにし じょうじ)氏より、錦鯉の歴史や特長、海外への輸出状況、広島とのかかわり等について話を聞くと共に、錦鯉を視察・撮影する。

 

 

 

2.OKOSTA(オコスタ)(広島市)

 ~広島のソウルフード「広島お好み焼き」体験~

 広島お好み焼きは、小麦粉の生地を薄くのばし、キャベツや豚肉、焼きそば、薄く焼いた卵などを重ねて焼く“重ね焼き”が大きな特徴だ。人口10万人あたりのお好み焼の店舗数は約41軒と、広島県が断トツで全国一位を誇る。広島お好み焼きの発祥は、戦前、子どもたちに人気を博していた、水に溶いた小麦粉を薄く焼いてウスターソースをかけた「一銭洋食(いっせんようしょく)」とされている。戦後は空腹をしのぐ食べ物として、おやつ「一銭洋食」から食事「お好み焼き」に発展し、広島の復興を支えた。

 広島駅近くのOKOSTAは、美味しく焼けるコツをインストラクターから直接教わりながら楽しめる、お好み焼き調理体験スタジオだ。ベジタリアンやハラルにも対応したお好み焼きも作ることができ、海外からの観光客も多い。OKOSTAを運営するオタフクソース株式会社は、1922年創業、2022年に100周年を迎えた広島の老舗企業だ。主力商品はお好み焼きに特化したソースである「お好みソース」。ヴィーガンや食物アレルギー、糖類、塩分などに配慮したり、世界の多様な食習慣に合わせたりしたソースも開発し、今では55以上の国・地域で販売されている。

 

 オタフクソース株式会社の担当者より、広島お好み焼きの特長や広島の復興を支えた歴史について話を聞く。レクチャーを受けながら各自でお好み焼き作りに挑戦し、昼食として楽しむ。


 

【画像提供:オタフクソース株式会社】

 

 

上田流和風堂 広島市

 ~バンカーとプロダンサーが挑む武家茶道の新たなカタチ

 上田宗箇流は、広島藩の家老だった上田家に伝わる武家茶道の流派。上田宗箇(うえだ そうこ)は、豊臣秀吉に仕えた戦国武将で、千利休や古田織部(ふるた おりべ)(戦国時代の武将で茶人、千利休の弟子)から茶を学び、宗箇自身の価値観を形とした武家茶道を作り上げた。「鯉城」広島城の城主・浅野家に仕え、現代でも愛される大名庭園「縮景園(しゅっけいえん)」を作庭するなど、広島の文化の発展に深く関わっている。上田宗箇流の特徴として、男女で茶道の点前に異なる部分があることや、一刀を差していた名残で帛紗(ふくさ)を右の腰に付けること等が挙げられる。門下は広島を本拠に、中国地方、関西、関東、ドイツ、フランス、オーストラリア、アメリカに在住している。

 16代目家元・上田宗冏(うえだ そうけい)氏は、1975年に広島銀行を退職した後、江戸時代は広島城内にあった上田家の茶寮を、現在の和風堂の敷地内に忠実に復元するなど、上田流の復興に尽力した。さらに、アメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、オランダ、ベルギー、ハンガリー、中国、ロシア等で茶の湯の講演や披露を行っている。

 次期家元となる若宗匠(わかそうしょう)・上田宗篁 (うえだ そうこう)氏は、高校2年の時にダンスに出会い、17歳からストリートダンスを始め、後にワークショップやショーケースで海外や日本各地に呼ばれるなど、ヒップホップのプロダンサーとして活躍した。その後、悩みながらも上田流を継ぐことを決意し、広島に帰郷し茶道の世界へ。世界各国で点前を披露するほか、和風堂特別公開、新商品の開発やオンラインを使った持続可能な文化活動の企画実施など、精力的に活動している。

 

 上田宗箇流の次期家元となる若宗匠・上田宗篁氏より、上田宗箇流の歴史と広島との関わり、継承への想いなどについて聞く

 

  

 

【画像提供:上田流和風堂】

 

 

広島神楽 広島市)

 ~老若男女が楽しめる伝統芸能~

 神楽は、収穫されたコメを自然の神様に捧げ感謝する儀式として、日本各地で行われている。中でも「広島神楽」は、豪華絢爛な衣装をまとった激しい舞や、一瞬で姫が鬼に化ける「早変わり」のような演出など、他の地域では見られない高い演劇性・芸術性・娯楽性を持つ。神楽公演は毎回多くの人で賑わっており、広島の観光資源としても国内外から注目されている。

 戦後間もない1945年、GHQより神楽禁止令が出たが、神楽の途絶を危惧した安芸高田市の佐々木順三(ささき じゅんぞう)氏がどうにか神楽を残そうと、神話の要素を無くし、能や歌舞伎の物語を取り入れた新しい神楽を創作したことで、占領軍の許可を得た。1965年には、戦前に舞っていた演目が「旧舞」、戦後に新しく作られた舞は「新舞」として区分され、日本の歴史が楽しめる民俗芸能として受け継がれていった。その後、新しい舞台効果を取り入れるなど「田舎の娯楽」というイメージを払拭し、舞台芸能として進化させた神楽が国内外から大きな支持を受け、現在も「広島神楽」として親しまれている。

 

 桑田天使神楽団(くわたてんしかぐらだん)の松田祐生(まつだ ゆうき)団長より、広島神楽について話を聞く。その後、演目「八岐大蛇(やまたのおろち)」を鑑賞・撮影する。

 

【画像提供:桑田天使神楽団】

 

 

株式会社ファームスズキ 大崎上島町

 ~日本唯一の塩田熟成牡蠣~

 広島県は、牡蠣の生産量日本一。瀬戸内海の離島・大崎上島(おおさきかみじま)にある同社は、日本で唯一、塩田跡の池での牡蠣養殖を行っている。

 日照時間が長く気候が温暖な瀬戸内海沿岸では、昔から塩製造が盛んだった。同社の養殖池もその一つで、江戸時代(1,800年代)には天日を利用し塩が製造されていた。1955年頃からは、車海老の養殖が盛んに行われたが、バブル崩壊後の価格暴落などで廃業し、一時は産業廃棄物の埋め立て計画もあったという。

 鈴木隆(すずき たかし)社長は、水産大学校を卒業し、水産商社へ就職した後、2008年に牡蠣などの海産物の輸出会社を始めた。グローバルに販売できる牡蠣の養殖を目指して候補地を探していたところ、2011年にこの池に出会った。きれいな海水が流れ込み、穏やかな風景が織りなす環境のすばらしさに感動した同氏。牡蠣のエサとなる植物プランクトンが豊富で、養殖に向いていると判断し、2015年に同社を設立。試行錯誤の末に開発した日本唯一の「塩田熟成牡蠣・クレールオイスター」は、広島県の全生産量の約0.3%しかない希少な高品質牡蠣「広島プレミアムトップ牡蠣」に選ばれている。

 一年のうち数ヶ月間は、池の水を全て抜いて池底の土を耕すなど、池の環境に寄り添い、生き物にとって住みやすく整えることを徹底している。池の生態系を壊さないよう、薬品は一切使用しない。先人が残した貴重な資源である塩田を大切に守るためだ。養殖方法も、伝統のつるして育てる方法ではなく、かごに入れる欧米スタイルを採用するなど、柔軟で新しい発想を取り入れている。現在、年間70万~80万個の牡蠣を生産しており、その7割を輸出用が占める。海外にも積極的に視察に行くなど、高品質の牡蠣を生み出すために伝統にとらわれない様々な挑戦を続けている。

 

 同社の鈴木隆 社長より、塩田池の跡地を活用した牡蠣養殖について話を聞くとともに、養殖場を視察・撮影する。昼食として生牡蠣と車海老を楽しむ。


【画像提供:ファームスズキ】

 

 

岩﨑農園 大崎上島町

 ~Iターン移住者のレモン農園~

 広島県は、国産レモンの生産量日本一。瀬戸内の温暖な気候に恵まれた大崎上島でも、レモン栽培が盛んで、ここで採れるレモンはノーワックスで糖度が高く、香りも良いと好評だ。

 瀬戸内海のほぼ真ん中に位置する大崎上島は、全国から移住者が増えている島の一つ。島でレモン農園を営む岩﨑太郎氏と亜紀氏ご夫妻は、2011年に子ども連れで京都からIターン移住した。農業の経験が全く無い中で、休耕地を活用したハウスレモンや露地レモンの生産を始め、現在では無添加の自家製ジャムなどの製造販売といった6次産業化も行っている。さらに自身の移住経験を活かして、島でレモン農家になることを希望する研修生を毎年受け入れ、現在5人目をサポート中。レモン栽培はもとより、慣れない島の生活に戸惑う研修生に対して、島の人々や他の農家を積極的に紹介するなど、その人柄で移住者と地元の人々を繋ぐ橋渡しの役目を担っている。コロナ禍を機に、自分の生活を見直す中で移住を検討する人や、特に最近では、農家をやりたいと明確な意志を持って島に来る若い世代が増えているという。

 

 岩﨑太郎氏・亜紀氏より、レモン栽培や移住のきっかけ、島での暮らしなどについて話を聞く。※今年は寒波の影響でレモン収穫が早まり、取材時は樹にレモンがなっていないため、農園の視察・撮影ができません、予めご了承ください。


 

【画像提供:岩﨑農園】

 

 

【実施要領】

 

1.日程

2023年3月24日(金)~25日(土)

 

2.スケジュール

【3月24日(金)】

8:20-9:50      羽田空港-広島空港(ANA673)

11:15-12:45    小西養鯉場

13:00-14:30    広島駅 オコスタ(お好み焼き体験、昼食)

15:10-16:40    上田流和風堂

17:30-19:00    せとうち7サミット、夕食交流会(湯﨑広島県知事によるプレゼンテーション、交流あり。

        広島の食をふるまう立食での交流会)

19:15           宿舎着(広島市泊)

 

【3月25日(土)】

8:00            宿舎発

8:30-10:00      広島神楽

12:30-12:55    フェリー移動:竹原港~垂水港

13:15-14:00    昼食(於:ファームスズキ)

14:00-15:30    ファームスズキ

15:45-17:15    岩﨑農園

17:45-18:10    フェリー移動:竹原港~垂水港

20:25-21:40    広島空港-羽田空港(JAL266)

 

3.参加費用

18,000円

(全行程交通費、宿泊費(1泊朝食)、昼食(1、2日目)を含む)

 

4.募集人数

10名(各社ペン又はカメラ1名、TVは1社2名まで)

※定員を超えた場合は主催者側で調整することがあります。

 

5.FPCJ担当

広報戦略課 濵田、取材協力課 林

(Tel: 03-3501-5251、E-mail: sc@fpcjpn.or.jp)

 

6.備考

(1)本ツアーは広島サミット県民会議が主催し、公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)が運営を担当しています。

(2)本ツアーの内容は、予告なく変更になる可能性があります。

(3)参加者には経費の一部を負担していただいていますが、営利を目的とした事業ではありません。

(4)本ツアー中に発生した事故や怪我・病気、トラブル等について、広島サミット県民会議及びFPCJは一切の責任を負いかねます。参加者は個人の判断・責任において、必要に応じ旅行傷害保険等に加入して下さい。

(5)写真・TV撮影に関しては、担当者の指示に従ってください。

(6)ツアーの様子を記録した動画・写真・記事を、広島サミット県民会議やFPCJのホームページやSNS等に掲載することがありますので、予めご了承ください。

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