プレスツアー(案内)

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実施日 : 2012年11月02日 - 03日

案内:石川県プレスツアー(2012年11月2日-3日)

投稿日 : 2013年08月22日

“伝統を未来へ受け継ぐ”
~世界農業遺産・能登の里山と現代的スタイルで蘇る匠の技~

 

江戸時代に城下町として栄えた金沢を中心都市に据える石川県では、日本情緒あふれる街並みや、歴史的文化財、伝統的工芸品が現代まで脈々と受け継がれている。

 

同県では、今、石川の地が生み出した伝統的なモノや風土を、新しいデザイン、スタイルを取り入れることで、未来に受け継いで行こうとする試みが数多くみられる。今年の春には、「九谷焼」の技法を用いたカブトムシのオブジェが、ニューヨーク、パリで相次いで披露された。これは「世界を『WAO!』と言わせる『これからの』日本の工芸」をキーワードに経済産業省が主催した展示会でのこと。5年前、マグニチュード6.9の地震が「輪島塗」の産地・輪島市を襲った際には、復興支援の一環として、世界的ファッション・ブランド「ルイ・ヴィトン」と輪島塗が融合した小物入れが発売され、話題を呼んだ。同震災は、地元産業の再興を目指す職人達の原動力となり、現代的な新しいデザインの輪島塗の作品が数多く誕生している。

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また、2011年に先進国で初めて世界農業遺産(*)に登録された「能登の里山里海」では、「農家民宿の経営」や「エコ・ツーリズム」により、過疎化・高齢化が進む農村に若者を呼び込み、日本の原風景が残る集落を守っていこうとする取り組みが見られる。

 

 

 

※本ツアーでは、農村の原風景が残る能登の限界集落再生に向けた取組みや、現代的なデザイン・スタイルを取り入れた新たな伝統工芸のかたちを提案する職人、若手作家、女性たちの活動に焦点を当て、「昔から受け継がれたものを活かしながら、未来に向けて新しい取り組みを行っていこう」とする石川の人々の姿を取材する。

 

世界農業遺産:国連食糧農業機関(FAO)が2002年に開始したプロジェクト。近代化の中で失われつつある、その土地の環境を生かした伝統的な農業・農法、生物多様性が守られた土地利用、農村文化・農村景観などが一体となって維持されている地域を保全していくことを目的とする。

 

※本プレスツアーは石川県が主催し、フォーリン・プレスセンターが企画協力しています。

 

<取材内容>

 

1.世界農業遺産「能登の里山里海」
http://www.pref.ishikawa.jp/satoyama/noto-giahs/index.html

 

1)春蘭の里
~若者が帰ってくる農村の再生を目指して・限界集落の挑戦~
http://shunran.info/
2011年、世界農業遺産に認定された「能登の里山里海」。全国的に農業の近代化が進む中にあって、この地域には、稲のはざ干しや海女漁、山の斜面を利用した棚田、「揚げ浜式」と呼ばれる製塩法など、日本の伝統的な農業・農法や農村文化・景観が今も受け継がれている。

 

日本の農山漁村は、深刻な高齢化・過疎化の悩みを抱えており、この「能登の里山里海」も例外ではない。美しい農村の原風景が残る能登町では、2010年時点の高齢化率(65歳以上の高齢者の割合)は36.9%、なかでも、最も高齢化率の高い瑞穂・宮地地区では、16の集落のうち5つの集落で高齢者の割合が半数を超えていた。
こうした「限界集落」の危機を克服しようと、1996年に地元の有志7人が「春蘭の里実行委員会」を結成。お金を稼げるしくみを作って、都会から若者を呼びもどしたい---。その思いから、実行委員会事務局長の多田喜一郎氏が中心となって、試行錯誤を重ねた末、多田氏の自宅を改装して「農家民宿」を開業。「一日一客」を基本ポリシーとし、囲炉裏付きの一軒家で、「輪島塗の膳」、「手作りの箸」、「地元産の食材」を使ったこだわりの料理でもてなす。この取り組みが軌道に乗り、現在は、12集落にまたがる地域に30軒の農家民宿が点在し、1度に200人を受け入れられる体制が整う。さらに、きのこ狩り、田植え、魚釣りなど、季節に応じて里山の自然を活かした体験メニューを提案し、数多くの教育旅行の団体を受け入れてきた結果、今年は年間1万人の来訪者を見込むまでになった。今後は、中国・台湾からの旅行客の増加も見越し、実行委員会のメンバーに台湾出身者も採用している。

 

◎本ツアーでは、春蘭の里実行委員会のリーダーである多田喜一郎氏より、集落再生の取り組みにつき説明を受ける。また、能登の里山の恵みである山菜・キノコなどを使った同地域ならではの昼食を頂き、農家民宿を訪問するなど、地元の人々の暮らしを視察する。

 

(2)能登スマート・ドライブ・プロジェクト
~能登の里山里海への観光誘客により、地域の活性化を目指す~
http://www.pref.ishikawa.jp/syoko/notosmartdrive/index.html

 

img507e36f0c9c9d「能登の里山里海」を、環境に優しい自動車で、スマートフォンから提供される情報をもとに巡るという、環境、観光、ITを組み合わせた日本初の試み。石川県やトヨタ自動車などによる共同プロジェクトで、トヨタのプラグインハイブリッド車・プリウスを、空港や駅に観光用レンタカーとして配備し、スマートフォン・アプリ「DriMuch(ドリマッチ)」が能登の観光スポットや立ち寄りポイントを案内する。各観光スポットにはWi-Fiアクセスポイント付充電スタンド「G-Station」が設置され、スマートフォンなどの情報端末を高速通信で活用できる。また、充電の電力は環境に配慮したグリーン電力で賄っている。

 

◎本ツアーでは、春蘭の里の充電スポットにおいて、石川県の担当者にプロジェクト概要につき説明を受けるとともに、充電スタンドやDrimuchの使用法につきデモンストレーションの様子を取材する。また、プリウスに試乗し、能登の里山をドライブする(オプショナル)

 

2.塩安漆器工房・塩安眞一氏
~輪島塗の技術を活かした新しいモノづくりに挑戦し続ける塗師屋の5代目~
www.shioyasu.com

 

創業150年の歴史をもつ塗師屋。5代目の塩安眞一氏は、伝統的な漆器作りの技術を活かした全く新しいモノづくりに挑戦しており、そのうちの一つが輪島塗スピーカー「Something to Touch」。3人の若いエンジニア・デザイナー集団「参 (MILE)」とのコラボレーションにより生まれた同スピーカーは、2006年にグッドデザイン賞を受賞した。2007年3月に輪島を襲った能登半島沖地震の際には、同業者やデザイナーと共に、輪島の産業復興を目指したモノづくりプロジェクト"WAJIMA x Kakitsubata"を発足させ、帽子型のディナープレートなど、モダンなデザインの輪島塗のテーブルウェアを数多く生み出した。受注生産でこれまでに制作した作品の中には、輪島塗のエレキギターなどもある。

 

◎本ツアーでは、実際に輪島塗が制作されている現場をみながら、塩安眞一氏より輪島塗の概要・制作工程につき説明を受けるほか、輪島塗スピーカーSomething to Touchなど塩安氏が手掛けた作品を見ながら、輪島塗を使った新しいモノづくりへの取り組みにつき話をきく。

 

3.彩漆会・大﨑漆器店
~女性の視点を活かし、現代の食生活に合った輪島塗によるテーブルコーディネートを提案~
http://www.osakisyoemon.jp/

 

「漆器をもっと身近なものとして、日常生活の中で使用してもらいたい」。彩漆会は、そんな思いを共有する輪島塗に関わる女性により1999年に結成され、現在6名で活動している。「漆器の最高峰」とも称される輪島塗は、とかく「扱いづらいもの」「お正月など『ハレ』の日だけに使うもの」「和食にだけ使うもの」と思われがち。人々から漆器を遠ざけているこうした誤解を解き、急速に進む漆器離れに歯止めをかけるため、彩漆会のメンバーは、現代の食生活に合った輪島塗の使い方(テーブルコーディネート)を提案したり、漆器の扱い方セミナー、漆器を用いた食事会などを開催している。

 

◎本ツアーでは、江戸末期から続く塗師屋「大﨑漆器店」にて、輪島塗の器を使ってお茶とお菓子を体験し、同漆器店の女将・大﨑悦子さんをはじめとする彩漆会のメンバーから、同会の活動について話をきく。また、伝統的な塗師屋作りの建物である大﨑漆器店内を視察する。

 

4.2012全国伝統的工芸品フェスタin 石川(第29回伝統的工芸品月間国民会議全国大会)
~全国最大級の伝統的工芸品の祭典~
http://www.kougei-ishikawa2012.com/

 

第29回伝統的工芸品月間国民会議全国大会は、日本の伝統的工芸品の更なる普及・推進を図るため、経済産業省等が毎年11月に各地で開催している伝統工芸の一大イベント。今年の開催地に選ばれた石川県では、その関連行事として、11月1日~4日の会期中、金沢市内中心部に日本全国から匠の技が集結して「2012全国伝統的工芸品フェスタin石川」を開催する。とりわけ、今回の石川大会では、「海外に通用する新しい工芸」をキーワードとして、石川の伝統工芸の器と欧州の陶磁器を用いた和洋折衷のテーブルコーディネートを提案する「いしかわ×欧州テーブルコーディネート展」、季節感あふれる石川の和洋菓子を、石川の伝統工芸の器と合わせた「工芸×菓子のコラボレイト展」などが用意されている。

 

◎本ツアーでは、展示会場の一つである旧石川県庁舎「しいのき迎賓館」を訪れ、テーブルコーディネートを監修した食環境プロデューサーの木村ふみ氏の案内で、いしかわ×欧州テーブルコーディネート展及び、工芸×菓子のコラボレイト展を視察する。

 

5.卯辰山工芸工房
~「伝統を守りつつ、新たな創造の担い手を育てる」若手工芸家の研修施設~
http://www.utatsu-craft.gr.jp/

 

京都と並び「工芸王国」とも言われる金沢市の伝統工芸の継承と発展を図るため、1989年11月、金沢市制百周年を記念して開設された。「人材育成」を活動の柱としており、美術大、芸術大などの卒業生を中心に、外国人を含め35歳までの若手の工芸家を研修者として受け入れている。教育方針に掲げるのは、「伝統を踏まえながらも現代の工芸家として創造的なものづくりをする」こと。昨年、石川県で開かれた世界的な食のイベント「Cook it Raw」(*)では、世界のトップシェフ15人の料理と、同工房の研修者が制作した器が「共演」を果たした。

 

*Cook it Raw
http://cookitraw.org
「自然との共生」を考える世界のトップシェフが、開催地の住民と交流しながら、その土地への理解を深め、地域の食材を生かした料理を作るイベント。2009年にデンマークで開かれた第1回を皮切りに、イタリアとフィンランドでも開かれており、石川県での開催で4回目を迎えた。

 

◎本ツアーでは、金沢に伝わる伝統的な技法を継承しつつ、時代の変化に対応しうる工芸家の育成を目指す卯辰山工芸工房を取材する。研修者が実際に作品を制作している現場を視察するほか、Cook it Rawで使われた器の制作者である研修者などにインタビューを行う。

 

6.金沢箔(金銀箔工芸さくだ・東茶屋街)
~400年の歴史を受け継ぐ厚さ1万分の1ミリの匠の技~
http://www.goldleaf-sakuda.jp/

 

京都の金閣寺を「金」たらしめているもの――。それが、金沢の地に400年の歴史をもつ「金沢箔」。江戸時代の「箔打ち禁止令」により一時は生産が下火になったものの、明治の訪れとともに再興。現在、金沢は日本の金箔生産量の99%を占める。城下町の風情が色濃く残る町・東茶屋街で知られる東山地区に店を構える「金銀箔工芸さくだ」は、1919年の創業で、現在手掛ける商品は、工芸品は元より、化粧品、食用金箔、建築装飾事業まで多岐に渡る。2012年には、同社のうちわ形の皿「四季」が、観光庁の「魅力ある日本のおみやげコンテスト」で最高賞に選ばれた。

 

◎本ツアーでは、2009年のミシュラン・グリーンガイドジャポンでも紹介された「金銀箔工芸さくだ」を訪れ、作田一則社長より、金沢箔の概要、生産工程、商品開発などにつき説明を受けるほか、職人の作業現場を視察する。また、江戸時代の「茶屋建築」の建物が当時の姿のまま立ち並ぶ東茶屋街を散策する。

 

 

 

7.九谷塾
~若手職人の「好き」が詰まった作品が、九谷焼再興の糸口に~
九谷塾:http://www.kutanijuku.com/
九谷焼資料館:http://www.kutaniyaki.or.jp/

 

バルタン星人にカタツムリ、USBメモリからチョロQ(ミニカー)に至るまで、「九谷塾」が手掛ける作品は、従来の「九谷焼」のイメージを覆すものばかり。江戸時代に石川の地で始まった色絵磁器である九谷焼は、一般に皿や壺などの作品で知られ、明治期には西洋への輸出・量産化が進んだ。しかし、近年は市場ニーズの変化から産業として衰退傾向にあり、「こうした状況を変えなければ」と九谷焼の問屋、窯元、絵付け職人が集合し、2006年に勉強会を開始したのが九谷塾のはじまり。一度商売を離れ、幼い頃から好きだったカブトムシやクワガタを、350年の歴史の中で継承されてきた九谷焼の色絵技法と造形技術で表現してみよう---。そんな発想から生まれた最初の取組みが「SUPER KUTANI INSECT PROJECT」で、完成した鮮やかな色をまとった昆虫たちのオブジェは、これまでサンフランシスコ、ニューヨーク、パリの展示会にも出品された。

 

2010年には、大手玩具メーカー「タカラトミー」、タレントの所ジョージ氏とのタイアップにより「九谷焼チョロQ」を発表。チョロQといえば1980年代に日本で一大ブームを巻き起こした玩具で、当時子供だった30代~40代の男性であれば一度は手にしたことがあるもの。九谷焼の伝統を受け継ぐ若手職人らの「好き」が詰まった作品が、九谷焼再興の糸口となるのでは、と期待が集まる。

 

◎本ツアーでは、九谷焼の生産・販売の中心地である石川県能美市にある九谷焼資料館を訪れ、九谷焼の歴史や制作工程について話を聞く。その上で、九谷塾の塾長・高聡文氏に、これまでの活動につき説明を受け、同塾が生み出したユニークな作品の数々を取材する。

 

*本プレスツアーでは、参加者には経費の一部を負担していただいていますが、営利を目的とした事業ではありません

 

<実施要領>

 

1.実施:2012年11月2日(金)~3日(土)

 

1日目(11月2日)

 

9:00 羽田空港集合
9:55 羽田空港発
10:55 能登空港着
11:40~12:10 能登スマート・ドライブ・プロジェクト
12:15~14:30 春蘭の里・昼食
15:30~16:30 塩安漆器工房
16:30~17:30 大﨑漆器店・彩漆会

 

和倉温泉(ガーデン能登屋)

 

2日目(11月3日)

 

8:30 ホテル発
10:00~11:30 2012全国伝統的工芸品フェスタin 石川
11:45~12:30 卯辰山工芸工房 
12:45~13:45 昼食
14:00~14:45 金銀箔工芸さくだ
14:45~15:30 東茶屋街散策
16:30~17:30 九谷塾
19:45 小松空港発
20:55 羽田空港着

 

(※上記は仮日程です。若干の変更が生じる可能性があります。)

 

2.参加資格: 外務省発行外国記者登録証保持者

 

3.参加費用: 1人13,000円(全行程交通費、食事を含む)
*お支払い方法、キャンセル料等は、後日参加者にご連絡します。

 

4.募集人数: 10名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)
*申し込み人数が10名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。

 

5. FPCJ担当:石川(TEL: 03-3501-3405)

 

6.備考
(1) 写真・TV撮影に関しては担当者の指示に従ってください。
(2) FPCJおよび石川県はツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。

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