実施日 : 2008年09月25日
報告(動画):2008年9月25日【新潟市プレスツアー(農業の新方向を切り拓く生産者)】
投稿日 : 2013年08月26日
食料自給率63%を誇る日本の米どころ“田園型政令市”新潟が食とエネルギーの安全保障に取り組む -「米粉」利用の普及と「イネ原料バイオエタノール」開発-
■「安心、安全」を消費者に-農業の新方向を切り拓く新潟の生産者(2008年9月25日)
農事組合法人 木津みずほ生産組合
農業生産法人は全国で昨年9460法人まで増えてきたが、新潟市では現在122法人を数える。政府が目標とする食料自給率50%への回復には「農業生産法人等を通じたシステムとしての農業を成功させることが鍵」(寺島日本総研会長)だという。
木津みずほ生産組合は旧横越村木津地内の米作り農家が1986年に設立。「安全、安心、安価、安定供給」をモットーに米作りに励み、「美味しい新潟のお米」を直接消費者に届けている。2005年から有機栽培米の栽培・販売も行っており、最近では、米を香港・台湾へ、梨の穂木を台湾へと輸出も手掛ける。
代表理事 坪谷利之氏の話
新潟県は水田地帯で、日本の米の中でも特に美味しいといわれるコシヒカリを作るのに適した水と土地をもっています。
今まで個人の小さい農家経営でしたが、共同で面積を拡大してお米を売っていこうという発想から22年前に組織をつくりました。
日本では米の生産調整という問題があります。 これで苦労しましたが、幸い、台湾、香港へコメが順調に売れ始めました。 海外へ売る分については、生産調整としてカウントされますので、有利な販売ができています。
(米の輸出)
国内で販売が厳しくなっている中で、新しい選択肢の一つとして、特に日本でコメがあまりつつ、MA(日本が輸入を義務づけられている「ミニマム・アクセス米」)で輸入しなければならない、押されっぱなしではなく、どこかで押していこうという思いがあります。
海外で評価されれば、それが日本に逆輸入されてくると期待しました。 海外で評価された日本の米はやっぱりいいんだなと日本人が改めて気付けば、消費が伸びていくのではないかと思います。
(気候変動の影響)
砂漠で水をたくさんやってもおいしいコシヒカリはできない。 水と土地は気候よりも大事ですね。 コシヒカリを含めて新潟のお米は「水稲」なので水が命。 雪解けの水が信濃川、阿賀野川となって流れ、その水のおかげでおいしいコシヒカリができる、と私は確信をしています。
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諸橋弥次郎農園
オーナーの諸橋夫妻と7名のスタッフが「生産者と消費者の信頼醸成」をモットーに有機農法による米、野菜、果物を栽培・加工・販売しています。
国の有形文化財として登録されている諸橋オーナーの自宅母屋を活用したレストラン「弥次郎」では、囲炉裏ばたで、農園で収穫されたばかりの旬の食材をつかったスローフードが供されます。
諸橋弥須衛オーナーの話
私は30代の頃から将来は規模を拡大して人を雇用して、自分で作ったものは自分で生産して加工して販売するという夢を持ってきました。
57歳のとき、やっとその夢が実現しまして、今ちょうど10年経っております。
食の安全が日本で今一番大きな問題になっております。
農家は安全でおいしくて消費者の健康を考えたものを作っていて、最後に消費者から信頼されるものを一生懸命つくっていくべきと思います。
中国の餃子問題をきっかけに、地産地消でやっているところがすごく売上をのばしており、これはその結果だと思います。