プレスツアー(報告)

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実施日 : 2016年03月17日 - 18日

報告:北九州市プレスツアー「日本のエネルギー利用の未来を見つめる最前線」

投稿日 : 2016年05月24日

G7エネルギー大臣会合を約1ヵ月半後に控えた北九州市を訪れ、CO2削減の先進事例などを取材する本プレスツアーには、中国、韓国、台湾、バングラデッシュ、ドイツ、フランス、米国の7か国・地域から10名の記者が参加しました。

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【1日目】

1. 北九州市 環境ミュージアム

 一行を案内した中薗館長は、北九州市の公害の歴史を説明しながら、市が公害克服に動き出した背景には、婦人会を中心とする市民の活動があったからとし、その精神は現在も受け継がれていると語りました。また、同市の環境改善と国際協力への取組みが評価され、1990年に国連環境計画(UNEP)から「グローバル500」を受賞したことは、市民の誇りであると説明しました。記者からは、「人体への影響や出生率の低下などはあったのか」や、「市民が公害克服を実感するまで何年位かかったのか」、「最初に公害克服を訴えた女性達に企業や行政は反発しなかったのか」といった質問が挙がりました。また、当時の様子を知る市民ボランティアの熊井さん、豊沢さんの話に熱心に耳を傾けていました。

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2.水素タウン、東田スマートコミュニティ、地域節電所

 北九州市環境局の田原温課長の案内で水素パイプラインによる水素供給の実証を行った東田地区を回り、水素供給先であり、一般の人々が実際に生活している集合住宅や、水素ステーションを撮影しました。また、スマートコミュニティの司令塔ともいえる地域節電所では、実証実験の詳細な説明を受けました。 同市の先駆的な取組みに対し、記者からは「スマートコミュニティの試みに対し、地元の大手電力企業から反発は無かったのか。また、企業のしがらみをどう対処してきたのか」や、「実証に係った経費はどのように工面したのか」、「水素燃料の安全性を確保するために解決すべき課題はなにか」など多数の質問が挙がりました。地域のエネルギー需給が「見える化」されている地域節電所の様子も撮影しました。

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3.北九州市長インタビュー

??????????????????????????????? 環境ミュージアムや東田(水素タウン、スマートコミュニティ)の取材で得た情報を踏まえ、記者からは、環境都市・北九州市が目指す次のステップ、原発の賛否、高齢化および人口減少問題と外国人の受入れ、国家戦略特区の活用、水素社会の実現に向けた課題、G7エネルギー大臣会合への期待と北九州市の役割など多岐にわたる質問が挙がりました。それぞれの質問に対し、北橋市長は、北九州市が公害克服から得た経験やノウハウをアジアの国々の都市に伝え、地球環境保全に貢献していくこと、特区の規制緩和を活かし、外国人の起業や十分な技術研修を実施できる環境を整えるなど、大胆な政策を打ち出したいと語りました。水素社会については、コストの削減や安全性の確保など課題はあるが、2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村を、実現に向けた第二のステップにしたいと回答、G7エネルギー大臣会合では、公害のまちから環境・エネルギーの先進都市へと生まれ変わった同市の経験を活かし、エネルギーを賢く使う様々なアイディアを世界に伝えていきたいとの意気込みを語りました。

 

 

4.リーフ株式会社

 一日目の最後に、介護分野のロボット造りに力を入れているベンチャー企業のリーフ株式会社を訪問し、同社が開発した歩行リハビリ支援ロボット「Tree」を取材しました。同社の森社長から説明を受け、記者は「Tree開発のきっかけと、実際に使用した人からどのような反応があったか」や、「北九州市が介護ロボット特区になったことでどのようなことに期待するか」、「大企業の技術者として活躍していた森氏があえて独立、起業したのはなぜか」、「行政からの研究開発費などの助成金を受けると、ベンチャー企業ならではの開発の自由度が無くなるのでは」などの質問を問いかけました。

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【2日目】

5.TOTOミュージアム

 館内の展示物を見て回り、日本の生活の質の向上や、トイレの節水・省エネに貢献してきたTOTOの技術革新と、トイレの進化について学びました。その後、安倍常務取締役より、TOTO株式会社の海外事業におけるブランド戦略や将来の展望について説明を受けました。記者からは、海外市場での温水洗浄便座のPR活動の工夫や、南アジアや中東地域の市場開拓、訪日外国人観光客の増加とウォシュレット販売数の変化、新幹線や飛行機内トイレなどに関する質問が投げかけられました。また、TOTO創業100周年を記念して同ミュージアムが開館したことにちなみ、館内では環境に配慮した100の取組(環境アイテム100)を実践している点も、記者は高い関心を寄せていました。

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6.電源開発株式会社(J-POWER) 若松研究所

 冒頭、電源開発株式会社が二酸化炭素排出事業社であるからこそ、熱効率を上げて二酸化炭素排出量を減らす技術を高めると共に、グリーンオイル生産技術開発にも取り組んでいるとの説明がありました。次に、松本主任研究員から海洋藻類のグリーンオイル生産研究について聞きました。記者達は説明に熱心に耳を傾け、国からの補助金や、オイル抽出後に残った藻の活用方法について問いかけました。松本氏は。ハードルは高くとも理想を追求し、低エネルギー、低コストでグリーンオイル生産の実用化に向けて努力を重ねていきたいと語りました。その後、屋外の培養現場や現在建設中の直径40メートルの培養設備を視察しました。

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7.株式会社安川電機

 2日間の北九州市プレスツアーの締めくくりとなる取材先は、昨年創業100年を迎えた株式会社安川電機でした。まず、昨年開館した安川電機みらい館の岡林館長より同社の歴史とみらい館の説明を受け、みらい館内および産業用ロボットの製造工場を視察しました。記者は、岡林氏の説明にメモを取りながら様々なロボットが動く様子を写真に収めていました。工場の視察後、林田広報・IR部長より、世界28国に事業展開している同社の事業に関する説明がありました。記者からはアベノミクスの恩恵、産業ロボットの主な導入先、自動車分野との関係、第4の産業革命(インダストリー4.0)に向けた安川電機の取組み、人工知能、製造業の現場における人とロボットの共存の課題についてなど多岐に渡る質問が出ました。

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