OVERVIEW実施概要
- 実施日
- 2025年11月27日(木)〜28日(金)
- 訪問地
- 滋賀県
- 参加者
- 8名
- テーマ
- 1.日本一の湖、琵琶湖に育まれた暮らしと産業
2.薬草の宝庫、伊吹山に育まれた中小企業
3.伝統技法を受け継ぐ絹糸と絹弦の生産
滋賀県内の中小企業や地域資源の魅力を海外に広く発信するため、日本最大の湖である琵琶湖に育まれた暮らしや産業、古くからの薬草の産地である伊吹山の恵みに育まれた中小企業、伝統技法を受け継ぐ絹糸と絹弦の生産などを取材するプレスツアーを実施しました。
プレスツアーには、ドイツ/スイス、中国、ベトナム、米国/サウジアラビアのメディアなどから、計8名の記者が参加しました。
※本ツアーは滋賀県商工会連合会が主催し、フォーリン・プレスセンターが企画・運営しました。
※取材先の詳細については、こちらのプレスツアー案内をご覧ください。
【1日目】
<齋木産業株式会社、株式会社FLOAT>
記者たちは、最初の取材先として琵琶湖の内湖である西の湖にある齋木産業株式会社を訪れました。同社は1959年からイケチョウガイの養殖による淡水真珠の生産を行っています。取材の冒頭、同社代表取締役の齋木 雅和氏から、真珠養殖の概要について説明を受けた後、同社の生産する真珠やイケチョウガイの貝殻を使ってアクセサリーを制作している、株式会社FLOATの澤 薫氏に事業概要について話を聞きました。
続いて、記者たちはモーターボートで西の湖の沖合に移動し、イケチョウガイの養殖棚を視察しました。また、齋木氏の母である齋木 たみ子氏による、イケチョウガイから真珠を摘出する作業と、イケチョウガイに細胞片を挿入する作業を視察しました。
記者たちは、養殖に関する大学等の学術機関との連携の状況、後継者が不足している現状等について質問し、齋木氏から、温暖化や後継者不足の課題がある中で、試行錯誤しながら解決策を模索している現状について回答を受けました。また、澤氏に対しては、アクセサリー制作を始めたきっかけや制作において心掛けていること等について質問が挙がりました。
<近江八幡市立資料館(旧西川家住宅) 、八幡堀視察(一般社団法人近江八幡観光物産協会 >
近江八幡市は、江戸時代から日本各地で活躍し日本経済の礎を築いた近江商人の発祥の地です。記者たちは、一般社団法人近江八幡観光物産協会の白石 昌代氏の案内を受け、伝統建築が保存されている街並みを視察するとともに、近江商人の歴史と精神を知るべく、近江八幡市立資料館(旧西川家住宅)を訪れ、館長の前坂 雅春氏から概要説明を聞きました。
続いて、戦国時代に近江八幡を統治した豊臣秀次が整備した、琵琶湖につながる水路「八幡堀」を訪れ、1950年代後半には生活排水等により汚染されたものの、地元の市民団体の働きにより美しさを取り戻した八幡堀の歴史について、白石氏から説明を受けました。
記者は、当時の人々が住んでいた住居の設えや生活用品について関心を寄せるとともに、人々がどのように暖を取っていたのかなどの暮らしぶりについて質問し、歴史に思いを馳せていました。また、紅葉が見頃の八幡堀で熱心に撮影していました。
<特定非営利活動法人まるよし>
記者たちは、滋賀県の産業を支える琵琶湖の環境や資源について理解を深めるべく、琵琶湖のヨシ原の保全と活用に取り組む、特定非営利活動法人まるよしの宮尾 陽介氏を訪ねました。冒頭、宮尾氏の取組について説明を受け、収穫前のヨシが生い茂るヨシ原に移動し、ヨシを原料としたボードなどの製品に触れるとともに、ヨシから作った笛の演奏を聴き、実際にヨシ刈りを行う様子も視察・撮影しました。
記者からは、ヨシの管理において気を付けていることや、保全活動における子供や若者を含む市民との協力、保全活動に対する政府からの補助金の有無などについて質問が挙がりました。
<本ニゴロ鮒専門 飯魚>
次に記者たちは、滋賀県安土町にある本ニゴロ鮒専門 飯魚を訪問しました。記者たちは、代表の大島 正子氏から、滋賀の郷土食であるふなずしの歴史について説明を受けたほか、原料となる琵琶湖固有種のニゴロブナの漁獲量減少を受け、試行錯誤の末に日本で初めてその養殖を成功させた経緯について話を聞きました。
その後、伝統的な製法で仕込まれるふなずしの製造工程について説明を受けました。発酵によって生まれる独特の風味や、乳酸菌による健康効果についても説明を受け、樽から取り出したばかりのふなずしを試食しました。
記者たちは大島氏に対し、前例のない取組の中で直面した苦労や、商品の製造と営業を両立させるうえでの奮闘、女性経営者の視点から見た社会情勢の変化や、女性の社会進出等について、多くの質問を投げかけました。
【2日目】
<琵琶湖湖畔 撮影>
2日目の朝には、記者たちは、イチョウの紅葉が見頃になっている長浜市の豊公園において琵琶湖の湖畔を撮影しました。折しも当日は市民による清掃活動が行われており、今回のツアーの取材テーマにも据えられている、琵琶湖の環境保全に向けて美化に取り組む市民の活動風景も目にすることができました。
<株式会社山正>
記者たちは、鍼灸に使用される「もぐさ」を製造する老舗メーカーである、株式会社山正(滋賀県長浜市)を訪問しました。記者たちは、取締役の押谷 樹氏より、古くから伊吹山に根付く薬草文化を背景としたもぐさ生産の歴史や、製造方法、東洋医学におけるツボの概念について説明を受けました。東洋医学に馴染みが薄い国の記者はツボについて特に関心を示しているようでした。記者たちは実際にお灸を体験し、その使用感や温熱効果等について理解を深めました。
その後、工場へ移動し、工場長の前川 高志氏から、もぐさ製造の工程について説明を受けました。記者からは、もぐさの原料となるヨモギの産地はどこか、価格によって品質や効能が変化するのか、といった質問が挙がり、前川氏からはもぐさには様々な産地・価格帯があるが、価格が高いからといって良い効果が得られるというわけではなく、製品ごとに燃焼温度や速度、香りに違いがあるため施術によって適切に使い分けられているとの回答がありました。
<いぶきファーム株式会社>
続いて記者たちは、滋賀県米原市の伊吹山の麓にある、いぶきファーム株式会社を訪れました。記者たちは、代表取締役の谷口 隆一氏より、伊吹そばや伊吹大根といった在来農作物の栽培を始めた経緯や、地域資源を生かした現在の事業について説明を受けました。
その後、伊吹大根を栽培する畑に移動し、その収穫風景を視察しました。昼夜の寒暖差が大きい伊吹山の麓の気候が育む農作物の特長について説明を受けながら、記者たちは作業の様子を熱心に撮影していました。
昼食では、同社が営む蕎麦店「久次郎」で、伊吹大根おろしそばと野菜の天ぷらをいただき、伊吹山の恵みを味わいました。さらに、同社が経営する、古民家を改装した宿泊施設も視察しました。
記者たちは、畑への野生動物による影響の有無、地域の人口減少とそれに伴う労働力不足の現状などについて質問し、農業と観光を組み合わせた地域活性化の取組に対し、終始高い関心を示していました。
<木之本町邦楽器原糸製造保存会(佃平七糸取り工房)>
記者たちは、長浜市木之本町にある木之本町邦楽器原糸製造保存会(通称:佃平七糸取り工房)を訪れました。同工房は、約1000年前から地域で受け継がれてきた絹糸の製糸技術を今に伝えています。
記者たちは、4代目の佃 三恵子氏から、地域の養蚕・製糸の歴史や、同工房で受け継がれている繭を湯につけて手で極細の糸を紡ぎ出す、文化庁選定保存技術にも指定されている「糸取り」の技法について、実演を視察しながら説明を受けました。あわせて、5代目の佃 誠治氏や首都圏から移住し、伝統技法の継承を志す若手職人の堀江 昌史氏にも話を聞き、後継者育成の現状や事業の継続における課題について理解を深めました。
記者からは、仕事の魅力や職人に女性が多い理由、糸取り職人の勤務形態などについて、多くの質問が挙がりました。
<丸三ハシモト株式会社>
記者たちは最後の取材先として、長浜市に拠点を置く丸三ハシモト株式会社を訪問しました。同社は、1908年の創業以来三味線や琴などの和楽器用の絹弦を製造し、日本国内のみならず海外のプロの演奏家からも高い信頼を得ている老舗メーカーです。
記者たちは、代表取締役の橋本 英宗氏から、木之本町邦楽器原糸製造保存会(佃平七糸取り工房)で作られた絹糸を用いた同社の絹弦生産や海外展開の現状などについて概要説明を受けた後、工場内で絹弦の製造工程を視察しました。国内で唯一継承されている「独楽(こま)撚(よ)り」の職人による実演を、記者たちは間近で撮影しました。
最後に、プロの演奏家である豊澤 賀祝氏による、同社の絹弦を張った太棹三味線の演奏を聴き、絹弦ならではの力強い音色を体感しました。
記者たちは橋本氏に対して、二人一組で行う独楽撚りの特徴的な動作の理由や、金属やポリエステルと比較した絹弦の特長などについて質問しました。演奏家の豊澤氏に対しては、同社の絹弦をいかに評価するか、といった質問が挙がり、同氏は、同社の絹弦は重厚で深みのある音が出るため、マイクがなくとも会場に音色を響かせられることがその強みだと語りました。
◆本プレスツアーに関連する報道の一部をご紹介します(タイトルはFPCJ仮訳)
Vietnam Television(ベトナム)
2025年12月15日付:
「Nghề nuôi trai lấy ngọc tại Nhật Bản」
(日本の真珠養殖)
Vietnam News Agency(ベトナム)
2025年12月18日付:
「Ibuki Moxa - Di sản dược liệu từ núi tuyết」
(土壌と地質構造がユニークな製品を生み出す - 雪を頂いた山々からの薬草の遺産)
2026年1月11日付:
「Nỗ lực gìn giữ “âm thanh Nhật Bản”」
(「日本の音」を守る取り組み)
Arab News Japan(サウジアラビア)
2025年12月31日付:
「Japanese restaurateur revives 1,000-year-old local cuisine」
(日本のレストラン経営者が1000年の歴史を持つ郷土の食を復活させる)





































