プレスツアー(報告)

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実施日 : 2023年03月27日 - 28日

報告:「群馬プレスツアー」

投稿日 : 2023年04月14日

群馬県高崎市で20234月にG7デジタル・技術大臣会合が開かれるのを前に、「共生社会」をテーマに、群馬県の「多文化共生」や「ユニバーサルツーリズム」に向けた取組、「誰ひとり取り残さない社会」に向けたデジタルの活用について取材するプレスツアーを実施しました。ツアーには、台湾、ベトナム、バングラデシュ、トルコ、フランス、英国のメディアから、計7名の記者等が参加しました。

 

※本ツアーは、G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合開催推進協議会が主催し、フォーリン・プレスセンターが企画・運営しました。

※取材先の詳細については、こちらのプレスツアー案内をご覧ください。


 

【1日目】


<群馬県、大泉町ブリーフィング>
群馬県の担当課から、県内に暮らす外国人の現状や、全国初となる「多文化共生・共創推進条例」の制定をはじめとする、群馬県の外国人との共生に向けた施策について説明を受けました。大泉町からは、町の総人口の2割近くを外国人が占める町の現状や、多文化共生のまちづくりの取組について説明を受け、日本人と外国人住民の「橋渡し役」となって活躍するブラジル生まれの日系3世の町職員にもインタビューを行いました。

 

 

 

 

<大泉町視察>
日系人の「デカセギ」の歴史を紹介する「日本定住資料館」の視察に続いて、1989年に10歳で来日して以来、30年以上にわたり大泉町の変化を見届けて来た日系ブラジル人三世の平野勇パウロ氏から、当事者の目から見た町の多文化共生のあゆみについて話を聞きました。記者からは平野氏に対して、日本社会はいずれ大泉町のように外国人と共生できるようになると思うか、などの質問があがりました。

 

 

その後、平野氏と大泉町観光協会の中山正樹事務局長の案内で、町内を視察。ブラジル食材を多く扱うスーパーマーケットや、ブラジル料理レストラン、南アジア食材店を訪れ、それぞれの店長にインタビューを行いました。
 


 

 

石川建設株式会社
約10年前から外国人材を積極的に雇用し、群馬県から「群馬県多文化共創カンパニー」にも認証されている石川建設(太田市)を訪れ、外国人社員が活躍出来る環境づくりに向けた同社の取組について説明を受け、設計や営業部門のベトナム人社員お二人に話を聞きました。

 

 

 

 

卯三郎こけし
卯三郎こけしを訪問し、群馬県が全国一の生産量を誇る創作こけしの製作工程を視察しました。記者は、職人がろくろを使って角材からこけしを削る工程を熱心に撮影し、「多い時は毎月1万体の創作こけしを英国に輸出していた」との説明にはたいそう驚いていました。

 

 

 

【2日目】


伊香保温泉
伊香保温泉に宿泊した記者たちは、早朝から、渋川伊香保温泉観光協会の関係者の案内で、伊香保温泉のシンボルである石段街を視察しました。石段途中の小間口観覧所の扉を特別に開けてもらい、源泉からの湯が石段の下を勢いよく流れ落ちる様子を見学しました。

 

 

伊香保温泉で広がる「ユニバーサルツーリズム」の取組の取材では、渋川市が作成した「渋川・伊香保温泉バリアフリーマップ」を手に、同マップの作成にも協力したDET群馬の車いす利用者の皆さんと石段街を散策しました。国内の温泉旅館の中で最も早くからバリアフリー化に取り組んで来たホテル松本楼では、段差の無いバリアフリー設計の客室や、小さな子供連れの観光客のための館内施設などを見学しました。

 

 

 

伊香保温泉は「全日本ろうあ連盟」の発祥地でもあり、全国から多くの聴覚障害者が訪れています。ツアーでは、伊香保の見どころを手話動画で案内する観光マップを作製した渋川市聴覚障害者福祉協会の関係者から手話通訳を介して説明を受け、マップ上のQRコードをスマートフォンで読み取ると手話動画が再生されるデモンストレーションも見学しました。

 

 

 

<共生社会の実現に向けたデジタル技術の活用>
「交通弱者」が増加し、高齢者の移動手段の確保が課題となるなか、群馬県内では人工知能(AI)を活用することで、市中を走るデイサービス(通所介護)送迎車の空席を地域の高齢者の足として役立てる取組が始まっています。ツアーではそのシステムを開発したソーシャルアクション機構の担当者から話を聞きました。さらに、前橋市が取り組む、スマホカメラとAI技術を使った視覚障がい者歩行サポートシステム「めぶくEYE」についても取材。その中で、前橋市のスーパーシティ構想で「アーキテクト」を務める日本通信の福田尚久社長は、前橋市が独自開発したデジタル個人認証「めぶくID」についても説明し、その開発が群馬県で「G7デジタル・技術大臣会合」が開催されることになった理由の一つだと紹介しました。

 

 

 

<全国トップレベルの「デジタル先進県」を目指す群馬県の取組>
県庁32階の官民共創スペース「NETSUGEN(ネツゲン)」で、群馬県が次代を担うスタートアップ・起業家を支援するために設置した同施設の概要について説明を受けました。さらに、デジタルクリエイティブ人材の育成拠点「tsukurun」では、子どもたちがデジタル描画やプログラミングに取り組む様子を取材。記者たちは、プロのクリエイターも使う最先端の機材やソフトウェアを使って小学生が創作活動に取り組む姿に感銘を受けた様子でした。

 

 

 

◆本プレスツアーに関連する報道の一部をご紹介します(タイトルはFPCJ仮訳)

 

UCA News(フランス)

3月31日 「Japan’s welcoming immigrants and no one’s complaining」(日本は移民を受け入れており、誰も文句を言わない)

 

Dhaka Courier(バングラデシュ)

4月7日 「Migrants from Brazil still struggling to find their identity in Japan」(ブラジルからの移民は、日本で自分のアイデンティティを見つけるのにまだ苦労している)

4月14日 「Preserving an old tradition with a new touch」(古い伝統を新しいタッチで守る)

 

L’EXPRESS (フランス)

4月9日 「Pénurie de main-d’oeuvre : comment le Japon chouchoute ses rares immigrés」(労働力不足:日本は少ない移民をどうもてなしているか)

 

Anadolu Agency(トルコ)

4月10日 「Japonların ahşap Kokeşi bebekleri 200 yıldır vitrinleri süslüyor」(200年前から店頭に飾られている日本の木製こけし)

 

亜洲衛星電視寰宇新聞(台湾)

4月11日 「坐輪椅也能進浴場!伊香保溫泉打造「無障礙溫泉旅館」」(車いすもお風呂に!伊香保温泉の「バリアフリー温泉旅館」)

4月17日 「日本有座巴西城!滿街葡萄牙文.巴西料理」(日本のブラジルタウン!街中にポルトガル語の看板やブラジル料理屋など)

 

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