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注目すべき海外メディアの日本報道(2013年8月23日)

投稿日 : 2013年08月23日

 「注目すべき海外メディアの日本報道」では、日本発のものを中心に、日本のみなさまに知っていただきたい日本関連の報道をご紹介しております。

 

注目すべき海外メディアの日本報道
(8月16日~8月17日)

2013年8月23日

 

 

1. 安倍総理の靖国神社参拝見送り・玉串料奉納等を巡る各国主要紙報道

 

安倍晋三総理は、8月15日の靖国神社参拝を見送り、「自民党総裁」として私費で玉串料を奉納するに留めた。同日、安倍内閣からは3名の閣僚が同神社を参拝した。一方で、総理は、同日開催された政府主催の全国戦没者追悼式の式辞において、ここ20年歴代総理が繰り返し述べてきたアジア諸国に対する加害責任について言及しなかった。

 

16日付ウォール・ストリート・ジャーナル紙(米国)は、林由佳、アレクサンダー・マーティン両記者による東京発の記事を掲載。安倍総理は、靖国を参拝せず、タカ派的政策に批判的な周辺国との真っ向からの衝突を避けたが、他の閣僚に参拝を断念させることはしなかったと報じた。同日付ニューヨーク・タイムズ紙(米国)は、マーティン・ファクラー東京支局長による記事「日本の総理、靖国参拝を控えるも玉串量を奉納」を掲載。周辺国を刺激することなく自らの右派的な支持基盤を満足させるため、安倍総理が妥協したと報じた。同日付ワシントン・ポスト紙(米国)掲載のチコ・ハ-ラン東アジア総局長によるソウル発の記事も、安倍総理の参拝見送りは、保守派の支持基盤への対応と近隣諸国との関係修復という二つの矛盾する目標の間でバランスをとろうとしたものと伝えた。

 

16日付オーストラリアン紙(豪州)掲載のリック・ウォレス東京支局長等による記事「靖国神社参拝が中国を怒らせる」は、安倍内閣閣僚のほか、超党派の国会議員約90名が靖国神社を参拝したことに対する中韓両国の反応を紹介。安倍総理の参拝見送りに関しては、米国を始めとする友好国・同盟国からの強い圧力を受け、歴史問題よりも経済問題に再び集中しているようだと分析した。同じく豪州のウェスト・オーストラリアン紙は、同日付で「安倍総理、伝統を破る」と題された記事を掲載し、日本の総理大臣が、この20年間で初めて、戦没者追悼式での式辞でアジア諸国に対する反省に触れなかったと報じた。

 

16日付フランクフルターアルゲマイネ紙(ドイツ)掲載のカーステン・ゲルミス東京特派員による記事は、安倍総理が強力な国際的圧力によって8月15日の靖国参拝を断念したと報道。ブラジルのオ・グローボ紙の同日付東京発の記事「日本の総理、兵士に敬意を表し中国の反発を買う」は、安倍総理は中韓両国との緊張を避けるために終戦記念日の靖国参拝を見送ったが、玉串料奉納により中国から激しい非難を受けたと伝えた。 

 

16日付ストレイツ・タイムズ紙(シンガポール)掲載の東京発の記事は、安倍総理が戦没者追悼式式辞で戦時中の日本の行為に関する反省を口にしなかったことは中韓両国を怒らせるであろうと報道。同日付聯合早報(シンガポール)も東京特派員による記事を掲載し、式辞で加害責任への言及がなかった旨と、閣僚の靖国神社参拝について伝えた。

 

中国の人民日報日本語版は、8月15日付で「安倍氏が亡霊参拝を断念したのは中韓ではなく米国のため」と題する記事を掲載。西欧各国のメディアは安倍総理の靖国参拝断念を中韓との対立回避のための「自制」と報じたが、米国の反応を危惧したというのが実際のところであろうとの見方を示した。韓国の朝鮮日報日本語版は17日付で車学峰東京特派員による記事「『反省』に言及しない安倍首相、日本でも批判の声」を掲載。追悼式式辞でアジア諸国への侵略に対する反省と不戦の決意が述べられなかった点について、日本のメディアや野党から強い批判が出ていると報じた。

 

 

<関連リンク>
外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/sekai/index.html

 

 

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