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ポンぺオ米国務長官来日、日米豪印外相会合に出席

投稿日 : 2020年10月12日

注目すべき海外メディアの日本報道

(10月5日~7日)



ポンぺオ米国務長官来日、日米豪印外相会合に出席





 

 

ポンぺオ国務長官が10月4日から6日にかけて来日。菅首相と会談し、日米同盟の強化について協議した後、東京にて対面で開催された日米豪印4か国の外相会合では、「自由で開かれたインド太平洋戦略」の推進を再確認した上で、中国に対して4か国の結束を強める意向を明らかにした。先月就任した菅首相にとっては、対面での外交デビューとなった。

 

 

 

【米国】

The New York Times紙は、6日付で「ポンぺオ国務長官のメッセージ:中国への対抗には顔を突き合わせて会合する価値がある」(Motoko Rich東京支局長)を掲載。ホワイトハウスで新型コロナ感染が拡大し、日本は外国からの入国者制限を慎重に緩和する中、長官と菅首相は拳を合わせ、増大する中国からの挑戦に直面する日米両国の絆を実証する対面会合の重要性を際立たせたと報じた。加えて、多くの主要会合がオンラインに移行する中、トランプ大統領の感染前に予定された日米豪印4か国外相会合が予定通り東京で開催されたことは、大統領の米国第一主義に反して、トランプ政権の大部分は多国間関係を重視していることを示唆している、とも伝えている。

 

同日付The Washington Post紙ポンぺオ氏、中国の主張に対して団結を模索。だが、アジア版「NATO」は期待するな」(Simon Denyer東京支局長)では、専制的な外交政策を進める中国とそれを自国の国益にとっての脅威とみる米国の摩擦により、アジア太平洋地域の民主国は結束を強めており、ポンペオ国務長官は米日豪印4か国の連携を強化し、中国の挑戦に対峙するための安全保障の枠組みを構築したいとしているが、有識者はアジア版NATOへと発展しそうにはないとみていると報じた。ポンペオ長官と茂木外相は「自由で開かれたインド太平洋戦略」を推進しているが、ある専門家は、日本やインドを含むアジア諸国は、中国との強力な経済関係と米国への信頼度についての疑念から中国に敵対することを警戒し、対話を好んでいる、と報じた。

 

CNN電子版は7日付「ワシントンが 新型コロナ感染の混乱に陥る中、ポンペオ氏は中国への対抗活動を継続」で、対中強硬派であるポンペオ国務長官は、トランプ大統領から政権幹部への感染拡大でワシントンが混乱するも、引き続き中国に注力し、日豪印との4カ国外相会合で中国への対抗における結束と、「自由で開かれたインド太平洋」を目指すことを再確認したとし、更に4か国に加えて、欧州諸国も新型コロ​​ナの世界的流行や、香港・新疆ウイグル自治区等の問題から中国に対する強硬路線を敷いており、ライバルの台湾が外交問題でより大きな役割を果たすことを求めている、と報じた。


The Wall Street Journal紙は6日付米日印豪が中国に対抗し連携強化」(Alastair Gale記者・Rajesh Roy記者)を掲載。ポンペオ米国務長官と日豪印の外相は、各国の対中緊張が高まる中で北京の拡大主義的な野心に対抗して、領土主権と航行の自由を擁護することを誓ったとし、今回の東京会合の開催は、インド太平洋の安定に対するトランプ政権の懸念と四者会合の重要性を示唆しており、「同地域における中国の威圧的な言動への懸念と4か国の共通利益がパンデミック渦中での協議開催をもたらしたと明白に警告している」との専門家の見方を伝えつつ、日本の茂木外相は、四者は毎年の会合開催に同意したと述べ、他の国々の参加も歓迎すると付言した、と報じている。

 

 

 

【英国】

The Times紙は、6日付日米豪印4か国は、中国に対抗するアジア版NATOの誕生に向けた道標を協議」(Richard Lloyd Parry東京支局長)を掲載。日米豪印戦略対話は、後に、超大国の興亡をめぐって東アジアで展開されている壮大な争いの重要な契機になるかもしれないが、昨今の中国の台頭による表現の自由や航行の自由の侵害を背景に、長年の懸案だったアジア太平洋地域の4民主国の連携を代表するものであるとの見方や、中国封じ込めを狙った危険な挑発行為だとする向きもあるとしつつ、一方でアジア各国は、中国の消費者による膨大な需要により利益を得ており、冷戦下のソ連とNATO加盟国との関係とは根本的に異なると指摘。ポンペオ米国務長官は「これまで以上に4カ国が連携し、中国共産党の腐敗、搾取、威圧から人々を守らなければならない」と述べ、率直な態度を示したと報じた。


同日付BBC電子版「ポンペオ米国務長官、日本での4カ国会合で中国を非難」を掲載し、同日都内で開かれる日米豪印の4か国会合では、存在感を強める中国に対する同盟国の連携強化や新型コロナウイルスの世界的流行、サイバーセキュリティなどが協議されると報じた。今回の会合は、米中関係が過去数十年で最悪の状態に落ち込み、豪印もそれぞれに中国との関係が悪化している中、安倍首相辞任が4者会合の先行きに疑念を投げかけていることから、米豪印と良好な関係にありながら中国とも着実に関係改善に向かっている日本では、菅首相により繊細な舵取りが求められる、と報じた。




【韓国】

中央日報は、6日付「韓国をスルーしたポンペオ長官、日本で菅首相には2回会う」を掲載し、菅首相は日米豪印戦略対話に先立って自身の首相就任後初となる外国要人のポンペオ米国務長官と単独会談を行うと報じた。4か国会合では日本が主導する「自由で開かれたインド太平洋戦略」の実現に向けた協議が行われるとみられており、菅新政権下においてもより一層日米関係を強化し、両国で国際社会をリードしていきたいとする日本の立場とそれを歓迎する米国の様子を紹介している。当初、4か国会合後に計画されていたポンペオ米国務長官の訪韓は、トランプ大統領の新型コロナ感染を理由に取り止めになり、今後の計画は不透明だとしている。

 

5日付朝鮮日報「訪韓中止のポンペオ米国務長官、日本だけ訪問へ」では、ポンペオ長官の訪韓中止は、「中国けん制のため連帯している日本などの『優先協力国』を韓国と差別化し、北朝鮮問題に関してすぐに韓国と話し合うほどの懸案もないと判断したものとみられる」との専門家の見方を伝えると共に、韓米同盟とは対照的に日米同盟との一枚岩のみが確認されただけでなく、韓国政府の北朝鮮政策への関心の無さが露呈したとの分析もある、と報じた。



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