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日本の新型コロナ感染防止対策に世界が注目

投稿日 : 2020年05月01日

注目の日本報道

(4月22日~30日)



日本の新型コロナ感染防止対策に世界が注目





 

 

新型コロナウイルス感染拡大を受け、各国政府が様々な対策を講じるなか、日本は緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大し、更なる外出自粛を求めた。欧米諸国が実施する厳しい封鎖措置と比べ、強制力のない日本の外出自粛要請は、国民一人ひとりの自主性や協力を前提とする。欧米メディアは、日本独自の対策について、国民の受け止め方や有識者の見方を紹介しつつ報道した。また、韓国メディアは、コロナ危機への対応をめぐる日韓協力の可能性について報じている。

 

 

22日付のFinacial Times紙(英国)は、「コロナウイルス危機で、”日本株式会社”の不在が明らかに」(Leo Lewis特派員)と題する記事を掲載した。安倍総理は伝統の「オールジャパン」のスローガンで、製造業界に医療従事者への支援を求めたが、主要数社が個別に応じたほか、日本株式会社の大半は静観の構えであったとし、日本独特の「株式持ち合い」と呼ばれる企業慣行や、「ステークホルダーとの利害関係」が官民の協力関係の障害になっていると分析、大量倒産への対応が必要となる危機の余波が訪れる時が正に日本企業の団結力が試される機会になると伝えた。また、同紙は、23日付に、「都市封鎖を行わない日本。専門家は、感染は再び拡大すると言及」(Robin Harding東京支局長)と題する記事で、日本はスウェーデンと同様に、経済活動の休止や人との距離制限の義務づけを行わずに、感染拡大を封じ込める独自の方針を模索していると報じた。BBC News(英国)は、30日付の「日本の低い検査率に疑問」(Rupert Wingfield-Hayes特派員)と題する記事で、日本が、PCR検査の対象を肺炎の症状がある患者に絞り込んでいることについて触れ、英国キングスカレッジ・ロンドンの渋谷健司教授と日本医師会の横倉義武会長が、検査対象の拡大、即応力や迅速な結果判明の必要性について言及していると伝えた。

 

 

27日付のThe Wall Street Journal紙(米国)は、「強制措置を取らない日本、新型コロナ感染者数は大きく減少」(Alastair Gale記者)と題する記事で、一日の感染者数がこの三週間強で最も低い数値となったことは、日本の方針が成功するかもしれない新たな兆しだと伝えた。一方で、日本は検査領域を拡大せず、クラスター感染に的を絞って注力する方針をとっているが、検査数の少なさにより医療専門家は実際の感染レベルは報告されている以上に大きいかもしれないと懸念していると報じている。21日付のThe Washington Post紙(米国)「安倍総理、トランプ大統領のコロナ戦略に倣う」(William Pesek記者)と題する記事で、安倍総理はトランプ大統領のコロナ対策と同様に、経済重視の措置を講じていると報じた。また、日本の検査数が他国と比べて極端に少ないことから、拡大的で堅固な検査体制が整わなければ日本の真の感染規模を捉えることはできないと指摘している。また、同紙は、27日付に、「夜の接客業や花見が、日本のコロナ対策を崩す一因」(Simon Denyer東京支局長)と題する記事を掲載した。外出自粛要請後も営業を続けるナイトクラブや花見に出かける人々を例に挙げ、日本の例外主義(exceptionalism)、つまり日本人は普段からマスクを着用し、握手を行わず、靴を脱ぐ習慣があることから感染しにくいとする考え、が根底にあると伝えた。

 

 

中央日報は、27日付の「コロナ危機に対応するため韓日が手を握るべき」(クォン・テファン韓国国防外交協会会長)と題するコラムで、韓国の感染封じ込めの成功が世界から注目を浴びるなか、「困難な時に助け合うのが真の友人であり隣国だ。誰が先に手を差し伸べるかは重要でない」として、感染終息に向けた日韓協力の重要性を訴えた。また、「現時点で重要なのはお互いの信頼回復」として、危機打開には日韓首脳の決断が不可欠と伝えている。また、同紙は、同日に、「「日本の要請あれば新型コロナで協力検討」…反対世論に慎重な韓国政府」と題する記事を掲載し、韓国政府には、国内世論も考慮して「日本政府が要請しない限り先に検討はしない」という雰囲気が優勢だと伝えつつも、昨年から輸出規制問題などで鋭く対⽴する韓⽇政府が新型コロナを媒介に接点を⾒いだせないかとの期待感もあるとした上で、「韓国政府が新型コロナ協力を日本との関係改善の「カード」として考慮はしている」との政府高官による発言も紹介している。また、30日付の「安倍首相「韓国は重要な国…コロナ対応で協力したい」」と題する記事を掲載。安倍総理が、29日の参議院予算委員会での韓国系の白眞勲・立憲民主党議員の質問に対し、感染症対策で韓国と協力連携を行いたいと発言し、「韓国はわが国の隣国であり重要な国」と語ったことを報じた。

 

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