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大隅良典教授が、ノーベル医学・生理学賞を受賞 | 公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)

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大隅良典教授が、ノーベル医学・生理学賞を受賞

投稿日 : 2016年10月14日

注目すべき海外メディアの日本報道

(10月11日~14日)

 

2016年10月14日

 

 

大隅良典教授が、ノーベル医学・生理学賞を受賞

  

Yoshinori Ohsumi, a professor of Tokyo Institute of Technology, smiles during a news conference after he won the Nobel medicine prize at Tokyo Institute of Technology in Tokyo

 ストックホルムのノーベル財団は、10月3日、今年のノーベル医学・生理学賞を発表し、東京工業大学の大隅良典 栄誉教授(71)が受賞した。大隅教授は、細胞が自らのタンパク質を分解してリサイクルする自食作用「オートファジー」の仕組みを解明し、がんやパーキンソン病に関する創薬研究に道を拓いた業績が評価され、受賞につながった。日本人の同賞受賞は、2年連続で4人目となった。

 

 

 

 

 

 

 米国では、3日付けニューヨークタイムズ電子版が、「日本の大隅良典氏が自食細胞の研究でノーベル賞を受賞」と報じ、大隅教授が酵母から発見した自食作用(オートファジー)の遺伝子と代謝経路は、人間を含む高位生命体に使用されており、それらの遺伝子の突然変異が病気を引き起こすと伝えた。そして、同氏の研究は新分野を牽引し、世界中の多くの研究者にそのメカニズムの研究を鼓舞し、新たな研究分野を開いた、と伝えた。また、4日付けウォール・ストリート・ジャーナル紙は、ピーター・ランダース東京支局長らによる「日本人生物学者、細胞のリサイクルの研究でノーベル賞受賞」を掲載。大隅教授の東京での記者会見の言葉を取り上げ、「(大隅教授は)競争があまり好きではないため、体の細胞内で老廃物をため込む「ゴミため」器官の研究を同氏のライフワークのテーマとして意図的に選択した」ことを伝えた。さらに、同日付けワシントン・ポスト紙は、アナ・ファイフィールド東京支局長らによる「日本人生物学者、医学の分野でノーベル賞を受賞」を掲載。ノーベル賞委員会のコメントを紹介し、「オートファジーの概念は50年以上前から知られていたが、生理学・医学においてその根本的な重要性が認識されたのは、大隅氏の常識を覆す研究があってこそだ」と評価したことを伝えた。

 

 英国では、フィナンシャル・タイムズ紙が4日付けでClive Cookson科学編集長「日本人科学者、細胞研究でノーベル医学・生理学賞を受賞」を掲載。科学分野のノーベル賞は複数名での受賞がほとんどである中で、東京工業大学栄誉教授の大隅氏は単独の受賞であることを伝えた。

 

 アジアでは、朝鮮日報日本語電子版(韓国)金秀恵特派員「ノーベル賞:大隅氏受賞、実を結んだ『へそ曲がり』精神」を、5日付け東京発で掲載。「大隅氏は突然変異の酵母3万8000種を照らし合わせ、オートファジーに関与する遺伝子を突き止めた。この発見のおかげで、がん・認知症・パーキンソン病の治療が一歩前進した」と報じた。また、6日付け中央日報日本語電子版(韓国)では、「2016年ノーベル医学・生理学賞受賞、大隅良典氏―基礎科学の典型」で、ソウル大学教授の発言を掲載。大隅氏は、1990年代にはすでに流行が過ぎたと考えられた酵母という単細胞真核生物を、それも人気が低いテーマの液胞を選択したが、大隅氏の発見は、すべての高等生物界に適用され、さらに重要な役割をすることが明らかになったと伝えた。また、大隅氏の受賞は、生命科学分野で酵母のようなモデル生物の価値、基礎科学者の姿勢、そして研究テーマの選択という側面で貴重な教訓を与えていると評価した。人民日報日本語電子版(中国)は、9日付けで「ノーベル賞受賞の大隅良典氏、日本の科学研究の将来に憂慮」を掲載。大隅教授が記者会見で、科学研究において功績をあげることばかりに焦る風潮や応用研究を重視する社会の現状を心配し、「若い学生は、5年、10年後のことを考えてほしい」と述べたことを紹介した。

 

写真:ロイター/アフロ

 

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