北朝鮮、今年2回目となる核実験、「核弾頭爆発に成功」と発表
投稿日 : 2016年09月20日
注目すべき海外メディアの日本報道
(9月9日~15日)
2016年9月20日
北朝鮮、今年2回目となる核実験、「核弾頭爆発に成功」と発表
(写真:アフロ)
北朝鮮国営テレビは9日午後、「核弾頭の威力判定のための核爆発実験」に成功したと伝え、核弾頭の実験実施について初めて言及した声明を発表した。北朝鮮による核実験実施は今年1月以来2回目、通算5回目となる。日本政府は同日午前に北朝鮮で自然地震ではない揺れが観測された後に国家安全保障会議(NSC)を開催、対応を協議した。安倍首相は米韓首脳と電話会談し、核実験を強行した北朝鮮に対し3カ国で緊密に連携していくことで一致した。9日夜(日本時間10日午前)に核実験を「強く非難する」との報道声明を発表した国連安全保障理事会は15日夜(日本時間16日午前)、核を保有する常任理事国の5カ国が「爆発を伴う核実験の一時停止を再確認する」との共同声明を発表した。
9日付CNN電子版(米国)は「北朝鮮は核弾頭の実験成功を主張」と報じ、オバマ米大統領は今回の実験を「国際安全保障に対する重大な脅威」であるとし、日韓首脳との電話会談で3カ国は「北朝鮮に違法で危険な行いにより生じる結果を示すため、新たな制裁措置を含む重大な追加措置をとる」ことで合意したと伝えた。9日付ガーディアン紙(英国)のジャスティン・マッカリー東京特派員は「北朝鮮、核実験が地震波を発生させたことを受け、『手のつけようのない無謀な振る舞い』を非難される」を掲載。北朝鮮は過去最強の核実験を実施したことを認め、近隣諸国や米国から実験直後に非難を浴びたと報じた。また日本は国連安全保障理事会の緊急会合を要請、安倍首相は北朝鮮の核兵器計画は日本にとって「重大な脅威」であり、菅官房長官は北朝鮮は「無法者国家」であるとし、日本政府は二国間の新たな制裁を検討していると述べたと伝えた。9日付AFP通信(仏)は「安倍首相、北朝鮮の核実験を受け、『断じて容認できない』」を掲載し、北朝鮮が今年2回目の核実験を強行したことに対し安倍首相が「我が国は北朝鮮に対して厳重に抗議し、もっとも強い言葉で非難する」などとの声明を発表したと伝えた。また11日付では「日米、北朝鮮の核開発で最大限の強い制裁措置検討」を掲載。米国国務省のソン・キム北朝鮮政策担当特別代表と金杉憲治・外務省アジア大洋州局長との意見交換について報じ、北朝鮮に対する最大限の強い制裁措置が必要だという認識で一致、日米間で協力していくことを再確認したと伝えた。10日付タイムズ紙(英国)社説「金氏の爆弾」では、北朝鮮による今回の核実験は「我々をアジアの大惨事へと一歩近づけている」と述べるとともに、北朝鮮に対し慎重な態度をとる中国の事情を説明しつつ「中国は核爆弾に猛進する金氏を見ている方がよいのである。しかし、これは無責任である。中国や韓国、日本は自らの敵対心を棚上げし、核開発を阻止できる方策を考えだすべきである」と論じた。13日付ウォールストリート・ジャーナル紙アジア版(米国)は「日本は北朝鮮の脅威を警告」を掲載。稲田新防衛大臣の訪米を前に、「最近の北朝鮮による核爆発やミサイル実験の急激な進展は、日米間のより緊密な軍事協力に弾みをつけた」と報じた。さらにミサイル発射に続く今回の核実験は、「国連が北朝鮮に対し制裁を含む対応を検討している中で、北京、東京、ワシントン、ニューヨークにおける非難と外交交渉の度合いを強めた」と伝えた。
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