小池百合子氏当選、初の女性都知事誕生
投稿日 : 2016年08月05日
注目すべき海外メディアの日本報道
(7月31日~8月2日)
2016年8月5日
小池百合子氏当選、初の女性都知事誕生
舛添前知事の辞職に伴う東京都知事選が7月31日に実施され、無所属で立候補した小池百合子氏が、自民、公明、こころの3党の推薦を受けた増田寛也・元総務相、民進、共産、社民、生活の野党4党の推薦を受けたジャーナリストの鳥越俊太郎氏らを大差で退け、初当選を決めた。期日前投票は過去最高を記録、投票率は59.73%で前回の46.14%を大幅に上回った。新知事は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催準備という重責を担うとともに、待機児童対策をはじめ喫緊の政策課題が山積している。 (写真:ロイター/アフロ)
8月1日付で各国メディアは初の女性東京都知事誕生について、勝因や異色の経歴とともに報じた。米国では、ニューヨーク・タイムズ紙のジョナサン・ソーブル記者が「東京が初めて女性を都知事に選出」を掲載。金銭的不祥事で失脚した前知事に代わり、初めて女性の都知事が選ばれたと報じ、小池氏は2020年の東京オリンピック準備について責任を負うことになるだろうと伝えた。ウォール・ストリート・ジャーナル紙のピーター・ランダース東京支局長は「東京が初の女性都知事を選出」を掲載。元防衛相の小池氏が初の女性都知事として次期オリンピックまでの4年間のかじ取りをすることになったと報じ、さらに小池氏は元ニュースキャスターで英語も堪能、日本で最も有名な政治家の一人であると紹介した。ワシントン・ポスト紙のアナ・ファイフィールド東京支局長は「2020年のオリンピックを前に、東京は初の女性都知事を選出」を掲載。東京・ワシントン両首都で知名度の高い小池氏は断固として自民党にたてついて都知事に立候補し、結果圧勝したと報じた。また、小池氏はオリンピックのほか待機児童や高齢者施設不足の解消に取り組むと誓ったと伝えた。CNNウェブサイトは「圧倒的勝利で小池百合子氏が初の女性都知事に当選」を掲載。小池氏は日本国内で3名しかいない現職女性知事の一人と伝えるとともに、日本社会は政治・ビジネスではいまだ圧倒的に男性優位であり、衆議院に占める女性の割合も低いなどとしている。
英国ではフィナンシャル・タイムズ紙アジア版のロビン・ハーディング東京支局長/稲垣佳奈記者が「東京、2020年のオリンピック・パラリンピックの準備を進める中、初の女性知事を選出」を掲載。安倍総理や与党の反対を押し切り、政党の支援なく出馬した小池氏が初の女性都知事に選出され、日本史上もっとも強力な女性政治家の一人となるであろうと報じる一方、スタジアム建設費をめぐる議論やロゴ盗用疑惑に苦しめられている2020年東京オリンピック開催に向け、東京都はこれで強力な指導者を手に入れるが、都議会は自民党が多数を占めているため、政治的対立が起こる可能性もあると指摘している。フランスではル・モンド紙、ル・フィガロ紙、リベラシオン紙、レ・ゼコー紙、ラ・クロワ紙などの主要各紙が初の女性都知事誕生を報じている。
韓国では、朝鮮日報日本語電子版の崔仁準東京特派員が「東京都知事選:『韓国人学校白紙化』小池百合子氏が当選」を掲載。世界ではパリ、ローマ、バルセロナなどの大都市で女性の首長が当選しており、小池氏はその追い風に乗った形となったと報じた。一方で、小池氏の当選により「東京の韓国人学校増設計画がどうなるのかが関心事となる」とし、小池氏が選挙運動の中で「白紙化すべきだ」と主張していたと伝えた。中央日報日本語電子版は「パリ・ローマに続いて東京都に女性知事…東京第2韓国学校の設立計画はどうなるか」を掲載。小池氏が選挙前に計画を白紙化するという意向を明らかにしていた東京第2韓国学校設立計画が懸念されるとし、小池氏は予定地に保育園や高齢者対策に活用できるとの考えを示しているため、状況は厳しいと述べた。2日付東亜日報日本語電子版はオピニオンで権純活論説委員が「初の女性東京都知事」を掲載。「日本は女性の政財界高位職への進出が難しい国」であるが韓国および台湾の女性大統領、米国の女性大統領候補に続いて日本の首都の首長に女性が就任したことは、世界の各地で吹いている「女風」の威力を実感させると論じた。中国では、新華通信社日本語電子版の薛天依記者が1日付で「日本・東京、初の女性都知事が選出され」と元防衛相の小池氏の当選を写真入りで報じた。
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