人気アイドルグループSMAP、解散騒動
投稿日 : 2016年01月22日
注目すべき海外メディアの日本報道
(1月13日~1月19日)
2016年1月22日
人気アイドルグループSMAP、解散騒動
1月13日早朝、人気アイドルグループのSMAPが解散の危機にあると、日本の複数のメディアが報道した。スポーツ紙などによると、SMAPの育ての親ともいえる女性マネージャーが事務所から退社するに合わせて、5人のメンバーのうち4人が共に退社を決意したため、事実上の解散になるのではないかと伝えられた。2016年にデビュー25周年を迎え、日本国内で幅広い世代に人気があることから、国内のさまざまなメディアで関連のニュースが飛び交った。
写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ
その衝撃は、SMAPが活動を広げているアジアのみならず世界各地に広がり、各国メディアが関心を寄せて報じた。BBC放送電子版(英国)は13日付けで、「日本、ポップグループSMAPの運命に釘付け」を掲載。SMAPが日本のアイドルとして初めてバラエティにも活動の幅を広げたこと、中国や韓国との友好関係の形成に多大な貢献を果たしていることなどを紹介した。ガーディアン紙電子版(英国)ではジャスティン・マッカリー東京支局長が13日付けで、「国民に愛されているボーイズバンドSMAPの解散に日本のJPOPファンが衝撃」を掲載。これまでにシングル50枚、アルバム20枚以上で総計3,500万枚以上のCD売り上げがあることに加え、リーダーの中居正広の“音痴”がバラエティ番組で定番のネタになっていること、宇宙飛行士の野口聡一氏がディスカバリー号に乗船していた際、SMAPが2003年にリリースした「世界に一つだけの花」を目覚ましの音楽にしていたなどの情報も紹介した。また、アメリカの音楽業界誌『ビルボード』の元アジア支局長、スティーブ・マックルーア氏が、20年以上にわたりSMAPを追い続けてきた経験から、「すでにアイドルとしての絶頂期は過ぎており、今回の解散は遅れた通過儀式ともいえる」と分析しているとも報じた。
またその後、18日に全メンバーが自身のレギュラー番組に生放送で出演して一連の騒動について謝罪した後も、BBC、ガーディアンを含む各国メディアが続報を伝えた。AP通信電子版(米国)は山口真理東京支局員が18日付けで、「日本のポップグループSMAPが解散の噂を否定」を掲載。番組で5人がそれぞれの言葉で状況を説明したことを伝えるとともに、一連の解散報道が日本の芸能界に衝撃を与えるほど影響力のあるグループであると報じた。ロイター通信(米国)は19日付けで「日本の国会議員、SMAPの活動継続に喜ぶ」を掲載し、安倍晋三首相までもが「多くのファンの願いに応えて、存続が決まったのは良かった」と発言したと紹介。ウォール・ストリート・ジャーナル紙電子版(米国)は19日付けで、本郷淳東京支局員による「日本のアイドルグループSMAPが解散報道について謝罪」を掲載し、菅義偉官房長官が定例記者会見で「メンバーが一堂に会して解散しないことを表明し本当に良かった。これからもさらなる活躍を期待したい」と述べたと報じた。
また、多くのSMAPファンを擁する中国、韓国、台湾でも多くの報道がなされた。新京報電子版(中国)は14日付けで、「“SMAP解散”、日本の音楽業界に激震走る」を掲載。2011年9月に北京で公演した際、同年3月に起こった東日本大震災への中国からの支援に感謝を述べたことを紹介した。朝鮮日報日本語版(韓国)は14日付けで掲載した「日本の国民的グループ『SMAP』解散危機」の中で、SMAPの番組にチェ・ジウなど多くの韓流スターが出演してきたこと、歌だけでなく俳優やバラエティもこなす活動スタイルは、韓国のアイドルグループのモデルになっていると伝えた。中央通訊社電子版(台湾)は18日付けで「SMAP木村拓哉、台湾記者の質問に笑顔見せる」を掲載。先月30日に行われた「第66回紅白歌合戦」のリハーサル後の取材で、メンバーの一人が台湾にCMの撮影で訪れた際、温かい歓迎ぶりに驚き、再訪を希望しているとコメントしたと報じた。
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