注目すべき海外メディアの日本報道(2013年5月31日)
投稿日 : 2013年05月31日
「注目すべき海外メディアの日本報道」では、日本発のものを中心に、日本のみなさまに知っていただきたい日本関連の報道をご紹介し、できるだけオリジナルの記事(Web版)へのリンクも貼っております。
注目すべき海外メディアの日本報道
(5月14日~5月28日)
2013年5月31日
1. 橋下大阪市長の「従軍慰安婦」問題発言を巡り、各国メディアが報道
5月13日、橋下徹・大阪市長(日本維新の会共同代表)がいわゆる「従軍慰安婦」の問題について「当時は必要だった」等と発言したほか、沖縄の在日米軍幹部に風俗業の活用を進言したことを明らかにした。これを受け、14日付ニューヨーク・タイムズ紙(米国)は、田淵広子記者による東京発の記事を掲載。橋下氏の発言が、韓国メディアのほか、民主党の海江田万里代表を含む日本国内の国会議員、人権団体による非難、抗議を招いていると伝えた。15日付オーストラリアン紙(オーストラリア)は、リック・ウォレス東京支局長による記事「猛者軍隊に慰安婦は必要だった」を掲載。橋下氏は国会議員ではないものの、国会で50以上の議席を有する政党の党首であり、自らの発言について、100万人以上のフォロワーを持つツイッター上で、いつもの挑戦的な擁護を声高に続けていると伝えた。韓国の東亜日報は、16日付で「歴史認識に欠けた安倍総理と橋下氏の軽率な発言」と題する社説を掲載し、強制動員や騙して連れて行った従軍慰安婦と自発的売春とを同じ範囲内でとらえる考え方から、彼の歴史認識の軽さが感じられると批判した。
2. 飯島内閣官房参与の北朝鮮訪問を巡る米国主要紙報道
飯島勲内閣官房参与は5月14日から18日まで北朝鮮を電撃訪問し、同国ナンバー2の金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長らと会談した。15日付ニューヨーク・タイムズ紙は、マーティン・ファクラー東京支局長による記事「日本の総理側近が稀な北朝鮮訪問を行う」を掲載。記事は、平壌空港で飯島氏を北朝鮮外務省の金アジア局副局長が出迎えたとの共同通信報道を踏まえ、こうした出迎えは飯島氏の訪朝が公務であることを示していると指摘。また、「飯島氏は安倍総理の訪朝に向け準備しているのかも知れない」との日本のニュース解説者の推測を伝えた。20日付ウォール・ストリート・ジャーナル紙は「飯島氏の訪朝、同盟国に苛立ち」と題する記事を掲載。日本の拉致問題への執着は北朝鮮の孤立政権と武器プログラムに対する国際的努力の妨げと見られることが多く、米韓の政府関係者は「独自の動きは協調体制を弱めかねない」と警告した、と報じた。
3. 日英主要メディアが引き続き、「アベノミクス」に注目!
16日付フォーリン・アフェアーズ誌(米国)電子版は、「日本は戻ってきた」と題し、同誌テパーマン編集長による安倍総理対面インタビューを掲載。アベノミクス、歴史認識、靖国参拝、尖閣諸島を巡る問題、憲法問題等に関する総理の考え方を伝えた。英国のエコノミスト誌18日号は、安倍総理をスーパーマンに模した表紙を掲載したほか、「日本のマスタープラン」と題する社説を掲載した。
21日付ニューヨーク・タイムズ紙(米国)は、マーティン・ファクラー東京支局長による記事「日本の新たな楽観主義:『アベノミクス』」を掲載した。記事は、日本の1-3月期の成長率が3.5%であったことに関し、家計消費がその成長の最大部分を占めていたことの重要性を指摘。これまでのところ、経済的楽観主義は国内の富裕層にほぼ限定されているとしながらも、もし楽観主義が広まれば、慎重な日本の預金者を消費するよう説得することで、日本は再生に向けた極めて重要な一歩を踏み出すことになるだろうなどと報じた。また、25日付ワシントン・ポスト紙(米国)は、国際面のトップにチコ・ハ-ラン東京支局長の記事「日本はアベノミクスの下で復活の精神を掴む」を掲載。記事は、これまでのところ、アベノミクスは予測よりも良く機能しており、消費が刺激され、株式市場が活性化し、GDPも伸びを見せていると伝えた一方、経済の好調さが一時的なものでないかとの懸念や自国の先行きに関する悲観主義も根強いと報じた。
<関連リンク>
外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/sekai/index.html