注目すべき海外メディアの日本報道(2015年7月17日)
投稿日 : 2015年07月17日
注目すべき海外メディアの日本報道
(7月13日~7月15日)
2015年7月17日
任天堂の岩田聡社長死去、各国メディアが報じる
大手ゲーム機メーカー・任天堂社長の岩田聡氏が11日、胆管腫瘍のため京都市内の病院で死去した、55歳だった。岩田氏は昨年6月に胆管腫瘍の手術を受け、その約2か月後に復帰。先月26日の株主総会にも出席し、社長の続投が決まっていた。後任社長は決まっていない。岩田氏は2000年、任天堂の故・山内溥社長(当時)に請われ、取締役として入社。2002年、42歳の若さで社長に抜擢された。「ニンテンドーDS」(2004年)や「Wii」(2006年)の生みの親であり、両ゲーム機は世界での累計販売台数が1億台を超える大ヒットとなり、2009年3月期には過去最高の売上高と営業利益を記録した。その後は後継機種の販売不振により営業赤字に陥った時期もあったが、最近は新しい事業展開にも意欲を見せていた。
世界的に知名度の高い岩田氏の訃報は国内外に衝撃を与え、任天堂による13日の同氏死去の発表を受け、欧米各国メディアもが相次いで報じた。その中ではジャーナリストや経営者、ファンからの哀悼の言葉とともに同氏の業績や人柄も多数紹介されている。13日付CNN電子版(米国)は「自分自身のルールに従った任天堂社長の岩田聡氏」および「ファンが任天堂社長の岩田聡氏の死を悼む」を掲載し、ゲームを楽しむ層の拡大に尽くした岩田氏の死を悼んだ。また13日付シアトル・タイムズ紙(米国)の「岩田聡・任天堂社長が55歳でガンのため死去」では、岩田氏がニンテンドー・オブ・アメリカのCEOを兼務し、同社がシアトルマリナーズの主要オーナーでもあることが紹介されている。13日付AP通信(米国)は影山優理記者による「成功と苦難を通り抜けた任天堂の岩田氏、55歳で死去」の記事で、岩田氏が任天堂をグローバル企業に育て上げた功績とともに、ファンや元ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)社長の久多良木健氏からの哀悼の声も載せている。13日付ロイター通信社電子版(米国)の安藤律子記者よる「任天堂社長死去、ゲームの魅力を広める」では、今年3月にDeNAと業務・資本提携、スマートデバイス向けゲームアプリの共同開発を発表した矢先だったと報じた。15日付ワシントン・ポスト紙(米国)は、「任天堂をゲーム業界の盟主へ導いた」を掲載し、岩田氏が任天堂を世界的企業に押し上げた業績等について報じた。その他、16日付フィナンシャル・タイムズ紙(英国)はコメント欄に「テレビゲームに魔法をかけた任天堂の魔法使いたち」を掲載し、岩田氏の下での任天堂の浮き沈みを紹介しつつ、魔法はテクノロジーに勝つ、という他の商売敵がわからないことを理解していた同氏の洞察の鋭さを伝えた。
中国・韓国メディアも訃報を報道した。13日付で、中央日報日本語電子版(韓国)は「任天堂社長が死去…任天堂DS・Wiiの開発を主導」を掲載。14日付人民日報日本語電子版(中国)も任天堂のビデオゲーム事業を黄金期に導いた岩田氏の写真とともに「任天堂、岩田社長の時代 氏の逝去を悼む」を掲載。14日付朝鮮日報日本語電子版(韓国)は「訃報:岩田聡さん55歳=任天堂社長」を掲載し、社長就任からスマートフォンの無料ゲーム市場の急成長により、ゲーム機用ゲームに事業を集中させていた同社の経営が厳しい状況に置かれていた最近の業績について報じた。また、14日付新華通信社日本語電子版(中国)は「任天堂社長が逝去 任天堂の人気ゲームを振り返る」と題し、岩田氏が開発に携わったスーパーマリオやポケモン等複数の画像によってその成果を振り返った。
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外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」