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注目すべき海外メディアの日本報道(2015年7月3日)

投稿日 : 2015年07月03日

注目すべき海外メディアの日本報道

(6月30日)

 平成27年7月3日

 

新幹線での放火事件について主要メディアが報じる

6月30日午前、東京発新大阪行きの東海道新幹線「のぞみ225号」の車内で、男が灯油のようなものをかぶり、自ら火をつけて死亡した。列車は新横浜駅と小田原駅の間で緊急停車した。乗務員が火を消し止めたが、乗客の女性1人が巻き込まれて死亡したほか、26人が煙を吸うなどして重軽傷を負った。JR東海によると、復旧までに上下線計43本が運休し、遅れも含めて計約9万4000人の利用客に影響が出た。警察は、71歳の男が車内で焼身自殺を図った疑いがあるとみて放火の疑いで捜査を開始。1964年の開業以来、乗客の死亡事故がなく「安全」とされてきた新幹線で起きた事件に、衝撃が広がった。

 

速報では、各国の主要メディアが、日本メディアの報道や映像を交えて報じた。ロイター通信(米国)は、30日付けで、竹中清記者「日本の新幹線で男が自分に火をつける もう一人の乗客も死亡」を東京発で配信。「火があっという間にあたり一面に広がった」という乗客の証言を紹介するなどした。ブルームバーグ通信(米国)も、同日付けで、松田潔社記者高橋舞子記者による「新幹線で男が焼身自殺; 運転一時見合わせ」を載せ、「テロの可能性は低い」とする菅官房長官のコメントなどを伝えた。ガーディアン紙電子版(英国)は、ジャスティン・マッカリー東京特派員「日本の新幹線 男が自分に火をつけた後の火災で2人死亡」(30日付け)で、新幹線の運行時間が非常に正確であることや、これまで死亡事故がないことなどを紹介した。アジアでは、新華通信社英語電子版(中国)が、東京発で、「東京近郊を走る新幹線内の焼身自殺で1人巻き添え、20人けが」を掲載。また、中央日報日本語電子版(韓国)は、「新幹線車内で70台の乗客が焼身自殺…2人が死亡」で、乗客がSNSを通じて車内の状況を次々と伝えたことなどを報じた。

 

放火した男が、灯油をリュックに入れて車内に持ち込んだとみられることから、新幹線のセキュリティについて解説する記事も目立った。前出の中央日報日本語電子版は、乗客への不便を考慮し航空会社のような手荷物検査は導入していない」とのNHKの報道を紹介した。また、AFP通信(フランス)も、30日付けで、小澤治美記者「日本の新幹線で乗客が焼身自殺、2人死亡」を東京発で掲載。新幹線では、乗客の手荷物検査が行われていないことなどを紹介した。また、ニューヨーク・タイムズ紙電子版(米国)は、ジョナサン・ソブル記者「新幹線での焼身自殺で2人死亡」を同日付け(東京発)で掲載。新幹線は利用客が多く、ピーク時には数分おきに列車が発車するため、空港で実施しているようなセキュリティチェックは難しいだろうとの見方を載せた。

 

また、日本の自殺率にふれる報道もあった。BBC放送電子版(英国)は、30日付けで、「日本の新幹線 “焼身自殺”の火災で2人死亡」を掲載。日本が安全な国で新幹線はとても安全な乗り物であることから日本人が受けたショックは大きいことなどとともに、日本の若者の間で自殺率が上昇していることなどを紹介した。

 

 <関連リンク>
外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/sekai/index.html

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