注目の日本報道

一覧に戻る

注目すべき海外メディアの日本報道(2013年10月4日)

投稿日 : 2013年10月04日

注目すべき海外メディアの日本報道

(9月23日~9月30日)

2013年10月4日

 

1. 国連総会に伴う安倍総理の発言を米メディアなどが報道

安倍総理は9月23-27日、カナダ、米国を訪れた。米ニューヨークでの国連総会で一般討論演説を行ったほか、シンクタンクなどでも講演し、成長戦略や安全保障政策をアピールした。

 

25日付ウォール・ストリート・ジャーナル紙(米国)電子版は、関口陶子記者による記事で安倍総理が出国前に語った「21世紀の女性の役割の重要性を強調したい」との発言にふれ、素晴らしい狙いも実質的な政府の行動が伴わなければ掛け声倒れだとの識者の声を伝えた。26日付同紙は、「ウィメノミクスの力を解き放つ」との安倍総理の寄稿を掲載。総理は女性の雇用拡大策を示し、2020年までに女性の労働参加率を現在の68%から73%に引き上げるとした。ブルームバーグTV(米国)は27日、女性の役割や日本の「軍事力」についての安倍総理へのインタビューを放送。総理は、「積極的平和主義」にのっとり、世界の平和と安定に貢献したいが、憲法の基本的な考え方は一切変えないと語った。同日付ウォール・ストリート・ジャーナル紙(米国)電子版は、「安倍総理、タカ派の態度とポップカルチャーの知識をひけらかす」との関口陶子記者による記事を掲載し、安倍総理は自らの殻を打ち破ったと報じた。「スピーチに満ちた旅程」の中、アメリカのポップカルチャーからの引用を散りばめた演説を行ったが、演説が進むにつれ引用はわかりにくくなったとした。

 

安倍総理の会見中の発言などを引き合いにした、日中関係についての報道も目立った。

 

26日付ワシントン・ポスト紙(米国)は、昨年の国連総会では遠く離れた島々を巡り日中で怒りに満ちたやり取りを繰り広げたと指摘するAP通信の記事を転載。軍事的な緊張が高まる恐れは残っているものの、G20中に日中首脳がごく短く意見交換してからは、両国関係はわずかながら落ち着いてきたようだと論じた。27日付ロイター通信(米国)電子版は、太平洋の島々について、「領有権について日本が妥協することはない。当方から事態をエスカレートさせることはない」との安倍総理の発言を報じた。AP通信(米国)は同日、米国は行き詰まりを懸念しており、衝突が起きれば同盟国として巻き込まれるかもしれないとの見方を伝えた。28日付ニューヨーク・タイムズ紙(米国)は、「中国が領有権を主張する諸島に対し、日本の総理は決して妥協しないと明言」との短信を掲載。AFP通信(フランス)も29日、「安倍総理、中国との対話にドアはオープン、譲歩はしない」との記事を配信した。

 

 

2. 日韓関係を韓国各紙が報道

9月26日午後(現地時間)、ニューヨーク市内のホテルで岸田文雄外相と韓国の尹炳世外相が会談し、歴史認識問題や韓国政府による日本の8県の水産物輸入禁止の措置などについて意見を交わした。同会談の前後、韓国各紙が両国関係について報じている。

 

27日付中央日報日本語版は、当初の予定より20分ほど長い約50分の会談だったものの、「お互いの立場の差だけを確認したまま成果なく終わった」と伝えた。

 

23日付東亜日報日本語版は、「韓日対立の最大の被害者は『在日同胞』」を掲載。水産物輸入禁止の発表のタイミングを「多少残念」と形容し、「たとえ相手国が国際基準を守らなくても、歴史で対立して憎くても、相手に不利になる内容の発表は、日程を調整する『小さな配慮』が両国の関係改善をもたらす踏み台になる」と論じた。18日付中央日報日本語版は、ソ・スンウク東京特派員によるコラムで、国際オリンピック委員会(IOC)総会での日本のプレゼンテーションを評価し、安倍総理は「IOC委員の心をつかもうと演説を練習したその気持ちで、背を向けた隣国の心をつかむことから始めなければならない」とした。27日付ハンギョレ新聞日本語版は、チョン・ナムグ東京特派員によるコラムで、「一部の日本の指導者に伺える軍国主義的思考は明らかに警戒し牽制しなければならない」としたうえで、韓国政府などの「歴史認識問題を前面に掲げて日本との対決の先鋒隊として出るような今の姿は責任ある姿勢ではない」と指摘した。

 

 

<関連リンク>

外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/sekai/index.html

FPCJとは
取材協力
取材に役立つ情報
活動の記録
外国への情報発信