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【秋田県】豊かな木々に育まれた「秋田の伝統的工芸品」について

投稿日 : 2025年10月07日

秋田県は、県土の72%を森林が占める緑豊かな県です。

森林の多くはスギ、ナラ類、ブナなどで、現在、住宅建築等の製材や合板が生産され、木材産業が本県の重要な産業の一つとなっています。

秋田県では昔から、このような豊かな森林資源を活かした産業が活発であり、各地で伝統的工芸品がつくられておりますので、ご紹介いたします。是非、秋田県の伝統的工芸品の魅力を感じていただきたいと思います。

詳細は「手しごと秋田ウェブサイト(https://akita-tesigoto.jp/)をご覧ください。


(写真:秋田県内の里山)

 

樺(かば)細工(ざいく)


樺細工は、《みちのく小京都》とも言われる仙北市角館町でつくられているヤマザクラの樹皮を使った伝統的工芸品です。

熟練の技術で剥がしたヤマザクラの樹皮を磨いて仕上げます。樹皮を剥がしたヤマザクラはまた新たな皮が張り、最初とは異なった趣を見せるのも特徴です。このことが今後の樺細工制作に活用されるかもしれません。

230年前に武士の内職として印籠や胴乱などの製作から始まったといわれ、その優れた防湿性や乾燥を防ぐ性質などから、茶筒など日用品として多くの方に愛用され続けています。

 

○大館曲げわっぱ


「大館曲げわっぱ」は「秋田犬」と並ぶ、大館市の名物です。その歴史は古く、10世紀初頭の遺跡からも発見されています。

薄く削いだ秋田杉を熱湯につけ、柔らかくしたうえで曲げ、山桜の皮で縫い止めする技法は、職人たちが代々受け継ぎ現代に至っています。アルミやスチール、プラスチックなどに押され生産が縮小しましたが、近年は、安全性に気遣い自然の素材の持つ良さを大切にする本物志向の方々に愛されています。 

 

川連(かわつら)漆器(しっき)


今から830年ほど前にこの地に住んでいた領主の弟が、家臣に内職として、武具に漆を塗らせたことが始まりといわれています。17世紀中頃には本格的に漆器産業が始まり、水運にも恵まれていたこの地は、漆器の一大産地として発展しました。 

煙で木地を燻し、潤沢に漆を塗って磨かずに仕上げる「花塗り」が特徴で、軽くて丈夫なことから実用的な器として日常の食卓で使われてきました。現在は、インテリア製品やコーヒーカップなど海外の方の生活になじみやすい商品もつくられています。

 

○秋田杉桶(おけ)樽(たる)


秋田市内にある秋田城遺跡から1516世紀のものとみられる桶の一部が発見されるなどの長い歴史があり、江戸時代には秋田を治めていた藩主佐竹氏の保護のもと、産地が形成されていきました。

桶と樽の大きな違いは固定した蓋の有無です。秋田杉の木目が美しく、木の香りや吸湿性、断熱性もあるため、固定した蓋のある樽は主に酒樽、蓋が固定されていない桶はお櫃(ひつ)として、現在もこだわりのある酒蔵や料理人などに求められています。

 

○お問合せ 

秋田県 産業労働部 地域産業振興課

E-mailinduprom@pref.akita.lg.jp

手しごと秋田ウェブサイト:https://akita-tesigoto.jp/

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