沖縄・宜野湾市長選で現職が再選
投稿日 : 2016年02月01日
注目すべき海外メディアの日本報道
(1月22日~25日)
2016年2月1日
米軍普天間飛行場がある沖縄県宜野湾市の市長選が24日に行われ、自民・公明が推薦する現職の佐喜真淳氏が、名護市辺野古への移設計画に反対する新人を抑えて当選した。佐喜真氏は移設計画の是非にはふれず、「基地を固定化しない」「(基地)の早期返還と危険性の除去が最優先」などと訴えていた。普天間飛行場の移設を巡っては、移設を推進したい政府と移設に反対する翁長雄志沖縄県知事の対立が続いており、安倍首相は選挙結果について「大きな、勇気づけられる勝利を得ることができた」と歓迎した。一方、翁長知事は「私が今日まで主張してきたオール沖縄の意見というのは、これからも高まりこそすれ、静まることはないと思う」と述べた。(写真:AP/アフロ)
大手通信社や米国、中国のメディアなどが報じた。ニューヨーク・タイムズ紙電子版(米国)は、選挙を前に「沖縄県民の負担を軽減せよ」(22日付)と題した社説を掲載。グアム、ハワイ、オーストラリアへの基地移転が、沖縄の負担軽減と安全保障上の要請を叶えるために「唯一現実的」だとする報告書の主張を紹介しつつ、重要な論点として、東シナ海で拡大する中国の勢力に最もさらされている沖縄は日米同盟にとって安全保障上欠かせないものの、両国が基地への市民による支援を維持するためには、経済活性化策をてこ入れしなくてはならないとの背景を紹介した。ロイター通信電子版(米国)は、24日付けで、エレイン・ライズ記者による「政府が支持する候補が沖縄の選挙で勝利へ 安倍首相にはずみ」を東京発で掲載。選挙結果について、「評判のよくない米軍飛行場を移設する長年の計画を動かすためのカギとなる勝利」と伝え、現職を支援する安倍首相が沖縄により多くの予算をつけることで、基地の跡地に大型リゾート施設を誘致するなどの佐喜真氏の方針を援護しているなどと報じた。AFP通信(フランス)は、25日付けで「基地反対派の候補者、選挙戦上重要な沖縄の市長選で敗北:メディア」を掲載。当選した佐喜真氏が、普天間飛行場の移設について「移設先については日米の両政府が決めることで、言及する立場にはない」と述べたことなどを伝えた。
アジアでは、新華通信社電子版(中国)が、24日付けで「日本の沖縄の市長が再選、米軍基地移設後土地の返還を要求」を東京発で掲載。今回の結果は、安倍首相にとって、今夏に控えた参院選に向けて重要な意味を持つと伝えた。
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