今年6月、「G7三重・伊勢志摩交通大臣会合」が、三重県志摩市で開催されます。
三重県は、日本のほぼ中央の太平洋側に位置し、南北に細長く、東部から南部にかけて伊勢湾と熊野灘に面しており、その海岸線の長さは1,000km以上に及び、変化に富んだ地形や環境を生かして、様々な産業が発展してきました。
会合開催地の志摩市を含む伊勢志摩地域の沿岸では、特徴的なリアス海岸の地形と豊かな藻場が形成された生態系を活用しながら、女性による伝統的な素潜り漁を現代まで継承している海女漁や、世界に先駆けて発達し高品質な真珠を生産してきた真珠養殖業など、自然と人の営みが調和した歴史・文化、産業が育まれてきました。
そこで今回、三重県の首都圏営業拠点「三重テラス」(東京・日本橋室町)に外国プレスと大使館の皆さまをお招きし、三重県の特色ある歴史・文化、産業と、それらを取り巻く海洋環境の変化、課題解決に向けた取組についてご紹介するとともに、三重県の食の魅力を味わっていただく昼食会を開催します。
希望者を対象とした体験・交流イベントもございます。皆さまのご参加をお待ちしています。
<実施概要>
■日時:2023年2月28日(火) 11:00~13:00(希望者14:00まで)(10:30~受付開始)
■場所:三重テラス(東京都中央区日本橋室町2-4-1 YUITO ANNEX 1F・2F)
URL https://www.mieterrace.jp/
アクセス・地図 https://www.mieterrace.jp/access/
■主催:G7三重・伊勢志摩交通大臣会合推進協議会
■参加費無料(定員20名)・英語通訳付き(逐次)
【2階イベントスペース】
〇11:00~11:45 三重の海洋をめぐるグローバルな環境変化とローカルな挑戦
人と自然が生み出す海からの贈り物“真珠”
〇11:45~11:55 (質疑応答)
〇11:55~12:15 古来より素潜り漁に生きる女性たち“海女”
【1階レストラン】
〇12:15~13:00 昼食会
三重県産食材を使用したイタリアンのランチコースです。地酒等のドリンクとともにご堪能ください。
~ はじまりの一口 ~
~ 三重県産 魚介のカルパッチョ 本日のスタイルで ~
~ 三重県産 サザエのオーブン焼き ~
~ 真珠貝柱のパスタ ~
~ 松阪牛のグリル ~
~ 三重テラス風 伊勢茶のティラミス ~
※メニューは変更となる場合があります。
※アレルギー等がある場合は、お申し込みの際にお知らせください。
【2階イベントスペース(希望者対象)】
○13:00~14:00 アコヤガイからの真珠取出し体験
自分の手で取り出す皆さまだけの特別な真珠です。どんな真珠が出てくるか、リアルな体験をお楽しみください。
現役海女との語らい
是非この機会に、現役海女さんからお話をお聞きください。海女文化に関する資料の展示もございます。
■参加申込
以下の内容をメールにてお送り下さい。 ※申込締切:2023年2月24日(金)
宛先:下記「お問合せ」のとおり
(1)参加者氏名:
(2)所属機関名:
※メディアの場合:機関種別(新聞、雑誌、TV等)、機関国籍
(3)携帯電話番号(当日連絡用):
(4)その他(アレルギー、取材に関する要望など):
(5)午後の「真珠取出し体験」、「現役海女との語らい」への参加希望:
※当日参加も可能です。事前にお知らせいただけますと幸いです。
■お問合せ
フォーリン・プレスセンター広報戦略課
担当:佐藤 彩子
Email: sc@fpcjpn.or.jp TEL: 03-3501-5251
■その他
(1)新型コロナウイルス感染症に関する対応について
参加者は、イベント開始前の検温、イベント中のマスクの着用、手洗い・アルコール消毒など、感染防止対策にご協力ください。
(2)イベント当日の様子を記録した動画、写真、記事を、主催者のホームページやSNS等に掲載することがありますので、予めご了承ください。
(3)イベント当日、三重県の記者が取材に来場する場合があります(所定の場所での撮影取材のみ)。
(詳細参考資料)
三重の海洋をめぐるグローバルな環境変化とローカルな挑戦
三重県農林水産部水産研究所 研究管理監 博士(水産学) 青木(あおき) 秀夫(ひでお)
近年、世界的に地球温暖化が進行しており、これに伴い日本周辺の海水温も上昇している。三重県水産研究所が行ってきた水温の長期観測によると、三重県の英虞湾では過去 100 年あたり約 1.1℃の上昇(平均値)が記録されている(地球全体の海面水温の場合は0.56℃上昇)。
また近年では、暖流である黒潮の流路(大蛇行)の影響によって、三重県沿岸に暖水が流入しやすい状況がもたらされ、極めて高い海水温が記録されている。こうした高水温化は、三重県の海洋環境や水産業に変化を及ぼすものであり、藻場の減少や真珠をはじめとする養殖生産等にネガティブな影響を与えている。
三重県の海洋環境の高水温化の現状と、水産業の持続的な発展に向けた課題解決の取組についてSDGsの視点も含め紹介する。
人と自然が生み出す海からの贈り物“真珠”
三重県農林水産部水産研究所 主査研究員 博士(学術) 渥美(あつみ) 貴史(たかし)
真珠は、生きものがつくる宝石である。三重県の伊勢志摩地域は、真珠養殖産業発祥の地であり、G7交通大臣会合が開催される志摩市の英虞湾は、現在も国内のアコヤ真珠の主要な生産地となっている。この地の真珠養殖業者は高度な養殖技術を持ち、アコヤガイを適切に養殖管理することにより、小さなもの(厘珠)から大きいもの(大珠)まで様々なサイズの高品質な真珠を生産している。
近年、気候変動等によって真珠養殖を取り巻く環境が変化する中、高品質な真珠を安定的に生産することが困難となっている。
こうした状況を踏まえ、養殖業者や三重県、市町等がどのように立ち向かい、解決を図ってきたのか、真珠養殖産業の持続的な発展に向けた取組について紹介する。
古来より素潜り漁に生きる女性たち“海女”
海女 山下(やました) 眞千代(まちよ)(海女歴48年・三重県志摩市出身)
海女 新井(あらい) 圭織(かおり) (海女歴10年・大阪府三島郡出身)
鳥羽市立 海の博物館 石原(いしはら) 真伊(まい)
豊かな海産物に恵まれた鳥羽・志摩は、全国の約半数の海女が活躍する日本一の「海女に出逢えるまち」である。
女性が素潜りでアワビ、サザエや海藻を獲る海女漁は、3000年前から変わらないスタイルにより現在まで受け継がれてきた伝統的な漁法であるとともに、世界でも日本と韓国のみに存在する希少な漁法でもある。
また、海女漁は漁期や漁獲可能サイズ等の厳しい漁獲制限による資源管理を行い、古くから持続可能な取り組みにより自然と人間との共存を図ってきた。
その取り組みや歴史性により、鳥羽・志摩の海女漁は、2017年に国の重要民俗文化財に指定され、同年には日本農業遺産、2019年には日本遺産にも認定された。
現役海女のお二人を招き、豊かな自然とともに受け継がれてきた海女漁の技術、海女文化について紹介するとともに、質疑応答形式でリアルな声をお届けする。