仏教AIヒューマノイドロボット「ブッダロイド」の開発 -身体性を獲得した仏教AIと対面での触れ合いを実現-
1.背景
京都大学 人と社会の未来研究院の熊谷誠慈教授と株式会社テラバース古屋俊和CEOらの研究開発グループは、様々な仏教チャットボットや仏教AR(拡張現実技術)など、多数の宗教AIプロダクトを開発してきました。他方、チャットボットやARに欠如している「身体性」の獲得が、さらなる課題として要求されてきました。そこで、同研究開発グループはヒューマノイドロボット開発に着手しました。
すでに、キリスト教においては、修道女(ClémenCE)や天使(CelesTE)などを模した、宗教者や超越者のロボットが存在し、仏教においても観音菩薩(Mindar)や読経する僧侶(Pepper)などを模したロボットの開発事例が報告されています。一部のロボットは対話機能を備えています。(Kristina Eiviler, “Robots and Religions,, University of Zurich – Kyoto University Symposium 2026, Zurich: University of Zurich, February 6, 2026. 口頭発表)
しかし、二足歩行が可能で、人間に近い全身動作を実現し、身体的接触を伴う対面環境で、自然な口頭対話を行う宗教AIヒューマノイドロボットは、現時点では広く実装された例は確認されていません。
2.開発成果・開発内容
このたび、京都大学熊谷ラボ、株式会社テラバース、株式会社XNOVA(代表:八鳥孝志)の共同研究開発グループは、仏教AIヒューマノイドロボット「ブッダロイド」を共同開発しました。本ロボットは、Unitree Robotics社(本社:中国 杭州市)製のUnitree G1ヒューマノイドロボットに、仏教対話AI「ブッダボットプラス」を搭載した、仏教AIヒューマノイドロボットです。
ブッダロイドの開発は、以下の3点に集約されます。
(2-1)仏教対話コミュニケーション
ブッダロイドに組み込む、仏教対話コミュニケーションシステムは、「ブッダボットプラス」を利用しています。ブッダボットプラスは、ChatGPTの最新版を応用し、仏教経典の文言を回答として提出したうえで、OpenAIの大規模言語データベースにもとづいて、解釈や追加説明を生成し提供するという構造を採用しています。
(2-2)ヒューマノイドロボットによる身体性の付加
ベースとなるヒューマノイドロボットには、Unitree Robotics社製「Unitree G1」を採用し、宗教空間での対話に適した身体動作を設計・実装しました。具体的には、以下の仏教的所作をロボットに学習させています。
・歩行動作:宗教空間に適した、ゆるやかで荘厳な速度での移動
・礼拝動作:相手に対して敬意を表す所作
・合掌動作:仏や菩薩、高僧等への信仰や敬意を表す仏教における代表的な所作
音声認識による問いかけの受付から、AIによる応答生成、音声合成による発話、そして身体動作までを一体的に制御することで、言葉と身体が調和した対話体験を実現しています。
(2-3)ELSI(倫理的、法的、社会的課題)の検討
仏教AIに身体性を付加することによる利点とリスクの両面ついて、ELSI(倫理的・法的・社会的課題)の議論を進めています。
3.仏教AIヒューマノイドロボットの意義と波及効果
「ブッダロイド」は、「仏教」×「AI」×「ロボティクス」の融合により実現しました。既存の仏教チャットボット、仏教ARに加え、今回の仏教AIヒューマノイドロボットの開発により、身体性を持ち合わせた発展的な宗教テクノロジーへと進化しました。
ブッダロイドは、宗教界におけるAIヒューマノイドロボット活用の可能性について、学術的・社会的議論を喚起するとともに、産業等の分野への応用も期待されます。
宗教儀礼やティーチングなどの宗教活動の一部については、ヒューマノイドロボットが代行できる可能性があります。
経営哲学などを学習させた「思想AIヒューマノイドロボット」を誕生させることで、経営アドバイスや経済分析などのコンサルティングを行えるヒューマノイドロボットと職場で協働することも期待されます。
今後も京都大学熊谷ラボは、株式会社テラバースや株式会社XNOVAと共同で、最新技術と人間精神の調和と前進、その需要と供給を満たすため、人類史を代表する哲人や聖者たちのチャットボット、XR、ヒューマノイドロボットなどの宗教AI・ロボティクス技術を順次開発し、デジタル空間に豊かな伝統知を拓いて再現していく予定です。
<研究者のコメント>
既存の仏教チャットボット、仏教ARに加えて、今回、仏教AIヒューマノイドロボットを開発したことで、仏教AI開発を、身体性・対面性を含む新たな段階へと発展させることができました。今後、様々な宗教や哲学とテクノロジーを融合した「伝統知テック」開発をさらに加速し、より豊かなデジタル文化を提供して参りたい所存です。
<本プロジェクト関するお問い合わせ先>
熊谷誠慈(くまがい・せいじ)
京都大学 人と社会の未来研究院 副研究院長・教授
E-mail:kumagai.seiji.3m*kyoto-u.ac.jp
お手数ですがメール送信の際に、*を@に変えてお送りください。
熊谷誠慈(くまがい・せいじ)
京都大学 人と社会の未来研究院 副研究院長・教授
E-mail:kumagai.seiji.3m*kyoto-u.ac.jp
お手数ですがメール送信の際に、*を@に変えてお送りください。
<報道に関するお問い合わせ先>
京都大学 広報室国際広報班
TEL:075-753-5729 FAX:075-753-2094
E-mail:comms*mail2.adm.kyoto-u.ac.jp
お手数ですがメール送信の際に、*を@に変えてお送りください。
京都大学 広報室国際広報班
TEL:075-753-5729 FAX:075-753-2094
E-mail:comms*mail2.adm.kyoto-u.ac.jp
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<画像> 仏教AIヒューマノイドロボットの開発に成功(©熊谷誠慈、ChatGPT5.2)



