オンラインインタビュー 第一回『米国・デトロイトニュース紙 ノーラン・フィンレー社説面編集者』
投稿日 : 2020年06月08日
~新型コロナパンデミック、世界はどう乗り越えるか~
第一回『米国・デトロイトニュース紙 ノーラン・フィンレー社説面編集者』
世界で猛威を振るう新型コロナウイルス。感染拡大の影響で、外出制限、在宅勤務、ソーシャルディスタンスなど、世界各国で感染防止に向けた様々な取り組みが進められる中、 私たちの生活スタイルは大きく変容しました。世界では、どのようにこの難局を捉え、乗り越えようとしているのかーーーー。FPCJは、日本を知る 海外ジャーナリストを対象に、各国の予防策や生活の様子など、新型コロナウイルスをめぐる日本や世界の最新状況についてオンラインインタビューします。
シリーズ第一回目のインタビューは、米国・「デトロイトニュース」紙のノーラン・フィンレー社説面編集者です。フィンレー記者は、2018年3月に来日し、主に日米関係、TPP問題をテーマに取材しました。記者の父親が沖縄戦に従軍したことから強く希望した沖縄取材では、同い年の平和ボランティアとの「素晴らしい出会い」(フィンレー記者)もあって記事を執筆、報道しました。
今回のインタビューで、同氏は、同州の老人ホームなどの高齢者施設で拡大した当地の感染状況や経済活動について言及しています。州内の感染状況、感染防止策は、在デトロイト日本国総領事館ホームページ(外部サイトにリンク)を御参考下さい。
※動画の一部にノイズが含まれます点、予めご了承下さい。
【インタビュー全文(FPCJ仮訳)】
Q1. 日本の新型コロナウイルス感染症への対応をどのようにご覧になりますか。
(フィンレー記者)私は遠くから見ていますが、(日本では)政府と国民の協力が私たちの国(米国)よりもはるかに大きかったように思われ、このため私たちの国を含む他の国よりも、日本はコロナウイルス感染症への取り組みを早く進めることができたと思います。おそらくコロナウイルス感染症の危険性や、政府が何をしようとしているかへの信頼が高かったのではないかと推察します。日本の習慣がコロナウイルス感染症のようなパンデミックに対処する場合に有利に働いたのではないかと思います。
日本を訪問した際(2018年3月)、他の国と違い日本人はすでに抵抗なくマスクを着用していました。米国ではよく握手をします。これがコロナウイルス感染症を広める一因になったと思います。日本は病気を予防するために清潔な状態を保つことに優れています。これらすべてが日本に有利に働き、流行を制御できなくなるのを防いだのだと思います。
Q2. 新型コロナウイルス感染症は、デトロイトにどのような生活や生活様式の変化をもたらしましたか。
(フィンレー記者)ミシガン州では米国内で最も制限のかかった営業停止命令が出ました。他の州では経済活動が再開したにも関わらずミシガン州は非常に遅く、他の州では進んでいることから、人々と知事の間で大きな摩擦が起きています。
ミシガン州では他の州同様、特別養護老人ホームの入居者への対応をひどく誤りました。コロナウイルス感染症の患者を受け入れるよう命じたのです。その結果、ウイルスの影響を受けやすい集団に感染が広がりました。この国の死者は老人ホームからでした。ミシガン州では感染の影響を受けやすい人々を守ることをしませんでした。
ミシガン州では経済活動を制限しすぎてしまい、ビジネス、特に中小企業、レストラン、小売店、さらには製造業に非常にダメージを与えていたと思います。この州の40%の人々が現在働いていません。それは途方もない困難を引き起こしています。州や地域社会にも困難がもたらされ、連結したものも全てうまく動かなくなります。秋に学校が再開した際に十分資金を提供できるか分かりません。これはミシガン州とデトロイトにいる私たちにとって大きなダメージになります。」
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<デトロイトニュース>
1873年創設の日刊紙。デトロイト・フリー・プレスと並ぶ当地の二大紙の一つ。
メディア:https://www.detroitnews.com/
記者プロフィール: https://www.detroitnews.com/staff/2646740001/nolan-finley/