実施日 : 2007年08月30日 - 31日
8月30-31日 【北海道(洞爺湖-ニセコ)プレスツアー】
投稿日 : 2013年08月23日
G8サミットを1年後に控えた北海道
- 火山と共生するまち 洞爺湖 -
- 外国人観光客によって生まれ変わるニセコの奮闘 -
来年7月に開催される北海道洞爺湖サミット。開催まで1年を切り、本格的な準備が始動するなか、高橋はるみ北海道知事へのインタビューや、サミットのメイン会場となるザ・ウィンザーホテル洞爺の視察を通し、来るべきサミットに向けた地元北海道の意気込みを取材する。
次のサミットでは、今年のドイツ ハイリゲンダムサミットに引き続き、気候変動問題が主要テーマになると予想される。首脳会合の議題だけでなく、サミット全体のしつらえも環境保全の重要性を訴えかけるものになると見られている。日本政府は、日本有数の美景を誇る洞爺湖での開催に向け、「日本の環境技術を世界に発信するショーケース」と捉え、準備を進める構えだ。いち早く現地での取材を進めることで、サミット予想図を描く。
また、「環境」が主要テーマになると予測される来年のサミットにちなみ、洞爺湖周辺の雄大な自然や、洞爺カルデラの南に位置する活火山・有珠山と、そこに生きる地元の人々の営みについても見聞する。有珠山は30年に1度の周期で噴火を繰り返しており、2000年の噴火も記憶に新しい。しかし、2000年の噴火時は、建物や道路に大きな損害を与えたものの、1名の死傷者も出なかった。観測によって噴火が予知され、周辺エリアの約1万人が前日まで避難を終えていたのだ。火山災害避難では画期的な成功例と言えるが、これを実現させた背景には長年有珠山を見つめてきた研究者達の知恵や、地元の人々の意識の高さがある。
火山活動は、災害だけではなく、温泉やメロンなどの農作物に適した水はけの良い土壌としての火山灰など、豊かな恵みを与えている。「観光客をもたらす温泉があるのも、美しい絶景が見られるのも有珠山の火山活動のおかげ。その恩恵を受けて暮らしている以上、噴火は人間が受け入れなければならないもの」と、災害教育に取り組んできた三松三郎さんは語る。
ツアー2日目は、世界有数のパウダースノーが近年外国人観光客の人気を集め、一大ブームの様相を呈しているニセコを訪問。現在、ニセコを訪れる外国人観光客の数は、年間1万人余りに達しているという。通りには、オーストラリアを中心とする外国資本によって高級コンドミニアムが続々と建設され、急速な開発が進んでいる。そんななか、地元企業とニセコでビジネスを展開する移住組の外国人達が協力し、“ニセコ・ブランド”発信に向けて動き出している。北海道経済の回復が望まれるなか、地域活性化の好事例となるか注目される、ニセコの最新事情を探る。
今回のツアーでは、いずれも北海道の美しい自然が最大の魅力である洞爺湖とニセコを訪れ、「北海道洞爺湖サミット」「火山との共生するまち洞爺湖」、「ニセコ地域経済」をテーマに取材する。
※本プレスツアーは、北海道庁及び地元自治体の協力を得て、フォーリンプレスセンターが企画・運営しています。
【洞爺湖】
~北海道洞爺湖サミット予想図と地元の意気込み~
数々のサミット候補地のなかから、最終的に選ばれた北海道・洞爺湖。ツアー2日目の最後に札幌に立ち寄り、高橋はるみ北海道知事にインタビューを行い、サミットにむけた地元自治体としての取り組みを取材する。高橋知事は、「表情豊かな観光地や冷涼な気候に育まれた安全・安心の「食」など、北海道の魅力を、さまざまなメディアを通じて国内外にご理解いただくとともに、自然に恵まれたこの北海道から、かけがえのない地球環境の保全を世界にアピールしていきたい」と期待を語っている。
2.サミットメイン会場:ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ
サミットのメイン会場となる「ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ」は、標高625メートルのポロモイ山の頂上にあり、四方に絶景が広がり、眼下には洞爺湖を望む。そのロケーションと高級感は国内外で高く評価されており、海外の富裕層も多く訪れる。建物の規模は、地上11階、地下1階、延べ床面積6万3,806平方メートル。客室数は386で、館内には高級レストランやバーが13店。その他、スパ、プール&フィットネスがあり、周囲にはゴルフ場、スキー場、テニスコートなどが整備されている超一級のリゾートホテルである。本プレスツアーでは、同ホテル館内の視察や総支配人へのインタビューを行い、サミットにむけたホテルの体制や意気込みを取材する。
3.北海道洞爺湖サミット道民会議および後志支庁サミット推進会議主催夕食懇談会(※ニセコ)
ツアー1日目の夕方にニセコ町に移動し、北海道庁、北海道洞爺湖サミット道民会議、後志支庁サミット推進会議を始めとするサミット関係者と懇談夕食会を行う。
~洞爺湖周辺の自然:活火山 有珠山との共生~
4.洞爺湖ビジターセンター / 火山科学館
今年5月にオープンした洞爺湖ビジターセンターと火山科学館は、火山と生きる洞爺湖の全貌をビジュアル豊かに展示する施設。洞爺湖ビジターセンターでは、巨大空撮写真を中心に、有珠山を含む洞爺カルデラの地形や、そこに生息する動植物について展示している。火山科学館では、有珠山の自然史や、噴火のメカニズム、噴火の際の被害や防災情報などを写真や映像で解説している。
5.金比羅火口災害遺構
2000年の噴火によって被害を受けた建物を教材としてそのまま残し、保存している金比羅火口災害遺構。火山灰に埋もれた民家など、災害の爪痕を目の当たりにでき、訪れる人々に自然の脅威を伝えている。
ロープウェイで有珠山の頂きまで上り、今も水蒸気を上げる昭和新山や地熱地帯を間近に見学する。地域には、2度、3度と噴火を経験した人もおり、周辺市町では、ハザードマップの作成や、避難誘導が行われている。周期的に噴火を繰り返し、噴火の前には必ず前兆の有感地震群をともなう有珠山を、地元に人は「ウソをつかない山」と呼ぶ。災害教育のボランティアグループ、そうべつエコミュージアム友の会の会長、三松三郎さんは「観光客をもたらす温泉があるのも、美しい絶景が見られるのも有珠山の火山活動のおかげ。その恩恵を受けて暮らしている以上、噴火は人間が受け入れなければならないもの」と語る。(三松三郎さんは、三松正夫記念館(昭和新山資料館)の館長も務めている。)
7.地元地方自治体(洞爺湖町、壮瞥町等)関係者・観光協会関係主催の昼食懇談会、洞爺湖畔散策
洞爺湖の岸辺にある「洞爺湖万世閣」で、昼食を交えて地元地方自治体関係者や観光協会関係
者と懇談する。開催に向けた準備や、サミットに期待することについて聞く。昼食後は、洞爺湖畔を散策。湖岸には、湖を囲んで43キロメートルに渡って58基もの彫刻が配され、自然のなかに調和している。日本でも有数の透明度を誇る洞爺湖の神秘的な美しさを満喫する。
~外国人観光客の急増と、オーストラリア資本による不動産ブーム~
1.ヒラフ地区
雄大な山々を望むのどかな風景のなかに、コンドミニアムが次々と建設され、外国人向けの不動産業者やツアー会社が立ち並ぶ----ニセコヒラフ地区を訪れるとこんな光景が目に飛び込んでくる。2003年頃から、冬のニセコにオーストラリア人を始めとする外国人観光客が押し寄せているのだ。行政主導で売り込んだのではなく、世界有数のニセコのパウダースノーに魅せられたスキー客の口コミで評判が広まり、現在では1万人余りの外国人観光客が訪れるまでに至っているという。ブームはそれに留まらず、好景気のオーストラリアを中心に外国資本が入り、海外の富裕層をターゲットにした高級コンドミニアムやロッジが建設されている。
ニセコに訪れた好景気と言えるが、外国人向けビジネスの多くが、海外からニセコに移住して来た外国人達によって提供されているのも事実で、地元の人々の関与が薄い点や、地元経済への還元が少ない点も指摘されてきた。また、活況を呈しているのは、ヒラフ地区と呼ばれるスキー場に近いごく一部に限られている。国土交通省の昨年9月の発表では、ヒラフ地区の地価上昇率が日本一(住宅地)だったのに対し、同じ倶知安町内の駅前商店街は、地価下落率が全国ワースト10だった。この地域格差をどう打開するか、奮闘するニセコの最新事情を探る。
2.カヌー体験:ニセコ、夏のアウトドア・スポーツ
ニセコでは、冬のスキーだけではなく、ラフティングやカヤー、乗馬など、夏のアウトドア体験も人気だ。今回のプレスツアーでは、国内外から多くの観光客を惹きつけている、ニセコの夏の魅力を知るため、実際にカヌーに乗ることができる(または見学)。
~地元企業と移住組外国人企業家達との連携、“ニセコ・ブランド”の発信~
3.ニセコプロモーションボード(中間法人 ニセコ倶知安リゾート協議会)
-(有)ニセコアドベンチャーセンター ロス・フィンドレー 代表取締役
-ニセコ マウンテン リゾート グラン・ヒラフ 久野賢策 執行役員/統括総支配人 ほかメンバーの皆さん
メルボルン出身のロス・フィンドレーさんは、ニセコに移り住み、ニセコをスキーだけではなく、夏のアウトドアも楽しめる観光地にしたいと、1995年から、ラフティングやカヤックなど様々な体験型観光をアレンジする(有)ニセコアドベンチャーセンターを運営している。フィンドレーさんは、ニセコを世界的な観光地として更に確立するためには、自治体の垣根を越えてエリアが一体となったプロモーションや、インフラの充実が重要だと痛感してきた。また、ツアー会社を営むスコットランド出身のイアン・マッケンジーさんは、海外から訪れた顧客から「せっかく日本に来たのに地元の人や日本文化に触れる機会がないのが残念だ」と言われ、地域の人々と連携する必要性を感じていると言う。そんななか、フィンドレーさんを始めとする移住組の外国人企業家達と、地元の企業・事業主が連携し、新たな動きを見せている。世界に向けて“ニセコ・ブランド”を発信する新たなプロジェクト「ニセコプロモーションボード」を発足させようとしているのだ。関係者へのインタビューを通じ、始まったばかりのこの試みの内容や今後の計画について取材する。
4.ホテル甘露の森(夕食会、宿泊)
ホテル甘露の森は、自然を満喫しながら露天風呂を楽しむこともできる、森に囲まれた情緒豊かな温泉宿。ニュージーランド、中国など、多国籍のスタッフを起用し、ニセコを訪れる外国からの観光客に対してもきめ細かなサービスを提供している。
支配人の松橋京子さんは、「せっかくニセコに来たのだから、お客様には、ここならではのものを食べ、ここでしか買えないものを買って帰って頂きたい」と、宿泊客に地元の特産品を紹介したり、ロビーに地元の工芸家の作品を展示したりしている。同支配人も、発起人のひとりとして、今後新しい「ニセコプロモーションボード」の理事となって活動していく。(北海道庁主催の夕食懇談会会場、宿舎)
5.商店街で奮闘する個人商店
・株式会社山八 浅岡家具店
ヒラフ地区との格差が指摘される商店街においても、少しずつ新たな動きが見られる。大正時代から続く浅岡家具店では、昨年店舗を全面的に改装。外国人観光客や、コンドミニアムでの需要に応えるため、モダンな輸入家具や雑貨を新たに扱い始めた。「なんとか工夫して商売につなげていきたい」と3代目の浅岡孝司さんは前向きに語る。
・寿司店 日本橋(昼食)
商店街にある寿司店 日本橋では、海外経験豊富な店主による英語でのメニューやサービスが外国人観光客の人気を呼んでいる。店主の浅野三樹彦さんは、息子夫婦を語学留学させるなど、ニセコに訪れたせっかくのチャンスを生かそうと意欲的だ。(昼食会場)
1)日程(案)
DAY 1: 8月30日(木)
07:40 羽田空港 集合
08:30 羽田発(JL511)
10:00 新千歳着
10:30 新千歳発(移動車内:洞爺湖周辺の自然環境について説明)
12:00 洞爺湖ビジターセンター着
12:00-12:45 洞爺湖ビジターセンター・火山科学館視察
12:45-13:00 金比羅火口災害遺構 見学
13:00 (災害遺構発、 洞爺湖へ)
13:10-14:10 昼食(地元地方自治体関係者、観光協会関係者との懇談)(於. 万世閣)
14:10-14:45 湖畔散策
14:25 (洞爺湖発、有珠山へ)
14:40-16:00 有珠山ロープウェイ(有珠山・昭和新山)
説明:北海道大学名誉教授 岡田弘氏、
そうべつエコミュージアム友の会 会長三松三朗氏
16:00 (有珠山ロープウェイ発、ウィンザーホテルへ)
16:35-17:35 ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ
- 総支配人 堤田美穂氏 インタビュー
- 洞爺湖サミット会場候補地視察・ホテル外観撮影
17:35 (ウィンザーホテル発、ニセコ町 ホテル甘露の森へ)
18:45 ホテル甘露の森着、支配人挨拶
19:30-21:00 北海道洞爺湖サミット道民会議および後志支庁サミット推進会議主催夕食会(会場 ホテル甘露の森)
<宿泊:ホテル甘露の森>
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ホテル甘露の森:
所在地 〒048-1511 北海道虻田郡ニセコ町 ニセコ415
tel (0136)58-3800(代)
fax (0136)58-3107(代)
http://www.kanronomori.com/
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DAY 2: 8月31日(金)
08:30 ホテル甘露の森 発(移動車内:ニセコ町・倶知安町 各担当者より町の概要説明)
カヌー体験、または見学
10:15-11:45 ニセコヒラフ(ホテルニセコアルペンにて)
「ニセコプロモーションボード」関係者インタビュー
-(有)ニセコアドベンチャーセンター 代表取締役 ロス・フィンドレー氏
- ニセコ マウンテン リゾート グラン・ヒラフ
執行役員 統括総支配人 久野賢策氏
- ホテル甘露の森 支配人 松橋京子氏、
マーケティングマネージャー ポール・ハガート氏
11:45 (ニセコヒラフ発、倶知安町中心部の商店街へ)
12:00-12:20 浅岡家具店 訪問
12:20-13:40 寿司店日本橋 訪問、昼食
13:40 (寿司店日本橋発、札幌 北海道庁へ)
16:00-17:00 札幌 北海道庁着、
知事取材
17:15 (北海道庁 発、新千歳空港へ)
18:30 新千歳着
19:25 新千歳発(JL538)
21:00 羽田着
2)参加資格: 外務省発行外国記者登録証保持者
3)参加費用: 1人¥15,000-(全行程交通費、食事、宿泊を含む)
*お支払い方法、キャンセル料等については参加者に通知します。
4)募集人数: 先着順17名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)
申し込み人数が15名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。
5)FPCJ担当: 矢野、吉田(Tel:03-3501-5070)
6)備考:
(1)写真・TV撮影は一部制限があります。担当者の指示に従って下さい。
(2)北海道、北海道内の自治体、及びFPCJはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。