プレスツアー(案内)

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実施日 : 2007年12月04日 - 05日

12月4~5日: 拉致問題啓発プレスツアー

投稿日 : 2013年08月23日

「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」に先駆けて
   ~拉致問題の実態に迫る~

 

来る12月10~16日「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」です。

 

本プレスツアーでは、拉致問題の最前線で政府と被害者家族をつなぎつつ活動する中山総理大臣補佐官、六者会合、日朝交渉に努力する外務省の幹部、及び北朝鮮専門家のブリーフィングにより拉致問題の現状を的確に把握するとともに、北朝鮮工作船拉致の「現場」取材を通じて拉致の実態に迫ります。更に、救う会/家族会関係者との直接対話により、草の根レベルで拉致と闘う人々の生の声をきき、拉致問題への国際的関心の高まりを取材します。

 

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「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」は去年6月、拉致問題を始めとする北朝鮮当局による人権侵害問題の解決に国際社会を挙げて取り組むなか、同問題についての国民の関心と認識を深めていこうとの目的で定められたもの。本プレスツアーでは、同週間に先駆けて、緊急の国民的課題とされる拉致問題を多角的に取材する。

 

1970~80年代にかけて、多くの日本人が不自然な形で行方不明となり、その後の捜査や亡命北朝鮮工作員の証言により、これらの事件の多くは北朝鮮による拉致の疑いが濃いことが明らかとなった。2002年9月日朝首脳会談では、北朝鮮は長年否定してきた拉致を初めて認め、謝罪した。2006年9月に総理大臣を本部長とする政府拉致問題対策本部が設置され、日本政府は「拉致問題は日本の国家主権と国民の生命・安全に関わる重大な問題であり、その解決なくして日朝国正常化はない」との方針の下、北朝鮮に対し、すべての拉致被害者の安全確保と速やかな帰国を強く求めている。

 

現在、日本政府は17名の日本人を拉致被害者として認定しており、そのうち5名は2002年10月24日に24年ぶりの帰国が実現した。しかし、残りの被害者については安否不明のまま、いまだに北朝鮮から納得のいく説明もなされていない。また、日本に帰国した拉致被害者の証言等により、韓国のほか、タイ、ルーマニア、レバノン等にも北朝鮮に拉致されたとみられる者が存在することが判明し、いまや拉致問題は国際社会全体の人権問題となっている。

 

※本プレスツアーは、政府拉致問題対策本部が主催し、フォーリン・プレスセンターが企画・運営しています。

 

取材内容:

 

1. 中山恭子総理補佐官(拉致問題担当)によるブリーフィング

 

中山氏は2006年9月より総理大臣補佐官として拉致問題に献身的に取り組んでいる。本年7月の参院選では、自民党比例区から立候補し、党内得票数第3位で当選、安倍改造内閣及び福田内閣でも補佐官(拉致問題担当)として留任した。

 

2002年秋、当時は内閣官房参与として、5人の日本人拉致被害者を平壌まで迎えにいった代表団の一人であり、拉致被害者や家族からの信頼も厚く、現在も日本政府と拉致被害者及び家族とのリエゾンとして日夜奮闘している。「国際社会にもっと拉致問題を知って頂きたい」と、2003年3月に続き、本年9月末に当センターで在京外国メディアに第2回目のブリーフィングを行った。(写真)

 

「国交のない北朝鮮との交渉には、国際社会と国際機関の協力が不可欠」と訴える中山補佐官から拉致問題の最前線についてきき、本ツアーが幕を開ける。

 

2.  外務省アジア大洋州局幹部によるブリーフィング

 

本年6月のハイリゲンダムサミットにおいては、日本のイニシアチブにより、議長総括に「我々は北朝鮮に対し、拉致問題の早急な解決を含め、国際社会の他の安全保障及び人道上の懸念に対応するよう求める」との強いメッセージが盛り込まれた。
 また、本年3月と9月には、六者会合の作業部会である日朝国交正常化作業部会が開催された。9月の作業部会では、日朝間で拉致問題を含む諸懸案を解決し、国交正常化を実現すべく、双方が努力し、具体的な行動につき協議し、実施してくことで一致したが、具体的な進展は得られなかった。
 9月末に開催された六者会合においても、日朝関係に関し、日朝双方が精力的な協議を通じ具体的行動を実施していくことが確認されたが、その後も拉致問題について具体的な進展がなかったこと等を総合的に勘案し、我が国は独自の対北朝鮮措置を延長した。
 このように、「対話と圧力」を組み合わせつつ、これまで拉致問題の解決に向けて具体的にどのような取り組みがなされ、今後日朝間の交渉はどう進展していくのか、外務省アジア大洋州局幹部より説明を受ける。

 

3. 海上保安資料館横浜館 北朝鮮工作船展示場

 

 海上保安資料館横浜館(写真)は国民に日本周辺海域の現状と海上警備の重要性などを理解してもらう目的で、2004年12月10日、横浜海上防災基地に開館した。

 

館内には、2001年12月22日に発生した、九州南西海域不審船事案にかかる工作船及び回収物などが展示されている。
 同事件は、海上保安庁が東シナ海の公海上で「長漁3705」と記された国籍不明の漁船型船舶(のちに北朝鮮の工作船と判明)に対して、日本の排他的経済水域内において違法な無許可漁業を行っている疑いで立入検査を実施しようとしたが、同船がこれを拒んだため、同庁が漁業法違反容疑で強制捜査を行おうとしたところ、機関砲やロケット弾による銃撃戦となり、同船は22日深夜に爆発炎上、沈没した。

 

その後、船体(写真右)は引き揚げられて東京に運ばれ、2004年2月まで船の科学館で一般公開後、同12月10日から横浜館で展示されて今に至る。同館では、多数の弾痕の残る船体や引き揚げられた遺品・武器類などとともに、11月20日より館内に特設される「拉致問題コーナー」を視察する。

 

 

 

 

4. 北朝鮮専門家との懇談、インタビュー

 

今年7月に「北朝鮮はなぜ潰れないのか」を出版するなど、北朝鮮に精通する数少ない一人として、現在多くのメディアで活躍する早稲田大学国際教養学部重村智計教授より、拉致問題を中心とした北朝鮮をめぐる最近の情勢について見解をきく。重村教授は、「拉致問題解決なしに日朝国交正常化はないという日本政府の姿勢は正しい」と主張し、長年にわたり横田夫妻を含む拉致被害者の家族を支援してきた。
続いて、幅広い観点から拉致問題の動きを見守り、日本における朝鮮半島政治研究の第一人者である慶應義塾大学法学部の小此木政夫教授に、日朝関係、核・ミサイル問題、安全保障問題にからめて、目まぐるしく変動する朝鮮半島情勢について最新の分析をきく。

 

5. 新潟 拉致現場取材、新潟県庁及び新潟県警察本部によるブリーフィング

 

1977年11月15日夕刻、横田めぐみさん(当時13歳)がクラブ活動を終えて中学校から帰宅する途中、海岸から数百メートル離れた地点で友人と別れた後、新潟市寄居町付近において北朝鮮工作員により拉致され、その後現在に至るまで行方不明となっている。新潟県警の案内で同拉致現場を視察し、新潟県庁拉致問題調整室及び新潟県警に、県内で発生した拉致容疑事案(1978年 柏崎市:蓮池薫・祐木子夫妻、佐渡郡:曽我ひとみ・ミヨシさん親子)の概要などについてきく。

 

 

 

6. 横田滋「家族会(北朝鮮による拉致被害者家族連絡会)」前代表、早紀江夫人
インタビュー

 

1977年に横田めぐみさんが行方不明となり、県警の捜査が始まると同時に、めぐみさんの両親である横田滋・早紀江夫妻はあらゆる手段でめぐみさんを探し続けるが、手がかりは得られなかった。そして事件から20年後の1997年、脱北した北朝鮮元工作員の証言で、横田めぐみさんの拉致が明らかとなる。横田夫妻は、実名を公表して救出活動を行うことを決意し、1997年3月「家族会」が結成された。その後支援組織として設立された後述の「救う会」と一体となり、「拉致被害者を一日でも早く家族のもとへ」との思いのもと献身的な救出運動が行われている。

 

めぐみさんの父親であり、先ごろまで「家族会」代表を務めていた横田滋氏は、2005年6月10日、参議院拉致特別委員会にて証言、北朝鮮への経済制裁の発動を訴えた。また、母・早紀江夫人は、昨年4月27日、米国下院議会で証言、拉致被害者救出運動に対する支援を求めた。翌日にはブッシュ大統領との面会が実現し、同大統領は「(解決への)働きかけを強めたい」と約束した。昨年12月には、北朝鮮人権問題啓発週間を契機に、拉致救出運動に関する写真パネル展を全国各地で開催した。1997年の拉致から現在に至るまでの30年間、娘の帰国を願い、拉致問題の全面解決のために必死に活動を続けている横田夫妻に、これまでの活動の軌跡や世界のメディアにむけたメッセージをきく。

 

7.「救う会(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)」関係者との懇談・インタビュー

 

北朝鮮に拉致されたすべての人々を救出するため、党派や多様な考え方を超えて「救出」の一点で一致できる人々の支援を得て運動する市民団体。上記の「家族会」を支援するために各地で生まれた救出組織が1998年4月に一体化し全国協議会となった。国内38都道府県1市に39の「救う会」と青年組織1を併せて40の加盟組織をもつ(2007年11月現在)。

 

同会とは別に設立された「特定失踪者問題調査会」は、100名以上の日本人が拉致されていると推定しており、現在約460名の拉致の可能性のある事例を集め、うち約250名の実名を公開し、調査を続けている

 

 

更に、北朝鮮による拉致は世界的な広がりを持っていることが明らかになり、その被害者は韓国、タイ、ルーマニア、レバノンなど多数の国に及ぶとされ、同会は韓国家族会やタイの救援団体とも連携している。本年9月にはタイで初の北朝鮮人権状況国際会議「拉致と脱北」が開催され、「救う会」幹部も参加した。同会・幹部らと懇談する機会をもち、本ツアーを締めくくる。

 

 

 

 

ツアー実施要領:

 

1)日程(案)

 

DAY 1: 12月4日(火)

 

09:40 フォーリン・プレスセンター(FPCJ)集合
09:45 主催者挨拶、日程説明
10:00-11:00 中山恭子総理大臣補佐官によるブリーフィング(FPCJ記者会見室)
11:15 FPCJ発(借上げバスにて移動)
12:00-12:50 昼食
13:00-14:00 海上保安資料館横浜館・工作船展示場 視察
(同館発、FPCJへ)
15:00-16:00 外務省アジア大洋州局幹部によるブリーフィング(FPCJ記者会見室)
16:30-18:00 北朝鮮専門家との懇談、インタビュー(同上)
(FPCJ発)
18:30 東京駅着
18:52 東京発(Maxとき343号)
21:11 新潟着(タクシーにて、ホテルへ移動)
21:30 ホテル着、チェックイン
<ホテルオークラ新潟 泊>

 

DAY 2: 12月5日(水)

 

09:00 ホテル発(借上げバスにて移動)
09:30-10:30 新潟 拉致現場取材
11:00-12:00 新潟県庁、及び新潟県警によるブリーフィング
12:30 新潟駅着
13:10 同発(Maxとき326号)(車中にて昼食)
15:20 東京着(マイクロバスにて移動)
16:00 FPCJ着
16:15-17:15 横田家族会前代表、早紀江夫人へのインタビュー(FPCJ記者会見室)
17:25-18:25 救う会関係者との懇談、インタビュー(同上)
18:30 終了、解散

 

2)参加資格: 外務省発行外国記者登録証保持者

 

3)参加費用: 1人¥12,000-(全行程交通費、食事、宿泊を含む)
*お支払い方法、キャンセル料等については参加者に通知します。

 

4)募集人数: 先着順15名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)申し込み人数が15名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。

 

5)FPCJ担当: 小泉、吉田、古賀(Tel:03-3501-5070)

 

6)備考:
(1)写真・TV撮影は一部制限があります。担当者の指示に従って下さい。 
(2)政府拉致問題対策本部、及びFPCJはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。 

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