プレスツアー(案内)

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実施日 : 2019年09月20日

案内:東京理科大学プレスツアー(2019年9月20日)

投稿日 : 2019年08月30日

*「複合災害」のメカニズムを解き明かせ

*「バイオ燃料電池」の開発が導くスマート社会

 

 

<「複合災害」への対応>

世界でも類を見ない自然災害大国・日本。今後30年の間に、約70%の確率で発生するとされている南海トラフ地震と首都直下地震では、交通や通信インフラの途絶などによる都市機能の麻痺といった深刻な事態も想定されている。一方、気候変動に伴い台風が大型化するケースも多く、長時間にわたる大雨で洪水も多発しており、地震と洪水が連続して発生することによる「複合災害」が懸念されている。実際に、2016年4月に発生した熊本地震の約2カ月後には同県を豪雨が襲い、県内を流れる木山川の堤防が決壊したが、これは豪雨の前の地震で堤防が沈下していたことが一因と考えられている。また、大地震とその後に発生する津波による複合災害が2011年東日本大震災で確認されているほか、2018年6月の大阪府北部地震や同年9月の北海道胆振東部地震では台風と地震が連続して発生し、生活インフラや通信ネットワークにも大きな被害をもたらした。被害の拡大を招く複合災害の実態の解明と対策が急務となっている。

 

<「バイオ燃料電池」の開発>

さまざまなモノがインターネットにつながる現代のIoT社会でIoT関連機器の普及が加速するなか、近年、技術開発が急速に進んでいるのがウェアラブル・デバイスだ。しかし、スマートウォッチやスマートグラスなどのデバイスも頻繁な充電や電池交換が普及の妨げになっているとも言われている。そうした中で注目されているのが、身近にあるわずかな光や振動、熱、風などをエネルギー源として電力に変換する「環境発電技術」で、電力を自給自足できる究極の省エネ技術とも言われている。その中でも、わずかな消費電力で動くウェアラブル・デバイスの普及を促すと期待されているのが、人の汗や尿などの体液で発電する「バイオ燃料電池」だ。

 

今回の東京理科大へのプレスツアーでは、①「複合災害」のメカニズム解明と防災、②「環境発電技術」の一つ「バイオ燃料電池」の開発という安全・安心な社会の実現のための課題に挑む研究に焦点を当て、実験の様子を含む研究の最前線を取材する。

 

1.「地震」と「洪水・津波」、連続する自然災害に立ち向かう ~大学初の大規模実験施設で「複合災害」のメカニズムを解き明かす~

東京理科大学理工学部・土木工学科の水理研究室では、2017年6月、同大野田キャンパスに完成した、国内の大学初の本格的実験用水路(全長33m、高さ1m、幅0.6mを用いて、これまでできなかった地震と洪水・津波の複合災害を再現する実験を行っている。

 

日本特有とも言える、複合災害を想定した耐災害実験が可能な施設は珍しく、実験は、水路に土を積み上げて頂部をアスファルト舗装した堤防の模型(高さ50センチ)を設置して実施。1995年の阪神・淡路大震災に匹敵する約800ガル(ガルは加速度の単位)の強い地震動を発生させ、土堤が沈下し、その後、起こる越水決壊を再現するもので、地震による地盤沈下や損傷の結果、堤防の耐久性が低下することが確かめられた。今後、地震と洪水・津波に対しては、粘り強く壊れにくい、また避難時間を少しでも長く確保できるような河川堤防・防潮堤の強化技術開発などを通じて、この水路で行われる実験は今後の災害対策に大きく貢献するものと期待されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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本プレスツアーでは、二瓶泰雄(にへい やすお)教授から、地震と洪水・津波の複合災害を再現する実験の説明および実際の実験の様子を視察・撮影する。

*実験は2部構成で、前半で地震発生実験を行い、その後水路取り換え作業を行った後、越水・津波実験を行います。

 

 

2.”究極の省エネ“バイオ燃料電池を活用したウェアラブル・デバイス ~熱中症対策や介護現場での負担軽減に向けて~

東京理科大学理工学部の四反田功(したんだ いさお)講師が取り組んでいるのは、自己駆動型のウェアラブル・デバイスの開発だ。汗や尿などに含まれる乳酸やブドウ糖から発電するバイオ燃料電池を電源にし、小型薄型デバイス(センサー)で、体液中の乳酸・ブドウ糖値をリアルタイムで計測し、その結果を無線で伝送する。このデバイスは、電源とセンサーの両方の役割を備えており、その実用化は、アスリートや工事現場で働く作業員などの熱中症対策のほか介護現場等、生活のさまざまな場面で利用が期待できる。

 

例えば、四反田講師が開発した尿糖から発電する紙製のウェアラブル・バイオ燃料電池は、簡単な電子回路と組み合わせて下着に敷くことで、尿が漏れた時に無線で知らせるセンサーとなる。このため、介護施設などで入居者が尿漏れを起こしていないかを常時モニターでき、介護現場や病院などでの負担軽減につながる。体液を用いて発電するというシンプルな構造であるため、環境負荷は極めて小さい。また、電池は紙製で小型かつ軽量、大部分は印刷して作られるため製造コストも抑えられる。

 

 

また、四反田講師は、汗に含まれる乳酸を燃料とするバイオ燃料電池を搭載した自己駆動型ウェアラブル・デバイスの開発も進めている。このデバイスは印刷型のウェアラブル・イオンセンサーと組み合わせることで将来的に汗中の乳酸を燃料として自己駆動し、体液中の塩分濃度や乳酸濃度を測るというデバイスである。このデバイスにより、汗の塩分濃度から熱中症になる危険を察知することができ、真夏に建設現場で働く作業員の熱中症対策やアスリートの疲労管理、病気の早期発見など、さまざまな場面での活用が期待されている。

 

本プレスツアーでは、四反田講師からバイオ燃料電池を搭載したウェアラブル・デバイスの開発について説明を受けた後、ウェアラブル・イオンセンサーを腕に付け、自転車型のトレーニングマシンを使って、汗の塩分濃度をモニタリングする様子を取材する。

 

実施要領

1. 日程

9月20日(金)

場所:東京理科大学 野田キャンパス

 7:45 日本プレスセンタービル集合
 7:55-8:50 日本プレスセンタービル~東京理科大学 野田キャンパス(バス移動)
 9:00-10:15

水理研究室①

・二瓶泰雄教授による研究の紹介(地震×洪水の複合災害とは、「河川堤防強化技術」開発の現状)、質疑応答

・加振実験の取材(撮影含む)
 10:30-11:45

四反田研究室

・四反田功講師による、熱中症のリスクを感知する薄型センサーについての研究の紹介

・研究の現状及び実用化の見通しについての説明、質疑応答
 11:45-12:45 昼食@上島珈琲(野田キャンパス内)
 13:00-14:00

水理研究室②

・越水実験の取材(撮影含む)

 15:00 日本プレスセンター着


2. 参加資格:外務省発行外国記者登録証保持者


3. 参加費用:無料


4. 募集人数:10名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)
  ※申し込み人数が10名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。


5. FPCJ担当:広報戦略課 鈴木希・中野たか子(Tel: 03-3501-5251 | E-mail: sc@fpcjpn.or.jp)


6. 備考:

・本プレスツアーは東京理科大学が主催し、公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)が企画・運営を担当しています。

・本ツアーの内容は、予告なく変更になる可能性があります。

・主催者とFPCJは、ツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して一切責任を負いません。

・写真・TV撮影に関しては、担当者の指示に従ってください。

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