実施日 : 2019年02月14日 - 15日
案内:袋井市プレスツアー
投稿日 : 2019年01月17日
袋井市プレスツアー
~ラグビーワールドカップ2019日本大会まで7カ月、開催地・袋井の今~
~南海トラフ巨大地震に備えた袋井の津波対策~
~WHO表彰―健康都市 袋井の地産地消型「食育」~
このプレスツアーでは、ラグビーワールドカップ2019(RWC2019)の開催に向けて盛り上がりを見せる袋井市の準備状況について、市長、地元の小学校、試合会場のスタジアムなどを取材する。また、地域の防災対策の一つとして津波に焦点を当て、防潮堤や避難タワー、命山、保育園児による津波避難訓練を取材する。
RWC2019
9月28日に始まる日本vsアイルランド戦から10月11日のオーストラリアvsジョージア戦まで4試合が決定している袋井市。会場となるエコパスタジアムでは開催に向けての準備が着々と進み、大会期間中、延べ20万人の観客を迎え入れる用意が整いつつある。大会の開催は、地元の子供たちの英語力の向上など、市民の国際化も後押ししている。
津波対策
静岡県の西部に位置し、太平洋に面する袋井市は、これまで度々、大地震や高潮などの被害に見舞われてきた。同市には、江戸時代から伝わる津波避難場所で「命山(いのちやま)」という人工の築山がある。東日本大震災以降、さらなる防災・減災の強化が問われる中で、先人の知恵に学んだ「現代版の命山」が建設されるなど、特色ある津波対策が取られている。
学校給食における食育
「日本一健康文化都市」をモットーに掲げる袋井市が力を入れるのは、学校給食における「食育」だ。地元で採れた食材を積極的に利用し、主要食材の多くを地場産品でまかなうなどとした「地産地消型」が特徴だ。
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※本プレスツアーは、袋井市が主催し、公益財団法人フォーリン・プレスセンターが企画・運営しています。
【取材内容】
[1] 袋井市 市長 原田 英之 氏
http://www.city.fukuroi.shizuoka.jp/kurashi/soshiki/11/rugbykaisaizyunbishitsu/rwc2019/index.html
RWC2019の開催地のひとつ、静岡県・袋井市は、静岡県の西に位置する人口およそ8万8,000人の町だ。子育て支援や企業誘致などにより人口が緩やかに増加していることから、市の平均年齢は43.9歳(平成27年度国勢調査より)と県内有数の「若いまち」としても知られている。
2002年の日韓共催FIFAサッカーワールドカップをホストした市でもあり、当時整備されたスタジアムや道路などのインフラを強みに、半年後に控えるRWC2019に向けて着々と準備を進めている。また、ソフト面では、未来を拓く子どもたちを中心としたまちの国際化を目指し、各家庭で外国人訪問客を受け入れるホームステイの推進や小・中学生を対象にした英語教育にも力を入れている。
◆市長に、RWC2019開催地の首長として大会に向けた施策や抱負などについて聞く。
[2] RWC2019試合会場「エコパスタジアム」
https://www.ecopa.jp/facilities/
RWC2019の試合が行われる全国12会場の内、日本vsアイルランド戦を含む強豪の4試合の舞台となるのが「エコパスタジアム」だ。2002年日韓共催FIFAサッカーワールドカップを開催した実績があり、収容人数50,889人というラグビー会場では国内2位の規模を誇る巨大スタジアムだ。すでに音響設備やモニターなどの改修工事が完了、現在は高画質の映像に対応した照明や客席の整備が進み、大会準備は大詰めを迎えている。
【2019年 エコパスタジアムでの試合予定】
・日本 vs アイルランド
・南アフリカ vs イタリア
・スコットランド vs ロシア
・オーストラリア vs ジョージア
◆エコパスタジアムでは、施設担当者より大会開催に向けた施設の改修状況、受け入れ体制、大会開催への期待などについて聞き、客席やカメラブース、ロッカールームを撮影する。また、最寄駅のJR愛野駅に設置された大会公式球をモチーフにしたモニュメントでは日本一のサイズを誇る巨大ラグビーボールも撮影する。
[3]小学校の英語教育改革、まちの国際化
RWC2019の開催により多くの外国人観光客が訪れることが想定される袋井市は、「英語でおもてなしのできる人材の育成」を目標に掲げ、未来を担う子供たちの英語力の向上に力を注いできた。その基盤となるのは、小学校低学年からの英語教育だ。2020年から全国で実施される新学習指導要領を2018年から市内の全校で先行実施。これまで5・6年生で行われていた「聞く」・「話す」を中心とした外国語活動が3年生からスタートし、高学年では「読むこと」、「書くこと」も加えた教科としての英語教育を実施している。3年生以上の全授業にネイティブスピーカーのALT(外国語指導助手)を配置して実践的な授業で「使える英語力の育成」に取り組んでいる。
◆「英語教育推進モデル校」として、教育カリキュラムの開発に取り組んできた袋井市立高南小学校を訪問し、市教育委員会担当者より袋井市の英語教育の特徴について聞き、5年生の英語の授業を視察する。さらに、児童から地元でRWC2019が開催されることへの期待などについて聞く。
[4]津波対策
政府の地震調査委員会は、今後30年以内にM9クラスの南海トラフ巨大地震が70~80%の確率で発生すると予測している。袋井市は、同地震による津波の被害が特に懸念される139市町村のうちの一つで、歴史を振り返ってもM8.4を記録した江戸時代の宝永地震や1944年の東南海地震など、これまで度々大規模な災害を経験してきた。国や静岡県の被害想定によれば、南海トラフ巨大地震が発生した場合、袋井市は死者600人、建物の全壊・焼失15,000棟の甚大な被害を受ける可能性がある。このように地震や津波の脅威と常に背中合わせに歩んできた袋井市の防災意識は非常に高く、東日本大震災以降はさらに厳しい条件を想定して、防潮堤の整備や津波避難施設の増設、地域一体となった避難訓練の実施など、全国トップレベルの津波対策が講じられている。
◆本ツアーでは、袋井市の津波対策について市の危機管理課よりブリーフィングを受け、江戸時代の命山、平成の命山、津波避難タワー、防潮堤を取材する。
江戸時代の命山に学ぶ「平成の命山」
「命山(いのちやま)」は別名、「命塚(いのちづか)」、「助山(たすけやま)」などとも呼ばれる人工の築山で、江戸時代に造られた高潮の避難所だ。1680年に江戸時代最大級の台風が日本列島を襲った際、袋井市では高潮の被害により約300人の死者が出たと言われており、こうした被害を繰り返すまいと当時の村人たちが高い塚を形成、「命山」と呼ばれるこの塚がその後の高潮の被害から地域の人々の命を救ってきた。
東日本大震災以降、津波被害から命を守るための避難施設のあり方が議論される中、江戸時代の命山に学ぶ「平成の命山」の建設を要望する声が地元住民から上がった。命山は避難タワーに比べて維持にかかる費用が少なく、半永久的に利用できることに加え、平時には住民の散歩コースや地域のイベントなどに活用できるメリットがある。袋井市は、津波避難計画を策定し、住民の命を守るため、4つの命山を建設した。同市の例をきっかけに浜松市や湖西市など津波被害が予測される他の地域でも活用が進んでいる。
◆静岡県指定文化財となっている江戸時代の命山を訪れた後、市内に4つある平成の命山のうち、最初に造られた「湊命山」(収容人数は市内の命山で最大の1,300人)を訪れ、命山の強みについて聞く。
津波避難タワー「きらりんタワー」
「きらりんタワー」は市内初の津波避難タワーで、高さは海抜12m、270人が逃げ込める建物だ。周辺には保育園や幼稚園、小学校が隣接しており、以前から地域住民や子供たちの安全を確保するための一時避難場所の確保が課題となっていた為、市は東日本大震災以降、地域の津波避難計画の強化を図り、2012年にタワーを完成させた。隣接する保育園では現在、週1回の頻度で避難訓練が行われている。
◆きらりんタワーに隣接する保育園の園児による津波避難訓練の様子を取材する。
防潮堤整備
全長5.35kmに渡って続く浅羽海岸は、白い砂浜と海岸防災林の松林の景観が美しい海岸として長年市民に親しまれてきたが、近年、マツクイムシの被害等によりその松林の荒廃が問題となっていた。また、南海トラフ巨大地震の被害想定では浅羽海岸に最大10mの津波の襲来が予想され、沿岸地域が広い範囲で浸水被害を受けることから、市は2014年に県との連携で津波を防止するために海岸防災林を補強する盛土の整備に乗り出した。
◆一部工事が終了した沿岸部を訪れ、完成した標高12mの盛土や新たに植樹された海岸防災林を視察する。防潮堤が津波の被害から命や家を守り、人々が自然と共存しながら海岸地域を活用することを目指す「袋井市静岡モデル防潮堤整備事業」について聞く。
【5】ヤマハリゾート「葛城ホテル北の丸」
https://www.yamaharesort.co.jp/katsuragi-kitanomaru/
ヤマハリゾート「葛城ホテル北の丸」は、築200年の古民家を移築してできた袋井を代表するリゾートホテル。1970年代に北陸地方の貴重な木造古民家が衰退している現状を知った当時のヤマハ(株)の社長が何とか貴重な家屋を救い、宿泊施設計画に活かせないかと発案。古民家7棟を移築し、1978年に完成させた。
2002年の日韓共催FIFAサッカーワールドカップでは、当時の日本代表チームのトルシエ監督がここを「サムライたちが心身を休める城」と位置づけ、合宿所として選んだことでも有名だ。
日本の平城をイメージして造られた「葛城ホテル北の丸」には、大手総合楽器メーカーのヤマハだからこそ入手できた貴重な銘木が随所に使われており、釘を使わない古民家の梁組がそのままに残されるなど希少価値の高い建物になっている。入り口には地域の武家屋敷を模した長屋門、屋根には地元の遠州の遠州瓦が施されるなど、同地域ならではの特徴を備えた荘厳な日本建築だ。
◆「葛城ホテル北の丸」を訪れ、ヤマハリゾート社長の安藤貞敏氏の案内で施設の特色ある設備を視察・撮影し、RWC2019開催地としての期待について聞く。
【6】市、生産者、学校が連携した食育の取組
袋井市は、野菜の摂取量の増加や地場産食材の活用による健康的な食習慣形成と地域経済の活性化に力を入れており、おいしい給食課を中心に、学校給食における地場産物の利用を推進してきた。そうした取組みは2018年マレーシアで開催された「第8回健康都市連合国際大会」でWHO(世界保健機関)表彰(ベストプラクティス賞)を受賞するなど、世界からも注目を浴びている。地元の生産者との連携や地域と給食センターを結ぶ流通システムの構築を積極的に行うことで、チンゲンサイやキャベツなど、年間を通じて安定的に納入できる主要10品目の学校給食における地産地消率は年々上昇、2017年度は重量ベースで31.8%を達成している。
◆袋井市が地域一体となって取り組む地産地消型の学校給食について、おいしい給食課の職員よりブリーフィングを受け、生産農家や学校現場を取材する。
学校給食の現場
袋井市の食育で欠かせないのは栄養教諭等による定期的な学校訪問と子どもたちへの指導だ。栄養教諭は、給食の時間に教室を回り、献立に使われる旬の食材や食材の産地の紹介など、訪問の時期や各学年の学習内容を考慮しながら説明を行っている。生産者や調理師への感謝の気持ちと、美味しく食べてもらうための気持ちを込めた配膳も食育の一部だ。
◆小学校では、配送車の到着から各教室での給食当番による配膳の様子を視察・撮影し、栄養教諭による説明を聞いて児童と一緒に給食を食べる。さらに、児童への個別のインタビューを行う。
チンゲンサイ農家訪問
「作った野菜を地元の子供たちに食べてもらえるのはやりがいの一つ」そう語るのは、8年前からチンゲンサイを給食食材として小学校に提供している鈴木利征さんだ。1500㎡の敷地にハウス6棟を構え、そこで生産されるチンゲンサイの約15%を学校給食に提供している。小学生がチンゲンサイの収穫体験に訪れることもあり、鈴木さんは子供たちが野菜に親しみ、袋井産の食材に関心を持ってもらう機会になればと話す。
◆安全で美味しい野菜の育て方、生産者として子どもの食育に関わることへの想いなどについて聞く。
【実施要領】
1.日程:2019年2月14日(木)~15日(金)(1泊2日)
2.スケジュール:
※日程は調整中のものであり、予告なく変更になる可能性があります。
<1日目:2/14(木)>
7:26- 9:09 東京駅発~掛川駅(新幹線こだま635)
9:35‐10:00 袋井市の概要ブリーフィング
10:00‐11:30 RWC2019に向けたエコパスタジアムの取組
11:35‐11:40 ラグビーボール型巨大モニュメント視察
11:50‐12:35 昼食
(ご当地グルメ「たまごふわふわ」)
◆江戸時代に袋井宿で食べられていた卵料理を復元したもの
12:40‐13:10 袋井市の津波対策ブリーフィング
13:50‐14:15 袋井市静岡モデル防潮堤整備事業 (於:海岸防潮堤建設現場)
14:20‐14:45 史跡:江戸時代の命山
14:55‐15:10 平成の命山
15:15‐16:00 津波避難タワー、保育園避難訓練
16:45‐18:00 ヤマハリゾート葛城ホテル北の丸
18:00‐20:00 夕食(葛城ホテル北の丸)
宿泊(葛城ホテル北の丸)
<2日目:2/15(金)>
8:20 葛城ホテル北の丸 出発
9:00- 9:45 袋井市の食育・学校給食に関するブリーフィング
10:05‐10:45 給食食材の生産者取材(チンゲンサイ農家)
11:10‐11:20 給食の配送車と準備の様子
11:30‐12:05 栄養教諭によるブリーフィング
12:10‐12:55 給食配膳、食事
12:55‐13:15 児童インタビュー
13:15‐13:50 清掃活動・英語教育に関するブリーフィング
14:00‐14:30 英語の授業視察
15:00‐16:00 原田英之市長取材
17:05‐18:47 掛川駅発~東京着(新幹線こだま666号)
2.参加資格: 外務省発行外国記者登録証保持者
3.参加費用: 1人10,000円(全行程交通費、宿泊費(朝食込み)、昼食(1日目、2日目)、夕食(1日目)を含む)※申し込み後に参加をキャンセルされる場合、理由の如何を問わず、以下のキャンセル料をお支払いいただきます。
・2月13日(水)15:00までのキャンセル 5,000円
・それ以降のキャンセル 10,000円(参加費用全額)
*お支払い方法は、後日参加者にご連絡します。
4.募集人数: 9名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)。
*申し込み人数が9名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。
5.FPCJ担当:石田 恵、山口 智永(TEL: 03-3501-3405)
6.備考:
(1)本ツアーの内容は、予告なく変更になる可能性があります。
(2)参加者には経費の一部を負担していただいていますが、営利を目的とした事業ではありません。
(3)袋井市およびFPCJはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。
(4)写真・TV撮影に関しては担当者の指示に従ってください。
(5)本ツアーは、報道を目的とした取材機会の提供を目的としているため、参加者には、本国での報道後、FPCJを通じ袋井市に、記事、映像、音声(ラジオの場合)のコピーの提出をお願いしています。また、報道が英語・日本語以外の場合は、内容を把握するため英語または日本語の概要の提出も併せてお願いしています。
参加申込者は、これらに同意いただいたものとみなします。